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事務総長、国連要員および人道援助者の安全に関する懸念を表明

プレスリリース 13-077-J 2013年10月30日

*以下は、事務総長の報告書発表に関するプレスリリースの日本語訳です

「国連要員の置かれている状況はますます危険性を増しており、国連史上かつてないほど多くの脅威にさらされている」。潘基文(パン・ギムン)国連事務総は2013年10月24日、国連総会への報告書の中でこう述べています。

国連要員の安全を最優先に掲げる事務総長は、国連要員および人道援助者の活動環境の改善に向けてあらゆる安全・保安策を支持するよう、国連加盟国および要員の受け入れ国側政府に対して呼びかけています。

「国連要員に対する様々な安全保障上の脅威は、今も差し迫った状況にある」と事務総長は指摘しています。

報告書『Safety and security of humanitarian personnel and protection of United Nations personnel(人道援助者の安全と保安および国連要員の保護に関する報告書)』は、2012年に発生した国連要員の安全に関わる重大な事例を分析しています。また、2013年上半期に起きた事例に関するデータや所見も含まれています。

国連要員の安全に関わる重大事件の件数は、2011年の1,759件から2012年には1,793件に増加しています。2012年に発生した死亡・傷害の主な原因は暴力行為であり、35件の死亡件数のうち20件が暴力行為に起因するものであり、残り15件は安全関連の事故によるものでした。なお2011年には、同年の死亡件数の50%、傷害件数の60%が、8月26日にナイジェリアのアブジャで起きた国連施設に対して1台の車両を使って行われた爆弾攻撃によって生じています。

事務総長はまた、誘拐事件の戸惑うほどの増加にも懸念を示し、こうした事件は国連要員の置かれている職務環境の危険性を反映していると述べています。2012年には31人の国連要員が誘拐されていますが、2011年は21人、2010年は12人、2009年は22人でした。最近のデータは誘拐件数の増加傾向を示しています。2013年の上半期だけで15人の国連要員が誘拐され、そのうち12人はシリアで発生しました。

世界の紛争の非対称化の傾向や即席爆発装置(IED)の頻繁な使用、自爆テロによって国連要員の職務環境はますます悪化しており、主にそれによって安全面の脅威が高まっています。

「この10年の間に、国連要員を直接狙った事件が発生するようになったのは極めて遺憾なことであり、こうした攻撃はますます過激化、高度化している」と事務総長は述べています。

事務総長は、2013年6月にソマリアのモガディシュで発生した国連施設への過激派による攻撃によって、国連開発計画(UNDP)のスタッフを含む8人が死亡したケースや、アフガニスタンの国際移住機関(IOM)に対する攻撃にも言及しています。IOMは国連の安全管理システムに属しています。

「国連要員および人道援助者の安全確保の第一の責任は、要員を受け入れる側の政府にある」と事務総長は指摘し、国連の全加盟国に対し、その領土内で活動している国連要員および人道援助者の安全・保安を確保する取り組みを強化するよう求めています。

さらに事務総長は、国連要員および人道援助者に対して犯罪、暴力行為を犯した者に裁きを受けさせるための支援を、受け入れ国側政府と加盟国に求めています。

「国連要員に暴力行為を働く者を、決して不処罰にしてはならない」と事務総長は断じています。

この報告書では報告期間中に生じた安全面の問題の分析に加え、国連要員の保護に向けてリスクを緩和し、安全強化を図るための継続的努力の一環として、国連安全保安局や国連安全管理システムによって実施されている手段、イニシアティブの最新情報が記載されています。

国連安全管理システムによる改革や改善に基づき、国連は「高度な安全保障リスク管理体制」を導入し、国連のセキュリティー担当者やスタッフの研修を強化しています。国連はリスク管理技術を駆使して「Stay and Deliver」のモデルを採用、それによって現場での活動を行うことにより、ハイリスク地域においても不可欠な任務を遂行し続けているのです。

さらに安全保安局は、人質事件への管理体制も強化し、こうした事件の管理に関する方針を発表するとともに、特殊訓練を受けたスタッフを直ちに配備できるネットワークを確立しています。

事務総長が特に懸念を示しているのが、現地採用スタッフの安全です。こうしたスタッフは「現場で作業している国連要員の大半を占めており、安全保障上の問題や暴力行為の被害を最も受けている」と事務総長は指摘しています。国連総会が現地スタッフの安全の改善を支持していることは認めつつも、その安全を確保するためには更なる努力が必要であるとしています。

事務総長は、「国際連合要員および関連要員の安全に関する条約の選択議定書」の批准または加入をまだ行っていない加盟国に対し、改めて批准または加入を呼び掛けました。

報告書『Safety and security of humanitarian personnel and protection of United Nations personnel(人道援助者の安全と保安および国連要員の保護に関する報告書)』(document A/68/489)は、第68回総会での発表に向け、2012年12月に国連総会が要請したものです。

-報告書は以下をご覧ください。

http://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/68/489

さらに詳しくは下記にお問い合わせください。

— Suchada Kulawat

Policy Officer

Department of Safety and Security

Tel: +1 917 601 4822

E-mail: kulawat@un.org

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