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障害者の権利に関する画期的な条約、12月13日に採択へ

プレスリリース 06/087-J 2006年12月13日

全世界の障害者およそ6億5,000万人の権利を保障する条約案は12月13日、国連総会に提出、採択される運びとなりました。

この条約の採択により、21世紀初の重要な人権条約が成立します。総会での採択後、条約は192の加盟国による批准と実施に委ねられることになります。条約は20カ国が批准した時点で発効します。

4年にわたる総会委員会での交渉の末、各国は8月25日、この画期的な条約案に合意しました。コフィー・アナン国連事務総長は「全世界で障害を抱える6億5,000万の人々にとって、歴史的な成果」だとして、条約案への合意を歓迎しました。

人権活動家は、この条約によってついに、各国が障害を持つ人々を社会の片隅に追いやることができなくなると期待しています。条約を批准する政府には、明確に定められた権利を有する法の対象として、障害を持つ人々を取り扱う法的な義務が生じます。

50カ条からなる条約案は、国際人権法の空白を埋めるものとして、障害を持つ人々の権利を詳しく規定しています。具体的には、市民的・政治的権利、アクセスの確保、参加と受け入れ、教育を受ける権利、保健の権利、労働の権利、雇用の権利、社会保障などが盛り込まれています。さらに重要な点として、条約案は、障害を持つ人々が平等な地位を手に入れるためには、社会の態度を変えることが必要だとの認識を示しています。条約の案文はhttp://www.un.org/esa/socdev/enable/でご覧になれます。

この新条約の支持者たちは、障害を持つ人々が建前としては健常者と同じ権利を与えられていながら、雇用、教育、保健医療、法律上の権利行使など、本質的に生活のあらゆる側面で差別を受けているのが実情だとしています。にもかかわらず、障害者は社会で数限りない貢献を果たしています。コミュニティに完全に溶け込めれば、さらに大きな貢献が可能となることでしょう。

条約案の作成には、全世界の障害者の権利擁護者が重要な役割を果たしました。その中には政府代表団のほか、各国の人権機関や障害者団体の代表も含まれています。

条約は各国が負担できない措置を義務づけるものではありませんが、障害を持つ人々の交通手段、教育、雇用、余暇活動へのアクセスを改善できる措置の導入に向け、段階的な取り組みを続けることは要求しています。

条約を批准する国々は、障害者の権利を改善するための法律を制定したり、その他の措置を導入したりすることだけでなく、障害を持つ人々を差別する立法措置や慣行、慣習を廃止することにも同意します。現在のところ、障害者の問題に取り組む立法措置を導入している国々は、45カ国にすぎません。条約は3月30日から署名、批准できるようになります。

総会はこの条約に加えて、通報に関する18カ条の選択議定書も採択する予定です。この議定書により、個人や団体は国内的な救済手段が尽くされた場合、障害者の権利委員会(Committee on the Rights of Persons with Disabilities)に申し立てを行えるようになります。

独立の専門家からなるこの委員会は、条約発効後に設置され、条約義務の履行に関する進捗状況の定期的な報告を締約国から受けることになります。

さらに詳しくは、国連広報局(Department of Public Information)のEdoardo Bellando(電話:(212) 963-8275、Eメール:bellando@un.org)またはDaniel Shepard(電話:(212) 963 9495、Eメール:shepard@un.org)までお問い合わせください。