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開発と女性の役割に関する世界調査報告書2009

プレスリリース 09-062-J 2009年11月10日

開発と女性の役割に関する世界調査報告書2009
データで見る:女性による経済資源の管理と資金へのアクセス ~経済分野での意思決定における女性の声~

欧州安全保障協力機構(OSCE)加盟国では、女性が国会議員全体の21.3%を占めていますが、列国議会同盟(IPU)によると、その割合はトルコの9.1%からスウェーデンの47%に至るまで、大きな開きがあります。それ以外の地域における女性議員の割合は、米州の21.7%を筆頭に、サハラ以南アフリカが18.1%、アジアが18%、太平洋が13%、アラブ諸国が9.7%となっています。

経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、米国のフォーチュン500企業の経営最高責任者(CEO)に占める女性の割合は、わずか2%にすぎません。OECD諸国全体を見ても、大手企業の女性取締役の割合は7%にとどまっています。

OECDによると、OECD加盟国の大手企業の46%以上には女性取締役が一人もいないのに対し、複数の女性取締役がいる企業は23%にすぎません。取締役に占める女性の割合は依然として、米国で13%、カナダでは11%に満たないのが現状です。欧州委員会の統計を見ると、欧州連合(EU)加盟国の中央銀行総裁はいずれも男性であり、これら機関の最高意思決定機関には、女性メンバーがわずか17%しかいません。

世界のその他地域70カ国のデータによると、「地位、影響力、権力および意思決定権限」を伴うとされるポジションに女性が占める割合は27%にすぎません。その割合は経済体制移行国で32%、開発途上国で28%ですが、地域別ではラテンアメリカが31%、アジアが15%、中東が9%などとなっています。

米国では、女性が金融サービス業に従事する労働者の75%を占めていますが、米国の市中銀行上位50行の幹部に女性が占める割合は12.6%で、CEOが女性の銀行は1行、財務最高責任者(CFO)が女性の銀行は7行にとどまっています。上位100の信用組合を見ても、女性CEOは8人しかいません。米国ベンチャー・キャピタルの意思決定者のうち、女性はわずか8.6%です。

女性起業家の金融サービスへのアクセス

南アフリカの女性起業家は融資を受ける際、大きな障壁に直面しています。同国のある大手銀行の経済的権利拡大(BEE: Black Economic Empowerment)株式ファンドでは、運用開始から2年を経た時点でも、女性顧客の割合がわずか5%にすぎません。

ウガンダの女性は、利用できる貸付のうち9%しか受けられていませんが、この割合は農村地域でさらに低く、1%となっています。

バングラデシュでは、女性がフォーマルな銀行部門から依然として疎外されています。女性はフォーマル部門の預金総額のうち27%を占めているにもかかわらず、フォーマル貸付に占める割合は1.8%にすぎません。さらに最近の調査によれば、女性を経営者とする零細企業がフォーマル金融機関の貸付に占める割合は、2%にも達していません。

2007年のインフォーマル金融機関の顧客数は1億5,480万人と見られていますが、うち1億660万人は、はじめて融資を受けた最貧層の人々でした。女性はこうした最貧層の83.4%を占めています。世界147のマイクロ・ファイナンス機関が参加した調査によると、女性は個人借入者の46%、連帯グループ(グループ保証付き)の73%、「ヴィレッジ・バンク」の89%を占めています。

職業分化、賃金格差、有給・無給労働の男女分配

女性は世界の全地域で、農業部門以外への進出を続けているものの、2007年の推計は女性が全体として、農業労働者の大半を占め続けていることを示しています。国際労働機関(ILO)の推計によると、女性労働者全体に占める農業労働者の割合は35.4%と、男性の32.2%を上回っています。サハラ以南アフリカと南アジアでは、農業部門がすべての女性雇用の60%以上を占めています。

情報技術産業でも、女性の熟練労働への進出はあまり進んでいません。中国、フランス、ドイツ、韓国、米国ではいずれも、コンピューター・プログラミングとシステム解析に従事する労働者のうち、女性の割合が20%から30%となっています。ガーナでは、女性がデータ入力サービスやコールセンターなど、情報通信技術関連労働者の70%を占めるものの、そのほとんどは地位の低い職種に就いています。

国際労働組合総連合(ITUC)によると、女性の賃金は全世界的に見て、男性よりも16.5%低くなっています。

先進国、途上国の双方で、女性が介護労働者に占める割合は、労働者全体に占める割合よりも高くなっています。主として高所得国12カ国を対象とするルクセンブルク所得研究のデータを見ると、女性が労働者全体に占める割合は32%から54%であるのに対し、有給介護労働者に占める割合は68%から88%となっています。

キルギスタンで行われた調査では、女性の24.8%が、育児や介護のために仕事に就くことができないと回答しましたが、同じ回答は男性の1.5%にしか見られませんでした。

ラテンアメリカでは、20歳から24歳の働いていない女性の半数以上が、求職をしない理由として無給の家事労働をあげています。

完全雇用とディーセント・ワークへのアクセス

開発途上国では貧しい女性の多くが、家事の責任と所得の必要性を両立させる手段として、自営業に従事しています。グアテマラ・シティのスラムでは、低所得地区で働く母親の40%が自分で子どもの面倒を見ています。つまり、子どもを職場に連れて来られない限り、働くことはできないというのが現状です。

教育と能力開発

世界各地で労働市場のジェンダー分化が見られる根本的要因の一つとして、女性と女児に対する教育機会の差別があげられます。国連教育科学文化機関(UNESCO)によれば、2006年の時点で科学分野の高等教育を受けていた学生に女性が占める割合の中央値は、理数系全般で29%、工学に限れば16%となっています。
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