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スマートフォンアプリでコロナ禍のパレスチナ難民へ医療支援(COVID-19関連記事・日本語訳)

2021年05月11日

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が開発したモバイル用のヘルスケア・アプリUnited Nations photo: Mohamed Hinnawi/UNRWA

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)においては、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)の確保が感染抑制の鍵となります。コロナ禍の中、パレスチナ難民の人々は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の支援を通じてスマートフォンアプリを利用したオンラインの医療ネットワークにアクセスすることができます。人々は薬の服用や血圧測定、運動を行うよう知らせる通知を受信したり、検査結果の確認や医療機関へメッセージを送信したりすることもできます。

UNRWAサフタウィ保健センターで上級看護師として働くハナー・ルバドさんは、次のように話しています。「私たちの保健センターでは、電子母子手帳(Electronic Mother and Child Health Handbook = e-MCH)と電子非感染性疾患手帳(Electronic Non-Communicable Disease Handbook = e-NCD)という2つのアプリを利用しています。、UNRWAの保健センターに登録している受益者は、これらのアプリを通じて、UNRWAのe-Health(電子保健)システムに記録されている自身の医療データにアクセスすることができます。アプリには健康啓発に関する情報も備えられており、UNRWAが活動するヨルダン、レバノン、シリア、ガザ、ヨルダン川西岸の5つのエリアのパレスチナ難民の人々に使用されています」

「アプリのおかげで、健康リスク管理自身の健康に対する行動や行動を阻害する既存の障壁、具体的なニーズ、知識のギャップについて受益者に説明したり、特定の受益者に対しては、彼らの事情に応じて適切な情報を提供したりすることができます」とハナーさんは述べています。

モバイル用のヘルスケア・アプリの利用者であるアスマー・アブー・サアダさん
United Nations photo: Mohamed Hinnawi/UNRWA

「(e-MCH)アプリのおかげで、妊娠中に必要とされる栄養素や運動について貴重な情報を入手できました。また、私の医療情報が電子記録として私のアプリに記載されているので、、以前の検査結果のハードコピーを持ち込んだり、新たに検査を受けたりする必要がなく、とても便利です。出産後は、アプリを使って娘の予防接種の予約状況を確認したり、アプリ内の表に照らして娘の成長を観察したりしています」とアスマー・アブー・サアダさんは説明しています。

「現在のCOVID-19危機のさなかでは、常に守るべき予防措置に加え、意識を高めたり、家族や私自身に症状が出た際に正しい行動を取るための指導を受けたりしています。またこのアプリは、保健センターへの連絡や、センターに行かずに医療上の助言を求める上でも役立っています」とアスマーさんは話してくれました。

アプリ上の健康啓発に関する資料は、アラビア語で公開されています。UNRWAのe-Healthシステムおよびアプリは、日本政府の資金援助および日本の国際協力機構(JICA)の支援によって導入されたものです。

アミーナ・J・モハメッド国連副事務総長は4月13日に開催された持続可能な開発目標(SDGs)と国連の役割の観点からみたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の意義に関するオンラインイベントにビデオ・メッセージを寄せ、次のように述べました。「COVID-19の世界的なパンデミックは、これ以上ないほど悲劇的な形で、UHCの極めて重要な役割を浮き彫りにしました」同イベントは、今年、日本の国民皆保険制度が60周年を迎えるにあたり、日本国際問題研究所(JIIA)、外務省、東京の国連広報センターの共催で開催されました。

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執筆者について

国連広報センター(東京)
国連グローバル・コミュニケーション局(DGC)は、世界各地にある国連広報センター(UNIC)のネットワークを通じて、国連の活動に対するグローバルな関心と理解を深める役割を担っています。東京の国連広報センターは、日本の人々との対話を促進しています。

原文(English)はこちらからご覧ください。