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第13回国連犯罪防止刑事司法会議:新たに出現した犯罪の形態:世界にとって手強い脅威

2015年03月10日

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資料(公的文書ではありません)

新たに出現した犯罪の形態:世界にとって手強い脅威

科学技術の進歩の速度、グローバル化の拡大、世界市場の急激な成長によって、しばしば、発覚する可能性が低く、匿名性という新たな形態を利用した犯罪活動のチャンスが生まれています。このような新たに出現した犯罪を防止し、闘うことは難しい課題です。

犯罪は常に進化し、状況に適応します。組織犯罪、麻薬の不正取引、テロ行為は過去20年間、大きな懸案事項でしたが、サイバー犯罪、子どもの性的搾取、環境犯罪、文化財の不正取引などが台頭し、同時に海賊行為のような古い形態の犯罪も再び出現しています。

これらの犯罪は必ずしもすべての国々に同じ割合で、あるいは同じ深刻さをもって影響を及ぼしているとは限りません。ただし、共通しているのは、国境を越える脅威であることが認識される頃には、すでに対応ができないほどに広範囲に広がっている場合があることです。

これらの犯罪が出現する要因には、グローバル化、貧困、紛争、法の支配の弱体化と高価値市場との近さ、そして、新たな形態の科学技術とグローバルな繋がりが急速に進んだことが挙げられます。

今日、地域的な問題は容易に世界的な問題になり得ます。人、物、金は、国家が移動を追跡、規制できるより早く、世界中を自由に移動します。犯罪者は断片化した規制制度と貿易障壁の縮小を悪用します。一部の地域では、基本的な医薬品を求める高い需要が、困窮するする医療体制と国内の制御機構と結びついて、不正な医薬品の市場の拡大に貢献しています。

高価値航路とガバナンスが弱体化した紛争地域の近さが、「アフリカの角」の昨今の海賊行為の背景にある大きな要因となっています。巨大で違法な資金の流れは、国内の武装紛争に従事するグループの資金として流用され、その他の種類の組織犯罪を助長し、不安定化の要因になります。この地域での海賊行為のビジネスモデルを阻止する取り組みは成功していますが、最近は西アフリカ沖合のギニア湾での海賊の襲撃が増加しています。

現代 対 伝統

インターネットの利用者は約10億人。広い地理的領域で個々人がつながることができることで、多数の社会経済的メリットがあります。しかし、世界中に手が届くことが犯罪活動にも効果的に利用されています。

新たな犯罪の傾向が生まれ、他の方法では不可能な犯罪がサイバースペースで行われています。インターネットの匿名性と複数のアイデンティティを装えるという性質が、犯罪行動の誘因となり得ます。

犯罪者はバンキング、ショッピング、ソーシャルネットワーキングなどのオンラインサービスを通じて、多数のターゲットにアクセスできるようになりました。グローバルな繋がりの容易さは、犯罪者同士が会ったことがなくてもお互いから学べることも意味します。オンライン犯罪者の「ソーシャルネットワーキング」が、犯罪者同士の「アウトリーチ」(助け合い)と犯罪者グループ間の結びつきを可能にしています。オンラインコミュニティによって、子どもの性的搾取などの犯罪行為が社会的に受け入れられているという誤った印象を与える可能性もあります。

情報と通信技術は、様々な意味で、新たに出現した犯罪の動因になっています。消費者に対する金融詐欺は、今や当たり前となったオンライン決済の利用によって国境を越えています。ソーシャルメディアを媒介して世界各地の人々を暴力とテロ行為に勧誘することで、これまで局所的だった過激派やテロリスト集団の影響の範囲が拡大しています。違法な麻薬などをオンラインで購入し、匿名の仮想通貨で支払うこともできます。

犯罪者グループは持ち前の知識や技術では対応できない作業を専門家に依頼するなど、新たな方法で活動しています。このように流動的で組織力の低い犯罪こそが、今後の重大犯罪のあり方を示しているのかもしれません。

犯罪活動における現代科学技術の使用は間違いなく増加していますが、特に国境を越える不正取引や移動に関しては、昔ながらの贈収賄や腐敗という確立された方法も、新型犯罪の実行にとって引き続き重要です。

形勢の逆転:警察当局による科学技術の使用

科学技術の進歩は、捜査当局にも味方します。例えば、捜査活動中に押収したスマートホンなどの電子機器に保存されたデータだけでなく、ソーシャルネットワーキングサイトやチャットフォーラムから公的に入手できる情報が大量にあります。この情報が犯罪捜査にとって、極めて重要な出発点になることもよくあります。

 防止

被害に遭いやすい人々の意識を高めることが、新たに出現する犯罪の防止に必要不可欠です。例えば、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連世界観光機関(UNWTO)、国連教育科学文化機関(UNESCO)は、海外旅行者に人、野生生物、文化財、違法な薬物、偽造品などの不正取引の可能性について認識するよう警告し、消費者として責任ある選択をするように促しています。

同様に重要なのが、新たな形態の犯罪に巻き込まれる危険性のある人々の脆弱性に対応する必要性です。例えば、ソマリアでは、維持可能な別の生き方を提供する取り組みと並行して、地域のリーダー、政治家、宗教指導者の支援を求め、海賊行為に参加しないよう、若者に働きかけて説得する予防戦略が取られています。

 新たに出現した次世代の犯罪

新たに出現した犯罪の巧妙さは、資源の限られた開発途上国だけでなく、知識を十分に身につけた国家にとっても課題です。世界的に法律を調和させることは、新たに出現する犯罪との闘いと防止に役立ちます。捜査のためにグローバルな電子的接続を高める革新的な方法を編み出す必要があるかもしれません。

グローバル化と新たな技術開発は、犯罪者のさらなる技術革新を促します。この課題に対処するには、腐敗の防止と削減、維持可能な生計手段の提供、貧困と不平等への対応のための一貫した取り組みが必要です。

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