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犯罪です! 野生生物犯罪(第13回国連犯罪防止刑事司法会議)

2015年03月10日

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第13回国連犯罪防止刑事司法会議  2015年4月12日~19日 ドーハ(カタール)

Wildlife Crime Photo

「密猟と野生生物の不法取引は、地域社会、環境、治安に壊滅的な影響を及ぼします。密猟者などの犯罪者は、世界中でゾウ、サイ、トラなど多数の種を絶滅寸前に追いやっています。犯罪者は地域の暮らしを破壊し、脆弱な生態系を乱し、社会的、経済的開発を妨げます。暴力と腐敗を助長し、法の支配を弱体化させます」 – ユーリ・フェドートフ国連薬物犯罪事務所(UNODC)事務局長

野生生物と森林に関する犯罪は、産業として急速に成長しており、薬物、武器、人身の取引と並んで、犯罪者ネットワークに莫大な利益をもたらしています。手っ取り早く利益が得られますが、将来の野生生物の壊滅的な損失につながり、私たち全員に影響が及ぶ犯罪です。動物は体の一部を利用するために殺されたり、エグゾチックなペットとして取引されています。家具や木製品を製造するために、木は切られ、森林は破壊されています。この犯罪の影響は全世界に及んでいますが、違法取引の中心はアフリカとアジアとその二地域間となっています。

野生生物と森林に関する犯罪に含まれるのは、国内法や国際法に違反して、動植物(動物、鳥、魚、植物、木)を採取、取引、輸出入、処理、所持、取得、消費することです。

東アジアと太平洋地域を中心として行われている木質系製品の不法取引の総額は、170億米ドルと推定されています。東南アジアは、世界の原生林の7パーセントと多数の珍しい樹木に恵まれていますが、この地域は急速な森林破壊に苦しんでおり、多くは違法なものです。違法な野生生物の取引も、東アジアと太平洋地域だけでさらに25億米ドルの利益を生み出しています。この犯罪の破壊的な影響は、壊滅に追い込まれる動物の数に示されています。

この国際犯罪では、違法な商品が数千キロ運ばれ、多数の国境を越えて移動するため、効果的に取り組むには世界的な対応が不可欠です。生活に困窮した人々が生きるために違法な行為に及ぶため、貧困が犯罪を深刻化させます。しかし、この犯罪が最終的に社会的、経済的開発を促進することはなく、多くの国は貪欲、搾取、経済的絶望という果てしない悪循環に追い込まれていきます。各国が連携して、需要を減少させる手段を導入し、現行法の問題に対処し、警察制度と司法制度を強化し、捜査と訴追の成功事例を共有し、データを収集する必要があります。

時間は私たちに味方してはくれません。野生生物と森林に関連する犯罪は規模も範囲も拡大しつつあり、一部の動物種は絶滅に追いやられ、環境は破壊されています。3月3日の野生生物の日に向けたメッセージの中で、ユーリ・フェドートフUNODC事務局長は、国連国際組織犯罪防止条約(UNTOC)の下で、野生生物犯罪を深刻な犯罪として認識すべきであると訴えました。「また、野生生物犯罪は世代を超えた犯罪であり、現在の違反行為はこの美しい惑星の遺産が次世代に受け継がれることを拒否する行為であると認識するよう、私は国際社会に強く求めます。これはすべての人々を貧困化する行為です。この犯罪に立ち向かうため、私たちは同じ信念の下で団結してグローバルパートナーシップに参加する必要があります。今こそ野生生物犯罪について真剣に考えるべき時です」

野生生物犯罪は、開発にどう影響しますか

野生生物と森林に関連する犯罪は、野生生物と森林に破壊的な影響を及ぼすだけではなく、人と人の暮らしにも影響を及ぼします。農村共同体や先住民族が持続可能な方法で天然資源を管理する取り組みを弱体化させます。脆弱な地域社会は犯罪者に搾取され、経済的困窮が原因で巻き込まれる可能性があります。

壊れやすい生態系は破壊され、生息環境は悪化し、旅行者からの収益の喪失につながる可能性があります。生物多様性は脅かされ、絶滅の危機にある動植物の絶滅につながりかねません。

野生生物犯罪は国や地域の安全を脅かし、法の支配を弱体化し、役人を腐敗させます。犯罪による収益は、合法的なビジネスを衰えさせ、税収の喪失につながり、法規制の欠如を利用するために刑事司法制度を弱体化させます。

資金不足に苦しむ政府は天然資源の搾取を規制する力が欠如していることが多いため、野生生物と森林に関連する犯罪が特に深刻なのは開発途上国です。

国連は、野生生物と森林に関連する犯罪とどのように闘っていますか

野生生物の不法取引は、規模も性質も増大しており、この問題への対処には国際的な注目が以前より集まっています。野生動植物の違法な取引は国境を越え、消費される場所が原産国から数千キロも離れて数カ国を経由することがあるため、世界的な対応が必要です。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)のGlobal Programme for Combating Wildlife and Forest Crime(野生生物・森林犯罪と闘うためのグローバル・プログラム(GP))は、既存の地域的な取り組みとグローバルなシステムを結びつけようとするものです。このプログラムは、野生生物犯罪、違法伐採、それに関連する犯罪を、深刻な国際組織犯罪として扱うよう、野生生物に関わる法執行機関と連携しています。

UNODCは、地域的、全国的、局所的に犯罪を予防し、犯罪と闘う能力を強化するための技術支援を行っています。

また、幅広い専門知識を集結した野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム(ICCWC)の一環として、他の国際組織や機関と連携しています。ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES))事務局、インターポール(INTERPOL)、国連薬物犯罪事務所、世界銀行、世界税関機構も、ICCWCのパートナーです。

ICCWCは検挙と処罰のリスクを高めることで、野生生物犯罪の犯人に対して手強く協調的な態勢を取ることを目指しています。野生生物に関わる法執行機関と連携して、野生生物犯罪への関与者を裁きの場に引き出すことを手伝っています。

ICCWC Wildlife and Forest Crime Analytic Toolkit(UNODCが開発したICCWC野生生物および森林犯罪の分析ツールキット)は、野生生物および森林犯罪への行政的、予防的、刑事司法的対応を分析するための包括的なガイダンスを提供します。英語・フランス語・スペイン語のツールキットはこちらから入手できます。

知っていますか

  • わずか100年余りで、トラの97パーセントが失われ、現在、野生のトラは3,200頭しかいないと考えられています。
  • 2010年に、主に中央アフリカで、推定で7,500頭のゾウが殺されました。平均して、毎月92本、1日あたり約3本の象牙が押収されています。
  • 2014年に南アフリカでは推定で1,215頭のサイが密猟されています。世界の野生のサイは、現在わずか25,000頭。過去10年で、1,000人のレンジャーが野生生物保護のための闘いで銃弾に倒れました。
  • 2010年の東南アジアからEUやアジア向けの違法な木材の取引は、推定で35億米ドル。世界の木材取引のうち3分の1近くが違法と推定されています。

野生生物および森林犯罪と闘うために何ができますか

違法な野生生物と森林に関する犯罪の削減に当たって、市民が重要な役割を果たします。知識のある消費者として、保護されている種を認識し、その種を直接損なうような製品の購入を拒絶することで需要を減らす手助けができます。

「Let’s get serious about wildlife crime(野生生物犯罪について真剣に考えよう)」などのキャンペーンに参加することは、このような犯罪への認識を高めるのに役立ちます。知識と意識を高めることは軽率な消費の削減に役立ちます。私たちはこのような卑劣な犯罪に対して断固とした態度をとり、情報の普及に努める必要があります。注目度を上げることは大きな一歩であり、影響力のある人々の声を借りることで、誤った思い込みを一掃し、密猟の残酷さを暴き、特定の製品の出所が違法であることを明らかにして、変化に向けて勢いをつけることができます。

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