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私たちの「ニューノーマル」には人との触れ合いが必要:事務総長、メンタルヘルスに関する若者向けウェビナーで発言(UN News 記事・日本語訳)

2020年08月10日

バングラデシュのジェッソールで、母親に見守られながら自宅学習する少年© UNICEF/Shafiqul Alam Kiron

私たちの「ニューノーマル」には人との触れ合いが必要:
事務総長、メンタルヘルスに関する若者向けウェビナーで発言

2020年7月15日-新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がる世界の新しい現実に適応し、前に進むためにはどうしたらよいか ― こうした点を中心に議論する国連ウェビナー(オンライン上でのセミナー)が開催され、どうすれば若者がメンタルヘルス(心の健康)と幸福感を維持できるかについて意見が交わされました。

「現時点で都市封鎖(ロックダウン)の状態にある国に住んでいるか、徐々に封鎖が解除されている国に住んでいるかに関係なく、私たちは誰もが、これまで知っていた現実とは異なる現実に直面しています」こう語るジャヤトマ・ウィクラマナヤケ国連ユース担当特使は、自身の特使室が世界保健機関 (WHO)、国連児童基金(UNICEF)と共同で後援する公開ウェビナーで進行役を務めています。

今回のウェビナー「コロナに立ち向かおう(Coping with COVID)」は、不安が広がる中で若者がつながりを持ち、全世界の若者のメンタルヘルスに対する認識を高め、総合的なメンタルヘルス・心理社会対策を求める声を強めるためのプラットフォームとなりました。

ノーマルではなく

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、COVID-19の世界的大流行(パンデミック)が私たちの社会の脆さと、より良い復興の必要性を露見させたと述べました。

いわゆる「ニューノーマル(新常態)」という言葉の意味を問われた事務総長は、私たちの集団的な現状をこの言葉で表すことを拒み、それを「アブノーマル(非常態)」と形容しました。

「人間の生活には人との触れ合いが必要だと私は思います」事務総長は参加者にこう語りました。

グテーレス事務総長は、自分自身も家族や友人、同僚に会えないのが寂しいという心情を明かしたうえで、「この触れ合いを確立できるまで、ニューノーマルは生まれない」と主張しました。

それでも事務総長は、国連職員が4カ月にわたるロックダウンの中でも、バーチャル世界にいち早く適応し、国連の「活動継続」を確保できた能力を賞賛しています。

グテーレス事務総長は、ユニバーサル・ヘルスケアの重要性だけでなく、メンタルヘルスに本来あるべき優先度を認める必要性も強調しました。

「政府がメンタルヘルスをCOVID-19対策の中心に据えることは、絶対に欠かせません」事務総長はこう明言しています。

事務総長はまた、若者には、より持続可能で包摂的な、「誰にとってもより良い未来を思い描けるよう支援する重要な役割」があることも強調しました。

 

「メンタルヘルス・サービスの強化を」

同じくウェビナーに参加したテドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長は「COVID-19は危機ではあるものの、物事を改善するためのチャンスでもある」との認識を示しました。

「私たちはこの機会を活用し、思春期の若者向けのメンタルヘルス・サービスを強化すべきです」事務局長はこう強調しました。

テドロス事務局長はさらに、若者向けのメンタルヘルス・サービスの全面的な統合が「最大の課題の一つ」であることを指摘したうえで、「投資と政治的なコミットメントを増大させる」必要性を指摘しました。

「メンタルヘルスなしに健康は確保できません」テドロス事務局長はこう結論づけています。「その実現に若者が果たす役割は欠かせません」

 

最優先課題

また、ヘンリエッタ・フォアUNICEF事務局長は「メンタルヘルスは私たちにとっての最優先課題」だと断言しています。

「メンタルヘルスと心理社会的支援は、私たちのあらゆるプログラムに深く浸透することになるでしょう」フォア事務局長はこのように付け加えたうえで、「あらゆる国で、若者を参画させる」とともに、よい政策とサービスについて話し合うことを約束しました。

メンタルヘルス・サービスは多くの国で提供されているものの、フォア事務局長は「それをプライマリー・ヘルスケア制度の一部としなければならない」と強調しています。

フォア事務局長は最後に、出席した若者に向かい、若者「について」話すのではなく、若者「と」話すことが欠かせないことを力説しました。

 

「どんな嵐の後にも虹が」

一方、ベルギーのマチルド王妃は、バーチャル集会の参加者に対し「予防、レジリエンスの改善、認識向上、スティグマ(偏見や差別)との闘い、あらゆる人のケアへのアクセス保障といった全側面で積極に行動する」必要があると語りました。

「私たちは、COVID-19対策への結集で生まれた勢いを活かし、メンタルヘルス対策への結集も加速することができます」マチルダ王妃はこう付け加えました。

オンライン・アンケートのセッションで回答を紹介したインドネシアからの出席者は、若者が直面している課題と、自分や周囲の人々を守るために若者が起こしている行動をいくつか明らかにしたうえで、若者をCOVID-19対策の「最前線に立つ人々」と呼びました。

そして、若者が全世界で参画を進めている現状についてコメントし、「どんな嵐の後にも虹は出る」と語りました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。

 

 

 

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