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*日本語訳(非公式)ができましたのでお知らせします
第62回国連総会における スルジャン・ケリム国連総会議長演説
(ニューヨーク、2007年9月25日)

プレスリリース 07/091-J 2007年11月01日

事務総長
各国元首・政府首脳
諸閣下
友人の皆様

ニューヨーク市の5つの行政区では、180を超える言語が話されています。この国際都市はまさに世界の縮図です。国連加盟全192カ国の最高レベルの指導者が集まるのに、ニューヨークほどふさわしい場所があるでしょうか。

我々は、国連加盟諸国とその国民が集団的また個別的に直面する緊急課題を討議するため、ここに集まりました。国連総会は、極めて多数の国家元首や政 府首脳が毎年一堂に会するまれな機会のひとつです。他にこのような機会がありましょうか。この歴史ある議場は、まさに世界の人民の議会です。

したがって、一般討論に皆様をお迎えすることは、私にとって心からの名誉であり喜びであります。今年の討論のテーマは、「気候変動への対応」です。また、この機会に皆様には、第62回総会で共に取り組む、他の優先課題にも留意していただきたいと思います。

今総会の開会に当たってより詳細に示したように、皆様との協議に基づいて、会期中に討議すべきと判断した優先課題は以下の5項目です。

  • 気候変動
  • 開発のための資金調達
  • ミレニアム開発目標(MDGs)
  • テロ対策
  • 安全保障理事会の改革を含む、国連組織の運営、有効性、首尾一貫性の刷新

これら5つの優先項目は、全ての加盟国が共有し、共に前進を図ることができる均衡の保たれた利益を示すものであると私は思います。

気候変動とその劇的な影響は、ますます目に見える形で現れ、激しくなりつつあります。皮肉なことに、気候変動に対する責任が少ない国ほど、それに悩 まされることになります。昨日、皆様方の多くがこのことを改めて確認し、行動をとるべき時が来たという強い政治的メッセージを発しました。

だからこそ私は、国連システムと加盟国が今後進むべき道を示す、包括的ロードマップ(行程表)の作成を提案したのです。まず、気候変動に取り組むた めに現在我々が持っている手段と、必要な仕組みの概要をまとめ、吟味しなければなりません。次に、今後の方向性についての明確なビジョン、そして最後に、 我々が協力してそこへ到達するための戦略が必要です。

国連の運営を近代化し、システム全体にわたる一貫性を強化することにより、国連は私が提案した優先課題のすべてにおいて、より良い結果を出せるようになるでしょう。

そして速やかな前進を図るため、本日、皆様に国連の行動計画を進め、それをより効果的なものにするための事務総長の取り組みを改めて支持するよう要請します。

合わせて、実質的な内容に組織的に取り組むことにより、国連総会はこれらの重要課題についてその世界的な指導力を発揮することができます。この「組織」を活性化するということは、加盟国間相互の信頼と、国連が大切にしてきた価値観を再確認することでもあります。

諸閣下、

世界における基本的価値観、規範、国際関係の原則は、大きく変化しつつあります。その特徴は、機会が増える一方で課題も増えていることにあります。

個人や地域社会の生活パターンが、グローバルな経済原理によって形成される傾向はますます強まっています。

全体としてみると、我々の富は増加しています。より多くの人々が、法の支配と人権に基づくシステムの中で、貿易、商業、新規雇用の拡大の恩恵を受け始めています。

しかし、開発の恩恵を持続させるためには、それをすべての人々が分かち合う必要があります。

著しい社会的区分や不平等は、依然として根強く残っています。世界の人々のおよそ半分は、いまだに1日2ドル未満で生活しています。

我々は繁栄のイメージを目の当たりにする世界に生きており、よりよい将来を期待することから生ずる重荷は日に日に大きくなりつつあります。

エンパワーメントの鍵を握る教育を受けやすくなった人もいますが、その一方で教育を受けていない幼い子どもの数は1日1億人に上ります。

人々が真の帰属感を持ち、機会と責任を分かち合える世界にするための努力を惜しんではなりません。

MDGsの達成は、我々が約束したことを実行できるかを示す試金石であるばかりでなく、我々の道徳上の信念を試すものでもあります。だからこそ私 は、事務総長と協議しながら皆様と緊密に協力して、今総会の会期中に国連本部において「MDGsリーダーズ・ミィーティング」を開催しようとしているので す。

<ここから仏語での発言>
諸閣下、皆様、

このグローバル化の時代に、我々に新たな挑戦が突き付けられています。資本の流れがますます複雑で、変わりやすく、不透明になっている時代です。

我々は、突き付けられた脅威に対し、ますます無防備になってきています。テロ、武器の密輸、大量破壊兵器の問題、そして伝染病の流行や、気候変動がもたらす影響の問題などは、そのわずかな例に過ぎません。

だからこそ私は、この会期を通して、我々に与えられた機会を余すところなく利用し、特に中東、イラク、アフガニスタン、そしてダルフールにおける長期的な平和構築に向かって、少しでも前進できるよう呼びかけています。

我々は、これらの挑戦に応えられるようにならなくてはなりません。世界が急速に進展しているにもかかわらず、政治的な決定プロセスが非常に遅く、あまりにも鈍く感じられることが多いのです。

前回の総会の際に、アル・ハリーファ総会議長が指摘したように、我々が実際に取るべき行動と、そのために我々に与えられている多国間の手段がますますかけ離れてきています。この問題が、我々の前に立ちはだかっています。
<仏語での発言ここまで>

諸閣下、

現代の課題に正面から取り組み、
新たな協力方法を生み出すことにより、
我々は国際関係の新たな文化を構築し、
我々自身を乗り越える勇気を示し、
共通の目標を達成することができます。

我々は目的意識と決意とビジョンを持って、行動しなければなりません。つまり、改革に向けて協力するためには、我々すべてが共通だが差異ある責任を受け入れなければなりません。

「2005年世界サミット」などの首脳会合やその他の会議での約束が完全に実施されれば、平和と安全の原則、国際開発、人権、法の支配に基づく持続的な繁栄と安定のための条件を整えることができます。

諸閣下、

それを行動で示すために、今会期中にさらなる成果を挙げましょう。そして、将来の国連総会は、以下のことに留意しなければなりません。

  - 一方的に話すのではなく対話する
  - より深く関与し洞察力を持つ
  - 結果をより重視する
  - 協力と相互尊重の精神の実践に継続的に努力する

「常に平静な心を持ちなさい。心が平静ならば、世界中が平静になります」と昔から言われています。

今総会にとどまらず、将来にわたって、我々がこの精神にそって協力し合うことを望みます。そうするためには、世の中の差異はすべて、人々の心の中の差別的な見方から生まれることを認識しなければなりません。

ご静聴ありがとうございました。