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シリア危機と国連の対応 【ウィークリー・アップデート第8号 9/11付資料】

2013年09月13日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第8号/2013911

シリア危機の政治的解決の模索をさらに進めるため、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長96ラクダール・ブラヒミ共同特別代表とともに、サンクトペテルブルクのG20サミットに出席しました。事務総長は会合での演説で、国際社会に対し、交渉の再開とジュネーブⅡ会議の早期開催に向けた取り組みを強化するよう改めて呼びかけました。

事務総長は化学兵器使用の疑いに関する調査にも触れ、G20の指導者に対し、国連ミッションは分析用資料の作成に24時間体制で取り組んでいることを明らかにしました。事務総長はさらに、調査結果を迅速に安全保障理事会に伝達することを約束しました。

-G20サミットでのシリアに関する事務総長の発言は以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=1955

同じく96ブラヒミ共同特別代表はラブロフ外相との会談後、記者会見に臨み、米ロとの間でジュネーブⅡ会議に向けた準備を懸命に進めていると語りました。

-ブラヒミ共同特別代表の記者会見の詳細は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=2976

ヴァレリー・エイモス人道問題担当事務次長 緊急援助調整官96、シリア当局および人道支援パートナーとの間で支援活動の改善について話し合うことを目的とした2日間のダマスカス訪問の日程を終えました。エイモス事務次長はビデオ回線を用いて国連本部で記者会見を開き、シリアと近隣地域が史上まれに見る規模の人道危機を抱えていると指摘しました。そして、緊急支援が必要なシリア人は全体の3分の1ではあるものの、危機の影響は国民全体に及んでいると付け加えました。

-緊急援助調整官のダマスカス訪問に関する詳細は以下をご覧ください。

http://www.un.org/News/briefings/docs/2013/130906_Guest.doc.htm

潘事務総長が政治的解決を呼びかけたことを受け、ナビ・ピレイ人権高等弁務官は国際社会に対し、シリア情勢の急激な悪化を食い止めるため、本格的な共同行動を取るよう強く促しました。ピレイ高等弁務官は99の第24回人権理事会の開幕にあたり、化学兵器の使用はこれまで長い間、最も重大な犯罪の一つとみなされてきたと述べ、シリアでの化学兵器の使用が「その状況と責任の全容はまだ明らかではないものの、ほぼ疑いのない事実と見られる」と付け加えました。そして、軍事介入や武器供給の継続は、地域的な大災害へと発展し、それによってさらに多くの死者と、さらに幅広い被害が生じかねないと警告しました。

-第24回人権理事会の開幕におけるピレイ人権高等弁務官の演説は以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=13687&LangID=E

99事務総長は記者会見で、セルストレム氏の報告によって化学兵器の使用が確認されれば、「安全保障理事会(安保理)が団結した対応を取る材料となることは確か」だと述べました。そして、調査チームの報告書を提出する際、安保理に提案を行うことも検討中であることを示唆しました。事務総長はさらに具体的に、化学兵器と前駆的化学物質のストックを安全な保管と破壊が可能なシリア国内の場所に移動することをシリアに要求するよう、安保理に対して要請する可能性もあると語りました。

-事務総長の記者会見での発言は以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=1951

910シリアに関する国際独立調査委員会は、2013年5月15日から7月15日にかけて行った調査をまとめた最新の報告書を発表しました。報告書によると、政府と政府側の軍隊は民間人に対する幅広い攻撃を続け、殺人や拷問、レイプ、強制失踪など、人道に対する罪に相当する行為を働いています。また、調査では、反体制派の武装集団も殺人、適正な手続きを踏まない処刑、拷問、人質取り、保護対象の施設に対する攻撃などの戦争犯罪を犯していることが明らかになりました。これらの武装集団は、民間人居住地区を包囲し、無差別な砲撃を加えています。

-シリアに関する国際独立調査委員会の最新の報告書は以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/IICISyria/Pages/Documentation.aspx

主な国連ニュース記事

シリア危機の中、子どもの教育の復旧が急務

子どもの学習機会を増やすための資金の必要性は切実

アンマン、2013年9月6日 – 昨年度以来、シリアでは200万人近い子どもたちが学校を中退していますが、その中には小中学校登録児童のほぼ40%が含まれています。シリアでは100万人の子どもが難民となっており、その再就学に対する支援は困難を極めています。http://www.unicef.org/media/media_70322.html

UNFPAとパートナーは、性と生殖に関する保健の普及に向けた取り組みを拡充

シリア危機による被災者はほぼ680万人に上っていますが、再生産年齢(妊娠・出産できる年齢期間)の女性はその25%を占めています。国連人口基金(UNFPA)はダマスカス、ダマスカス郊外の農村地域およびアレッポで、9,000人の女性にリプロダクティブ・ヘルス・サービスを、5,600人の女性に家族計画サービスを、1,500人の女性にリプロダクティブ・ヘルス・サービス利用券をそれぞれ提供しています。http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/UNFPA%20Regional%20SitRep%2015%20August%20-%2010%20Sep%20%2311%20.pdf

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

ソーシャルメディア

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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ロシアのサンクトペテルブルグで開催されたG20サミット。主要国のリーダーとシリアに関する協議を行う潘基文(パン・ギムン)事務総長(左から2番目)とラクダール・ブラヒミ共同代表(左端)©UN Photo/Eskinder Debebe
G20サミットから戻り記者会見に臨む潘事務総長©UN Photo/Mark Garten
トルコとの国境付近にあるシリア国内避難民キャンプで©Jodi Hilton/IRIN
ドイツ政府の始めた人道支援プログラムにより、ドイツ北部のハノーバーに向かうシリア人一家©UNHCR/E.Dorfman