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世界がCOVID-19と闘うためにWHOを必要とする5つの理由(UN News記事・日本語訳)

2020年04月21日

コンゴ共和国ブラザビルのマヤマヤ国際空港で実施されている旅客スクリーニング© WHO/D. Elombat

202049日-国連システムで保健を統括する世界保健機関(WHO)は昨年12月、中国の武漢で初の症例が確認されて以来、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミック対策に不可欠な役割を担ってきました。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、4月8日の記者会見で、WHOがグローバルな対応を主導する5つの方法について説明しました。

  

1)各国の準備と対応を支援する

ニューヨーク市アストリアのマウントサイナイ病院で、コロナウイルス検査の順番を待つ医療従事者©UN Photo/Evan Schneider

WHOは「COVID-19戦略的準備・対応計画」を発表し、各国が取るべき主要な行動と、それらを実施するために必要な人的・物的資源を明らかにしています。

最新の情報とデータによって、ウィルスの特性とウイルスへの対応法に関するWHOの理解が進歩するのに合わせて、この計画は更新され、各国固有の計画を策定する際の手引きとしての役割を果たします。

WHOの6つの地域別事務所と150の国別事務所は、全世界の政府と密接に連携しつつ、COVID-19がもたらす大きな打撃に向けて国内の医療制度を整備するとともに、症例が発生し、増大を始めた時点で効果的に対応するための支援を行っています。

WHOは、パートナーとの協力のもと「COVID-19連帯対応基金(COVID-19 Solidarity Response Fund)」も設立しました。患者が必要なケアを受け、最前線で働く人々が必須の物資と情報を得られるようにするとともに、必要とするすべての人々のためにワクチンと治療法の研究開発を加速することが目的です。

政府や民間、個人からの寄付金により、これまでに8億ドルを超える資金の拠出が確約されているほか、すでに受け取りが完了し、対策に使われている資金もあります。

 

2)正確な情報を提供し、危険なデマを打ち壊す

コロナウイルス蔓延対策として、イタリアで寄付され、中国に向けて発送の準備が進む医療物資©Photo: WFP

インターネットには、今回のパンデミックに関する情報があふれていますが、その中には有用なものもあれば、誤った情報や誤解を招く情報もあります。この「インフォデミック」の只中で、WHOは人々の命を救うのに役立つ正確で有用な指針を策定しています。

その中には、一般市民や医療従事者、各国政府に向けた約50件の技術的助言が含まれていますが、そこでは対応の各要素に関するエビデンスに基づいた指針と、爆発的に広がる危険なデマも紹介されています。

WHOは、疫学者、臨床医、ウイルス学者を含む医療専門家と科学者のグローバル・ネットワークの専門知識を活用しながら、できる限り包括的で権威ある代表的な対応を確保しています。

情報が正確かつ有意義であることを確認するため、WHOは信頼できるソースからのタイムリーで正確、かつ分かりやすいアドバイスを誰もが得られるようにするためのチームを結成しました。また、毎日の現状報告と記者会見のほか、政府へのブリーフィングも行い、世界に最新のデータと情報、エビデンスを発信し続けています。

InstagramやLinkedIn、TikTokなど、多くのソーシャルメディアやテクノロジー関連企業も、WHOと密接に連携し、信頼できる情報の流れを支援しているほか、WhatsappとViberプラットフォームのチャットボットは数百万人のフォロワーを獲得し、タイムリーな最新情報や報告を発信しています。

 

3)不可欠な物資が最前線の医療従事者に届くようにする

国立研究所がCOVID-19検査を継続できるようにするため、イラク国内で初めて製作されたウイルス輸送培地(VTM)©WHO/Iraq

個人防護具は、医療専門家が自分自身を含め、人々の命を救えるようにするために欠かせません。WHOはこれまでに、個人防護具200万着以上を133カ国に発送し、今後週数間でさらに200万着を発送する準備を進めています。あらゆる地域の126カ国に100万回分を超える診断検査キットが発送されていますが、現時点でもさらに多くの調達が行われているところです。

しかし、さらに多くの物資が必要であるため、WHOは国際商業会議所や世界経済フォーラム、その他の民間セクターと連携し、必須の医療物資の生産と配給の増大に取り組んでいます。

4月8日にWHOが立ち上げた「国連COVID-19供給網作業部会」は、必要な場所で必須の防護具を劇的に増大させることを目指しています。

 

4)医療従事者の研修と動員

WHOはOpenWHOプラットフォームを通じ、数百万人の医療従事者の研修を目指しています。このオンライン・ツールのおかげで、国連とその主要なパートナーにより、救命知識が最前線の職員へと伝えられています。

ユーザーは、幅広い主題を取り扱う双方向のオンライン・コースを通じ、全世界的なソーシャルラーニング・ネットワークに参加しています。OpenWHOはまた、公共衛生に関する専門知識を迅速に共有し、重要な課題に関する突っ込んだ議論やフィードバックを得るためのフォーラムとしての役割も果たします。現在までに、120万人以上が43の言語で登録を行っています。

各国はまた、WHOの地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)が全世界に派遣する専門家による支援も受けています。感染が広がっている間、GOARNは最も必要とされる時、最も必要とされる場所で適切な技術的専門知識とスキルを展開できるようにしています。

緊急医療チームも、全世界で活動する医療従事者の重要な一部です。高度な訓練を受け、自給自足が可能な緊急医療チームは、災害または緊急事態の被災地に派遣されます。

 

5)ワクチン研究

コロナウイルス・ワクチンの研究が進められている©UN Photo/Loey Felipe

多くの国の研究所はすでに、ワクチンの発見につながることが期待される試験を実施中です。WHOは2月、こうした取り組みの調整を図るため、全世界からトップクラスの研究者400人を招集し、研究の優先順位を明らかにしました。

WHOは、90カ国の参加を受け、効果的な治療法の発見を支援する国際的な臨床試験「連帯トライアル(Solidarity Trial)」を立ち上げました。そのねらいは、既存の医薬品の中で、この病気の進行を遅らせたり、生存率を高めたりできるものがあるかどうかを速やかに発見することにあります。

ウイルスに関する理解を深めるため、WHOが開発した研究プロトコルは、40を超える国々で協調的に用いられているほか、全世界の約130名の科学者や出資者、医薬品メーカーも、WHOと協力し、COVID-19ワクチンの開発を加速することを約束する声明に署名しています。

 

最も貧しい人々と最も弱い人々を支える

テドロス事務局長は4月8日の記者会見で、WHOはその他多くのイニシアティブや行動にも関与しているものの、それらはすべて、上記5つの重要な柱を踏まえたものであると述べました。

事務局長によれば、WHOは「各国やパートナーと協力して世界を一つにまとめ、この共通の脅威に力を合わせて対処すること」に重点を置いています。

事務局長はさらに、世界の最も貧しい人々と最も立場の弱い人々が特に懸念されるとして、WHOが「公平性、客観性、中立性をもって全世界の人々に奉仕する」ことを約束すると付け加えました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。

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