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南スーダンの若手アスリート、「国民結束の日」スポーツ大会で平和を呼びかけ

2019年03月05日

UNMISS ニュース/2019年1月28日
筆者:フランチェスカ・モールド

20歳のチカ・シドニー・エドワード・ジョシュアさんは、6年前にサッカーを始めたばかりです。それでも、全国レベルの実力をつけ、南スーダンのU-23チームでプレーしています。

「私がサッカーをやろうと思ったのは、このスポーツが本当に好きになったからです。サッカーは人々を結束させる素晴らしいゲームです。サッカーをしている時は、とにかく楽しくて、自分にはこのスポーツしかないという気持ちになります」とジョシュアさんは語ります。

土曜日の昼下がり、炎天下のジュバ・サッカー競技場で、ジョシュアさんを含む南スーダンU-23代表チームが親善試合を行い、勝利をかけた激戦を繰り広げ、数百人におよぶ観客に平和と結束のメッセージを送りました。

南スーダンの和平プロセスが重要な局面を迎える中、この親善試合は「国民結束の日(National Unity Day)」全国スポーツ大会の目玉として行われました。試合はAチームが2対0で勝利を収めたものの、終了後に両チームは抱き合い、サッカーへの情熱と母国への愛情を共有しました。

「南スーダンの人々に、今こそ許しあう時が来たと伝えたいです。私たちは一つの国であり、同じ国の国民です。過去のことは水に流して、未来に目を向けようではありませんか。私たちの国を見れば、その将来は明るいことがわかります。私たちがお互いを許すことができさえすれば、この国は、全世界からあらゆる人々が訪れる、よりよい場所になるでしょう。ここに来て楽しんで、そして家に帰ったらきっと、南スーダンは素晴らしい国だと言ってくれるはずです」とジョシュアさんは述べています。

南スーダン政府とのパートナーシップにより、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援で開催されたスポーツ大会は、まさに祝福の雰囲気で満ちていました。南スーダンの国民的歌手であるエマニュエル・ケンベ氏が馴染みの曲を次々と披露すると、多くの聴衆は立ち上がり、手拍子とともに踊りながら、一緒になって平和のメッセージを謳歌しました。

このイベントに出席するために南スーダンを訪れた北岡伸一JICA理事長は、同国の平和、社会の結束と開発に対する日本の支援を表明しました。

「私は個人的に、南スーダンとの深いつながりを感じてきました。それは2011年の独立以前や、2004年に国連大使に就任した時から続いています。そこで、南スーダンのスポーツ選手が2016年のリオデジャネイロ五輪に参加できるよう、JICAを通じた資金援助を実現しました。これが南スーダン選手の初のオリンピック参加となりました」北岡理事長はこのように述べています。

昨年、改めて和平合意への署名が実現したことで、南スーダンの将来に希望を抱く人々が増えています。 武力衝突に恒久的な終止符が打たれれば、開発への投資が促され、人々の可能性を最大限に発揮する機会が生まれるだろうという期待が広がっているからです。南スーダン政府もイベントの主催者として、スポーツを通じた平和を祝いました。

開会式の中で、南スーダンのジェームス・ワニ・イッガ副大統領は「人々を結束させるという点において、スポーツのもつ力と恩恵は計り知れません。スポーツと国民の結束は、友人のような密接な関係にあります。スポーツは文化や言語、ジェンダー、社会階級を越えて人々を結び付けます。その人気と普遍性により、社会的に孤立しているか、手を差し伸べるのが難しい集団にも働きかけられる独自の立場にあるからです」と話しました。

式典では、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)のバングラデシュ部隊が、人々の一致団結を謳い、南スーダン全土の平和構築に向けた努力を呼びかけながら自国の文化を紹介する踊りを披露しました。

デイビッド・シアラー国連事務総長特別代表は「和平プロセスに対する信頼感が生まれてきていると思います。和平合意に対する信頼を造成し、その信頼を保ち続けることができるかは、私たちの集団的な責任です」と述べました。

真の希望は、恒久的平和とともに、すべての人、特に南スーダンの次世代と将来のリーダーが機会と豊かさを享受できるようになることです。ジョシュアさんの夢は、将来、プロのサッカー選手として、国際的な場面で母国を代表することです。

ジョシュアさんは「私たちの国はこれまでずっと、戦争を繰り返してきました。だから、成功することが難しかったのです」と述べ、「でも毎朝、目が覚めてスター選手がサッカーをしている様子を見るたびに、自分もいつかそこに加われるかもしれないという希望が生まれます。だからこそ、私は情熱を持って目標を立て、夢を実現できるよう頑張っているところなのです」と話しました。

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