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国連人権理事会が開幕 2/28にはシリア緊急討議を実施

2012年02月28日

人権理事会、第19回会期のポイントは?
~シリアに関する緊急討議を2月28日に開催~

国連人権理事会の通常会期が、2月27日(月)から3月23日(金)にかけてジュネーブで開催されます。今会期のハイライトは、まず、第1週に行われるハイレベル・セグメントです。約80の国連加盟国の外相・閣僚らが演説を行い、自国の人権政策や方針・慣行を詳しく説明するとともに、世界各地の人権状況を取り上げ、意見を述べます。

もう一つのハイライトは、2011年12月のシリアに関する特別会合、そして、同2月のリビアに関する特別会合のフォローアップ会合です。これら二つの国については、理事会が昨年設置した調査委員会が提出する報告書をもとに話し合いが予定されています。

これに関連して、理事会は2月28日(火)の11:30-14:30(ジュネーブ時間)、シリアに関する緊急討議(正式名称:Urgent debate of the Human Rights Council on the human rights and humanitarian situation in the Syrian Arab Republic)を行います。会合の模様はウェブキャストで視聴できます。

緊急討議では、アルナセル国連総会議長、ピレイ人権高等弁務官、当該国シリアの代表による発言に続き、人権理事会の理事国、オブザーバー国(日本を含む)、NGOによる討論が予定されています。

このほか今会期では、拷問、強制的失踪、適切な居住の権利、マイノリティの権利、食料の権利、表現の自由、宗教の自由、児童虐待・搾取、少年司法などをはじめ、性的指向および性自認に基づく差別・暴力、スポーツと人権、インターネット上の表現の自由などといった新しい問題も含め、数多くの問題が取り上げられる予定です。

2006年の発足以来、19回目となる今回の通常会期では、いくつかの国における人権状況も議題の中心となりますが、シリアとリビアに加え、イラン、ミャンマー、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、コートジボワールなどについても話し合いが行われます。

会期中、100を超えるレポートをもとに審議が行われますが、その大半は人権理事会が任命した独立の人権専門家によるものです。理事会では、特定の国の状況やテーマ別の問題に対応するためのメカニズムを総称して「特別手続き」と呼び、特別報告者と呼ばれる個人が務める場合と、5人で構成されるワーキング・グループが務める場合があります。特別手続きにあたった専門家は、各国への調査訪問など最近の活動について理事会に報告し、世界中の新たな問題にスポットをあてます。また、国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ氏も理事会に年次報告および質疑応答を行います。

今回の会期が終了するまでの間に、47か国で構成される理事会は約40の決議と決定を採択することが見込まれています。

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-第19回会期についての詳しいプレスリリース(英文)はこちらから(理事国一覧含む)。

-人権理事会に関する情報(英語)はこちらから。
*ハイレベル・セグメントの演説者リスト、会期中に報告されるレポート、審議の対象となるテーマ、国、4週間の会期スケジュール、予定される9つのパネル・ディスカッション情報など、随時情報がアップされます。

-会期中の Webcast はこちらから。

-2012年1月に訪日調査を行った「DPRKの人権状況に関する特別報告者」の調査終了にあたっての声明(日本語訳)はこちら

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スイス・ジュネーブに本部を置く国連人権理事会(2011年12月2日)© UN Photo/Jean-Marc Ferre
国連人権高等弁務官を務めるナビ・ピレイ氏(2012年2月27日)
ハイレベル・セグメントで発言するアルナセル第66回国連総会議長(2012年2月27日)© UN Photo/Jean-Marc Ferre
DPRKの人権状況に関する特別報告者、マルズキ・ダルスマン氏。昨年11月の訪韓調査および今年1月の訪日調査が、第19回会期での発表に反映される見込み(2012年1月20日)© 日本記者クラブ
第19回会期では、マイノリティの権利も含め、数多くのテーマが取り上げられる(2011年9月20日)© UN Photo/Jean-Marc Ferre