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第11回国連犯罪防止会議、バンコク宣言で
組織犯罪・テロ対策を呼びかけ閉幕
-人身売買、マネロン、腐敗、サイバークライム、修復的司法も検討-

プレスリリース 05/041-J 2005年05月10日

バンコク(タイ)、2005年4月18-25日

越境組織犯罪やテロ、それらの結び付きの拡大と諸相、さらには、組織犯罪集団による活動の巧妙化と多様化に大きな懸念を表明しつつ、第11回国連犯罪防止・刑事司法会議は2005年4月25日、全会一致で「バンコク宣言」を採択しました。宣言はこれらの問題とともに、人身売買、マネー・ローンダリング、腐敗、「サイバークライム」、修復的司法、犯罪の根本的原因にも取り組んでいます(文書A/CONF.203/L.5)。

「相乗効果と対応:犯罪防止と刑事司法における戦略的アライアンス(Synergies and Responses: Strategic Alliances in Crime Prevention and Criminal Justice)」と題するこの宣言で、加盟国は犯罪者引渡しや司法共助を含めた分野に関し、多国間、地域、二国間レベルで犯罪・テロ対策に関する国際協力の改善を図る意思を再確認しました。また、特に越境組織犯罪やテロの防止、捜査、訴追、裁判、そして両者の間に存在する結び付きの発見にあたり、国際協力に加わるための各国の能力整備も図るとしています。

会議はまた、国連越境組織犯罪防止条約とその3議定書、および、国連腐敗防止条約の批准と実施を行っていないすべての国々に対し、これを行うよう呼びかけました。さらに、援助国と金融機関に対しては、開発途上国と経済体制移行国が犯罪の防止や対策に取り組み、犯罪防止と刑事司法に関する国連の規準と規範を採用し、上記の条約と国際薬物統制条約を実施できるようにするため、技術援助提供への十分な自主的貢献を継続するよう呼びかけました。

包括的で有効な犯罪防止戦略により、犯罪や犠牲者を大きく減らすことができるとの認識に立ち、バンコク宣言はこのような戦略で、犯罪と犠牲者が生じる根本的な原因とリスク要因に取り組むよう求めています。国連加盟国は、成長と持続可能な開発の促進、貧困と失業の根絶を含め、犯罪対策の効果を上げるための環境を整備するため、国際協力を強化することを約束しました。

紛争から立ち直りつつある国々では特に、組織犯罪や腐敗が発生しやすいことに留意しつつ、会議はバンコク宣言の中で、加盟国、地域機関、さらには国連薬物犯罪オフィスなどの国際機関が法の支配の回復、維持、強化と司法の確保を図るため、国連平和維持活動局と連携し、これら問題への対策の効果をさらに高めるべきだとの勧告を行いました。

バンコク宣言は、普遍的なテロ対策法文書の締約国となっておらず、これを実施していない国々に対し、これを行うよう呼びかけました。また、各国がこれら法文書の締約国となってこれを実施し、安全保障理事会のテロ防止関連決議を遵守できるようにするため、国連薬物犯罪オフィスが安全保障理事会のテロ対策委員会との連携で行っている取り組みへの支持も表明しました。宣言はさらに、国際テロに関する包括条約案の交渉が可及的速やかに妥結するだろうとの期待を表明しつつ、テロの定義について合意に達することが、残された重大課題のひとつであることを認識しています。

腐敗に関し、会議はバンコク宣言の中で、国連腐敗防止条約を批准していない国々に対し、これを行うよう呼びかけました。また、腐敗を減らすためには、官民双方における健全性とアカウンタビリティの文化が必要であるとの認識を示しました。宣言はさらに、腐敗防止条約の原則に沿い、資産回収を容易にするための措置を採用する必要性も強調しています。

会議は、刑務所の管理や受刑者に関する基準と規範の充実性を審査することを検討するよう犯罪防止刑事司法委員会に勧告。被害者の利益と犯罪者の更生を図るため、訴追に代わる策を含めた修復的司法政策をさらに開発することが重要だとの認識を示しました。会議に参加した加盟国の中には、少年司法に特に関心を払い、犯罪の犠牲となった子どもや触法少年に対するサービスの提供を確保する方法を検討する決意を示す向きも多くありました。

バンコク宣言はさらに、文化遺産の盗難や密売、保護対象の野生動植物の不正取引などの問題にも取り組んでいます。宣言はその上で、犯罪組織やテロ活動の資金確保を目的とした拉致や人身売買が増えていることにも懸念を表明。これら犯罪への対策とは別に、被害者とその家族に十分な援助と保護を提供する措置も必要だとしました。また、臓器の不正な摘出と密売に対する懸念が広がっていることにも留意しています。

宣言では、現行の法文書を実施するとともに、サイバークライム、マネー・ローンダリング、文化遺産の密売、犯罪者引渡し、司法共助、犯罪収益の没収、回収、返還など、刑事問題に関する国内措置と国際協力をさらに発展させることが根本的に重要だとの考えを再確認しています。

コンピュータ関連犯罪に関し、会議はこの分野での援助拡充の可能性を検討するよう犯罪防止刑事司法委員会に要請。また、組織犯罪とテロを抑止するため、文書・身分証偽造対策のための国際協力の改善も図りました。

犯罪やテロの証人と犠牲者を保護することが重要だとの認識に立ち、加盟国はバンコク宣言で、このような犠牲者を支援するための法的、財政的枠組みを強化することを公約しました。

会議は、NGOなど公共セクター以外の個人や団体が、犯罪やテロの防止と対策に貢献する役割を強化するための措置を勧奨しました。

会議は、国連とその犯罪防止刑事司法プログラム、特に犯罪防止刑事司法委員会と国連薬物犯罪オフィス、国連地域間犯罪司法研究所、さらにはプログラム・ネットワークに参加する諸機関に対する支援とコミットメントの継続を再確認しました。

最後に、会議はバンコク宣言で、参加者を温かく寛大に受け入れ、第11回会議にすばらしい施設を提供したタイの国民と政府に対し、深い感謝の意を表しました。

会議のハイライト
第11回犯罪防止刑事司法会議は、4月18日から25日にかけ「相乗効果と対応:犯罪防止と刑事司法における戦略的アライアンス」というテーマで開催され、効果的な越境犯罪対策、テロおよびテロとその他犯罪行為の結び付きを断つための国際協力、腐敗、経済・金融犯罪、基準の徹底:犯罪防止と刑事司法に関する基準設定50年などの問題に取り組みました。

本会議と委員会の会合では、新たな形態の越境犯罪やテロと闘うための国際協力の必要性(ある代表によれば「一に協力、二に協力、三にも協力」)と、犯罪防止やテロに関連する現行の条約その他の国際法文書を実施する必要性(別の代表によれば「一に実施、二に実施、三にも実施」)に重点が置かれました。必要とする国々に技術援助を行い、条約実施を支援する必要性は特に強調されました。

会議には、多くの法相その他の政府高官のほか、167のNGO代表、1,135人の専門家オブザーバーを含め、2,370人が参加しました。

開会式では、タイのマハー・ワチラロンコン皇太子が令嬢のバイラキティヤバ王女とともに、お言葉を述べられました。

会議で設けられた6つのワークショップには、政府間機関やNGO、専門家が参加し、以下の問題について話し合いました。
 ・犯罪者引渡しを含む国際法執行協力の強化
 ・修復的司法を含む刑事司法改革の強化
 ・都市型犯罪や危険度の高い若者を重点とした犯罪防止の戦略と模範例
 ・テロ対策
 ・マネー・ローンダリングを含む経済犯罪対策
 ・コンピュータ関連犯罪対策

会議で開かれた条約イベントでは、16件の条約行為がなされました。ザンビアは4件の文書を提出し、国連越境組織犯罪防止条約第3議定書、すなわち「火器、その部品と構成物および弾薬の不正な製造および密売を防止する議定書(Protocol against the Illicit Manufacturing of and Trafficking in Firearms, Their Parts and Components and Ammunitions)」の40番目の締約国となりました。議定書は批准書提出日の90日後に発効することになります。

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BKK/CP/25

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