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新生リビアに世界が支援を表明しています

2011年10月07日

新しいリビアの国旗が国連にはためいています。新政権樹立に向けて歩むリビアに、国連および各国が支援に動き始めました。

-リビアの地図はこちらをご覧下さい。
(出典:UN Dept. of Field Support/Cartographic Section)

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課題は治安維持
国連リビア支援団を派遣

リビアの首都・トリポリでは、心配されていた水、燃料、電気の供給は改善し、学校も再開しました。しかし、国民評議会(NTC)はまだ全土を掌握しておらず、近隣諸国を含め国内には武器がまん延しているため、治安維持のための強力な警察部隊が必要だと、9月初旬に現地を視察したイアン・マーティン事務総長特別顧問は報告しました。

9月16日には、安保理が国連リビア支援団(UNSMIL=United Nations Support Mission in Libya)の派遣を決めました。治安回復、法の支配を確立するための協力、さらには新憲法の草稿、和解の促進、選挙実施の準備、そして人権保護と政権移行に向けた支援を目的としており、すでに派遣が始まっています。

安保理は、資産凍結、飛行禁止区域や武器の禁輸を緩和することも決定しました。

-国連リビア支援団の設置を採択した安保理決議はこちら

50カ国以上の首脳が支援を表明

9月20日、ニューヨークで開かれたリビア支援国会合でも、50カ国以上の首脳が新政権への支援を誓いました。そして政権を担う国民評議会に対し、リビア社会の多様性を反映した民主的な新政権を迅速に樹立するよう求めました。

潘基文(パン・ギムン)事務総長は、リビア新政権として初となる国連主要会合への出席を、「リビアにとって歴史的な日である」と歓迎しました。そして自由のために闘ったリビアの人々を称え、引き続き支援することを誓いました。

-リビア支援国会合後に発表された議長声明こちら

9月24日、国連総会の一般討論演説では、リビアのマフムード・ジブリル暫定首相が今後の課題は山積みであるとし、さらなる支援と、安保理に対し凍結資産の早急な解除を訴えました。

-ジブリル暫定首相による一般討論演説はこちら

9月29日には、国連人権理事会が、3月に資格停止としていたリビアへの制裁を解除することを求め、人権と民主主義を尊重する新政権を歓迎しました。

国際社会はリビアの人々と同じく、新たなリビアの誕生を心待ちにしているのです。

過去の人権侵害が次々と明らかに

こうした一方で、前政権による人権侵害の事実が次々と明らかになっています。

「カダフィ政権により、長年にわたって人権侵害、そして犯罪行為が行われ、多くの人々が拘束され、虐殺されました。集団墓地が次々と見つかり、何年も前から、または最近の戦闘で行方不明になったまま、家族の消息が分からない人々がたくさんいるのです」マーティン特別顧問は、人権侵害の深刻さを訴えました。

トリポリのアブスリム刑務所の近くでは、1996年6月に殺害されたとされる1,270人もの受刑者の遺体を埋葬した集団墓地が発見されました。9月26日、B.リン・パスコー政治問題担当国連事務次長も前政権による非道な人権侵害を非難し、暫定政権はこれら集団墓地の事実を究明し、行方不明になった人々の消息を明らかにする必要があると述べました。

42年間の圧政と半年間の戦闘を経て、自由な国の誕生に向け希望に満ちあふれるリビア。過去の人権問題の究明とともに、まずは国内の平和、治安の回復が早急に望まれます。

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リビアの新しい国旗がスイス・ジュネーブのパレ・デ・ナシオンにも掲げられた(9月20日)© UN Photo/Jean-Marc Ferré
安保理の非公開会議後に会見するイアン・マーティン事務総長特別顧問。国連リビア支援団の代表を務める。9月初めにリビアの首都トリポリを訪問し、国民評議会の代表と会談した(9月9日)© UN Photo/Mark Garten
安保理は国連リビア支援団(UNSMIL)を派遣する決議を全会一致で採択した(9月16日)© UN Photo/Ryan Brown
第66回国連総会の一般討論演説で、さらなる支援を訴えるリビアのマフムード・ジブリル暫定首相(9月24日)© UN Photo/Devra Berkowitz
リビア支援国会合で演説する潘基文(パン・ギムン)事務総長。左はリビア国民評議会のアブドゥル・ジャリル代表(9月20日)© UN Photo/Eskinder Debebe
トリポリで集団墓地が発見されたことを受け、B.リン・パスコー政治問題担当国連事務次長は9月26日、前政権による非道な人権侵害を非難した(File photo)© UN Photo/Devra Berkowitz
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