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内側からの視点:国連本部の「ニューノーマル」に向けた次の一歩(COVID-19関連記事・日本語訳)

2020年07月27日

国連総会議場で、モップがけの車を運転する清掃スタッフ©UN Photo/Manuel Elias

内側からの視点:国連本部の「ニューノーマル」に向けた次の一歩

「国連の職員、各国代表団、さらに国連本部内にいるすべての人々の安全と健康こそが最優先課題です。職員の職場への物理的な復帰は、ニューヨーク市とニューヨーク州による規制の緩和を受け、その内容に従って実施する予定であり、これに先行して進めることはありません」 – アトゥール・カレ国連事務次長(オペレーション支援担当)

202065 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による数カ月に及ぶ在宅勤務の末、国連本部に戻ってくる国連職員や外交官、市民社会メンバー、常駐ジャーナリストは当面の間、新たな職場対策を守ることになります。その中には、廊下を一方通行とすること、エレベーターの同乗者を2人に限定すること、移動中にマスクを着用すること、同僚とのデスクの距離を2メートル以上に保つことなどが含まれます。

通行規制とフィジカル・ディスタンシング(身体的距離確保)を目的に、総会棟のビジターズ・ロビーに目印を付ける国連職員©UN Photo/Manuel Elias

通行規制とフィジカル・ディスタンシング(身体的距離確保)を目的に、総会棟のビジターズ・ロビーに目印を付ける国連職員©UN Photo/Manuel Elias

現地で出された健康に関する勧告に従うため、国連本部ビルは3月中旬以降、ほぼ全面的に閉鎖され、出勤しているのは、現場でなければできない作業をこなす数百人の職員のみとなっています。しかし、ニューヨーク市が徐々に規制緩和に動く中で、国連も3段階式で通常への復帰に努めています。

事務局ビルの事務用品を消毒する清掃スタッフ©UN Photo/Manuel Elias

「国連の職員、各国代表団、さらに国連本部内にいるすべての人々の安全と健康こそが最優先課題です」こう語るのは、オペレーション支援局を率いるアトゥール・カレ事務次長です。「職員の職場への物理的な復帰は、ニューヨーク市とニューヨーク州による規制の緩和を受け、その内容に従って実施する予定であり、これに先行して進めることはありません」

会議室の消毒を行う清掃スタッフ©UN Photo/Manuel Elias

オペレーション支援局によると、職場復帰の第1段階に向けた準備は着々と進んでおり、施設・商業活動課の職員は、オフィスや歴史ある会議室の再開準備に追われています。

マスクを着用して事務局ビルのエレベーターを利用する国連職員©UN Photo/Manuel Elias

39階建ての事務局棟、総会議場、会議・図書館棟からなる国連本部ビルでは、人口密度と接触度が高いエリアの消毒に清掃スタッフが動員されています。

清掃スタッフはロビーやエレベーター、トイレから家具、ドアノブ、スイッチ板、さらには手すりや入場ゲート、カウンターに至るまで、頻繁に利用されるエリアや表面部分を念入りに清掃しています。

オペレーション支援局の職員は、人の列ができた場合でもフィジカル・ディスタンシング(身体的距離確保)の要件を満たせるよう、廊下や壁に新たな通行ルートの目印を付けているところです。また、ロビーやその他の共用領域には、少なくとも1階ごとに1カ所、手指消毒所を設けています。

国連本部の診療所で、COVID-19の抗体検査をする国連職員©UN Medical Service

第1段階

第1段階では、必須の活動のみが認められます。本部ビルの1日当たり入場者数は、通常の4,200人に対し、400人を上限とします。DC1とDC2を含む別館でも、最大入場者数は通常の10%に限定されます。現場でなければ行えない作業が厳密に優先されるため、多くの重要業務は引き続きリモートで実施されます。

フィジカル・ディスタンシングに対する意識向上を目的に作成されたステッカー©UN Photo/Manuel Elias

現場での業務遂行に必要となる職員は、マスクを着用して出勤することになりますが、入場の際に検温は必要とされません。職場復帰前のCOVID-19の検査も要求されませんが、ウイルス検査を希望する職員は、自己申告用ポータルを通じて健康管理・労働安全衛生部(DHMOSH)に連絡するか、居住地で一般市民が利用できる検査所で検査を受けることができます。

デスクには、職員同士が近づきすぎないよう警告するステッカーが貼られている©UN Photo/Manuel Elias

本部内にいるすべての者は、ロビーやエレベーター、廊下、トイレ、あらゆる階の通行ルートなど、共用領域を通過する際、マスクを着用することになっていますが、デスクでは原則的に、マスクの着用は義務づけられません。

第1段階と第2段階において、対面会議は運営目的でも、組織の業務目的でも認められません。

第1段階へと移行するためには、ニューヨーク州の外出制限令(New York on PAUSE)の緩和が必要です。また、市と州の提言に応じ、現地の流行状況と医療能力にも改善が見られなければなりません。

現在、本部ビルで働いている必要不可欠な業務を担うスタッフ向けに布マスクを製作する、オペレーション支援局の布製品作業場の職員©UN Photo/Manuel Elias

第2段階

第2段階では、入場者数が本部ビル全体で、通常時の約40%に相当する1日最大1,100人まで、段階的に引き上げられます。その他の棟では、通常の40~50%の入場者が認められます。交代制の勤務は引き続き広く導入され、多くの職員はリモートワークを続けます。第1段階から第2段階に移行するためには、感染症の流行がさらに収まり、ホスト市であるニューヨークの医療システムが強化される必要があります。

第3段階 :「ニューノーマル」

「ニューノーマル(新常態)」に当たる第3段階は、職場リスクがCOVID-19感染発生以前の水準にまで低下するとともに、保育園や公立校の再開を可能にするものを含め、ニューヨーク市とニューヨーク州がCOVID-19関連の規制を撤廃することが条件となります。オペレーション支援局は、この段階で導入される業務手順の概要を示すことは時期尚早だとしています。

現在、本部ビルで働いている必要不可欠な業務を担うスタッフ向けに布マスクを製作する、オペレーション支援局の布製品作業場の職員©UN Photo/Manuel Elias

第75回国連総会

9月に行われる総会の年次一般討論と、来たる第75回総会会期中に本部で開催されるその他のハイレベル会合のフォーマットは、変更される可能性が高くなっています。アントニオ・グテーレス国連事務総長はティジャニ・ムハンマド=バンデ第74回国連総会議長に書簡を送り、各国首脳や閣僚による事前録画メッセージを使ったり、ニューヨークに常駐する各国代表部が総会議場に派遣する代表をそれぞれ1人に限定したりするなどして、193カ国が参加して政策立案を検討する一般討論のフォーマットを変更するよう提案しています。

 

エアフィルターを交換する国連施設管理スタッフ©UN Photo/Manuel Elias

「COVID-19は私たちの暮らし方、働き方、つながり方を変えました」カレ事務次長はこう語っています。「しかし、私たちには復元力があり、ともにこの難局を切り抜けることは可能です。そのためにはもちろん、フィジカル・ディスタンシングを保つことが必要です」

 

執筆者について

グローバル・コミュニケーション局
国連グローバル・コミュニケーション局(DGC)は、国連の活動に対するグローバルな認識と理解を推進します。

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原文(English)はこちらをご覧ください。

 

 

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