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東日本大震災から10年:防災対策が鍵、と国連(UN News 記事・日本語訳)

2021年03月19日

東京電力福島第一原子力発電所の視察中、3号機を調査する国際原子力機関(IAEA)の国際復旧専門家調査団
Photo: IAEA/Giovanni Verlini

2021年3月11日-国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ちょうど10年前に日本を襲った地震と津波による死者、行方不明者あわせて1万8,400人の方々を追悼する厳粛なメッセージにおいて、各国に対し、災害を防ぎ、管理するために必要な資金を確実に投じるよう要請しました。

 

公式には東日本大震災として知られる災害に寄せて、グテーレス事務総長は「最愛の方を失い、今も深い悲しみの中にある方々に」、心からの哀悼の意を表しました。

「私はまた、破壊された福島第一原子力発電所をめぐる安全上の懸念により、今も避難を余儀なくされ、故郷に戻ることが叶わない方々に思いを寄せています」事務総長はこのように続けています。

事務総長は3月9日に公表された原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)による報告書の調査結果を歓迎しました。同報告書では、福島県の住民の中で、放射線被ばくに直接起因すると考え得る健康への悪影響は認められないと結論づけています。

グテーレス事務総長は、日本は「防災分野で世界をリードしています」と述べるとともに、この10年間、日本はより安全な復興に向けて多大な投資をしてきたと語りました。

グテーレス事務総長は、6年前に採択された「仙台防災枠組」は「より安全な世界を目指すグローバルな指針」であると述べるとともに、災害をより効果的に防ぎ、管理するためには、「各国が計画を立て、資金を投じ、早い段階で警告を発し、何をすべきかについて教育・啓発していく必要があります」と述べました。

「今ほど重要な時はない」

水鳥真美 国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関(UNDRR)長は3月10日、「津波に対する予防と備えという考え方そのものが、今ほど重要になっている時はありません」と述べました。

水鳥特別代表は、ジュネーブにおいて報道陣に対し、震災から10年の節目に寄せたコメントの中で、東日本大震災は、災害リスク管理のあり方について厳しい教訓を残したと語りました。

本州の北東部沿岸に押し寄せた破壊的な津波によって、福島の原子力災害が発生しました。

国連の統計によると、20世紀の間に起きた記録が残されている58件の津波災害においては、25万人以上が犠牲となっており、1件当たり平均で約4,600人の命が失われています。

気候が要因に

緊急時対応センターから福島第一原子力発電所を監視する職員
Photo: IAEA/Gill Tudor

しかし、水鳥特別代表は、「一層猛威を振るうようになった災害は、いずれも気候緊急事態に関連しています。そしてこの20年で、気候緊急事態による災害の数は、それ以前の20年に比べ、倍増しています」と警鐘を鳴らしました。

国連教育科学文化機関(UNESCO)政府間海洋学委員会(IOC)のウラジーミル・リャビーニン事務局長は、同委員会が「国連の新たなキャンペーンの下で、津波警報システムに関する非常に重要な開発に着手している」と語っています。

近年、IOCは、北東大西洋や地中海、および隣接海域に面する国々とともに、津波対策訓練を実施し、コミュニティーと当局間の津波対策および連携について評価を行いました。また3月12日にはカリブ海で同様の訓練が計画されています。

「津波に備える」

リャビーニン事務局長は次のように述べています。「この10年が終わりを迎える2030年までに、津波被害を受けやすいコミュニティーをすべて、津波に備えたコミュニティーに変えたいと私たちは心から願っています。こうしたコミュニティーでは、何をすべきかを把握し、津波から逃げる手段を備え、津波が襲ってきた際には、避難して命を守ることができるでしょう」

また、リャビーニン事務局長は、人々が科学の役割を理解し、海洋リテラシー、気候リテラシー、防災リテラシーを身につけることも同様に重要であると述べました。

さらに、この分野における進歩をもたらす海洋科学教育の重要性を強調しつつ、「深く考えてみると、持続可能な開発におけるあらゆる側面、つまり、貧困、食料、エネルギー、気候、その他多くの持続可能な開発目標は、まさに海洋科学に依存していることに気づくでしょう」と加えました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。