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開幕近づく第77回国連総会について、知っておくべき重要な5つのこと(UN News 記事・日本語訳)

2022年09月12日

© UN Photo/Manuel Elias

 

2022年8月31日-第77回国連総会の開幕が近づく中、国連の外交コミュニティーもニューヨーク市民も、年に一度世界中から集う各国首脳らの訪問に備えています。今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により2年間の中断を経ての参集となります。9月12日から27日の間で注目すべき5つのことを以下ご紹介しましょう。

 

総会の加盟国を前に演説する第77回国連総会次期議長、チャバ・コロシ氏© UN Photo/Eskinder Debebe

 

1)ハンガリー出身の議長が就任

会期が改まると新しい総会議長が誕生します。現在の国連総会議長であるモルディブのアブドッラ・シャーヒド氏は退任し、ハンガリーのチャバ・コロシ氏が今後12カ月にわたって議長職を引き継ぎます。

引き継ぎは9月12日(月)に行われ、シャーヒド氏が午前中に第76回総会を閉会し、第77回総会の最初の本会議が13日(火)午後に開会されます。

コロシ氏は、これまでハンガリー外務省で経験を重ね、直近ではハンガリー大統領府で環境の持続可能性を担うディレクターを務めていました。国連との仕事にも数年間携わっており、2011年から2012年の第67回総会で副議長を務めていることから、議長としての知識習得にあまり時間がかかることはないでしょう。

 

2)教育変革サミット

いつものように、大勢の警察官の動員や、交通渋滞に悩むニューヨーク市民からの苦情もありますが、世界の注目は、9月20日(火)から各国首脳による一般討論が行われるハイレベルウィークに集まります。

一方、その前週 【 9月16日(金)・17日(土)・19日(月)】に国連本部で開かれる「教育変革サミット(Transforming Education Summit)」は、国連が主要イベントとして告知しています。

まず、16日(金)は「動員デー(Mobilization Day)」です。この日は、若者が主導し、若者が組織して実施するもので、教育に対する若者の懸念を意思決定者や政策立案者に届け、世界中の人々、若者、教師、市民社会などの動員に焦点を当て、世界中の教育変革を支援する日です。

2日目はソリューション(解決策)に焦点を絞り、教育変革に貢献する取り組みのプラットフォームとなるよう企画されています。この日は、「包摂的で公正、安全かつ健全な学校」「生涯、仕事、持続可能な開発のための学習と技能」「教師、教えること、教職」「デジタル学習とデジタル・トランスフォーメーション」そして「教育資金の融資」という5つのテーマ(Thematic Action Tracks)にグループ分けされます。

3日目となる19日(月)は、その週に多くの各国首脳がニューヨークを訪れる機会を活用した「リーダーズ・デー」です。リーダーたちから国として関与を約束する声明が数多く発表されることが期待されています。

最終日にあたるこの日は、サミット・ユース宣言と、教育変革に対する事務総長のビジョンを示す声明も発表されます。

 

ニューヨークの国連本部に掲示されたSDGsの垂れ幕© UN News/Abdelmonem Makki

 

3)SDGモーメント

今年のSDGモーメント(SDG Moment)は9月19日(月)の現地時間8時30分から10時00分、教育変革サミットのリーダーズ・デーの直前に開催される予定です。人々と地球のより公平な未来のための青写真である国連の2030アジェンダが掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」に再び焦点を当てるための機会です。

アミーナ・J・モハメッド副事務総長は、7月に行われた重要な年次の開発フォーラムであるハイレベル政治フォーラムで演説し、多くの危機を機会に変えるためには「人的資本への投資、機会への融資」と併せ、再生可能エネルギー、食料システム、そしてデジタル接続の分野において移行が必要であると述べました。

副事務総長はまた、今年のSDGモーメントが「これらの大幅な移行と、私たちが軌道に戻る上で必要な作業に焦点を当てる機会」であり、2023年に予定されるSDGサミットに向けた重要な節目でもある、と述べました。

昨年のSDGモーメントでは、韓国の世界的な人気グループBTSが参加し、COVID-19のパンデミックによって引き起こされた大きな混乱を回顧し、自分たち若者が「COVID-19によるロスト・ジェネレーション(失われた世代)」に属しているという考え方に異議を唱え、注目を集めました

 

伝統的な衣装を身に着けた中国・雲南省の少数民族リス族の女性たち© UNDP China

 

4)少数者の権利

国連加盟国は1992年12月18日、民族的または種族的、宗教的および言語的少数者に属する者の権利に関する宣言(略称:国連少数者の権利宣言)を採択しました。これは、少数者に属する人々の政治的および公民権的、経済的、社会的、ならびに文化的権利に取り組むための重要な文書として国連が位置づけているものです。

一年にわたり実施されている同宣言の採択30周年記念行事の一環として9月21日(水)に国連信託統治理事会会議場でハイレベル会合が開催されます。

国連人権先住民族および少数民族部門長であるパオロ・デビッド氏は6月に行った演説で、「宣言が採択された30年前には希望がもたらされたが、旧ユーゴスラビアでの武力紛争によってこの希望は急速に失われた」と述べました。同氏はまた、ウクライナ、エチオピア、ミャンマー、南スーダン、シリア、イエメンを含む多くの紛争で、少数民族が手段として利用され続けていることも指摘しました。

国連によると、少数者は今日、これまでにない障壁と課題に直面しています。多くの国でインターネット上のヘイトスピーチといった現代の脅威と対峙する一方、市民権を剥奪されています。

ハイレベル会合は、制約や成果を把握し、優良事例を共有し、未来のために優先事項に合意する機会として開催されます。

 

持続可能な開発目標(SDGs)は、すべての人々にとって、より良いより持続可能な未来を実現するための青写真です© UNDP

 

5)グローバル・ゴールズ・ウィーク

一般討論と同時期に開催されるのが、グローバル・ゴールズ・ウィーク(Global Goals Week)です。同ウィークは、実際には9月16日(金)から25日(日)まで1週間以上にわたってオンラインと対面の両形式で開催されるプログラムで、SDGsに関する行動を加速させるために、市民社会、ビジネス界、学界、国連システムから170を超えるパートナーたちが参加して開催されます。

このほか、気候関連の広範な課題を取り上げる「Climate Week NYC(ニューヨーク市気候ウィーク)」、ビジネス界、国連、そして市民社会が集いグローバル危機に取り組む、国連グローバル・コンパクト主催の「国連民間セクター・フォーラム」、さらに140を超える国々からの参加者の教室をつなぎ、ライブ・インタビューに始まり学校訪問、ソーシャルメディアのテイクオーバー(アカウントの借用)を行う「Take Action Global(世界中で行動しよう)」から2002気候アクション・プロジェクトの立上げなど、すべてを紹介しきれないほど数多くのイベントが開催されます。

この期間中は、SDGメディア・ゾーンから多くの動画が配信され、コンテンツ・クリエーター、インフルエンサー、活動家、メディア・パートナーなど多数の注目すべきスピーカーが登場し、SDGsを支援する行動とソリューション(解決策)に焦点を当てたパネル・ディスカッションに参加します。スピーカーに関する情報は、配信時期が近づくと、こちらで発表されます。

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原文(English)はこちらをご覧ください。