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国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)フィゲレス事務局長、東京で各国政府に呼びかけ

プレスリリース 11-013-J 2011年03月01日

国連の気候変動最高責任者、カンクン合意を速やかに行動に移し、
京都議定書の将来を明確にするよう各国政府に呼びかけ

(東京、2011年3月1日)訪日中のクリスティアーナ・フィゲレス国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局長は1日、記者団と会見し、各国政府に対して、昨年12月のメキシコでの国連気候変動会議で成立したカンクン合意を早急に各国で具体的行動に移し、京都議定書の将来をはっきりさせるよう呼びかけました。

「政府はカンクンで合意したことを早急に実施し、今年のダーバン会議で次の大きな一歩を踏み出さねばなりません」と事務局長は語っています。

フィゲレス氏は現在、日本政府の担当者や企業その他市民社会の代表と会談を重ねています。3日には、日本とブラジルの共催による第9回非公式協議に出席する予定です。

フィゲレス氏はメキシコでの国連気候変動会議の成果を、これまでで世界最大規模の温室効果ガス排出量削減に向けた集団的取り組みの基盤を含む、さらに強力なグローバル気候変動対策に向けた確かな前進と評価しました。

事務局長はまた、カンクン合意を評し、開発途上国による気候変動対策を支援するために、各国政府がこれまでに決定した最も包括的な措置であるとともに、地球の平均気温上昇を産業革命以前との比較で摂氏2度未満に抑えるための長期的合意でもあると述べました。

しかし、事務局長は、これまでの各国の排出量の削減または抑制の約束を合計しても、気温上昇を2度未満に抑えるため、科学界が2020年までに必要と判断する削減量の60%にしかすぎず、合意された気温上昇目標の達成を不可能としないためには、2015年までに排出量を頭打ちにする必要があるとの警告も発しています。

南アフリカのダーバンで開催予定の第17回締約国会議(COP17)と、年内に着手される国際的な気候変動対策の見通しにつき、フィゲレス氏は、各国政府がこれまでの約束よりも2倍の速さでグローバル排出量を削減する方法に合意するとともに、約束が実行に移される確実性を高めることが必要だと説明し、次のように語りました。

「ダーバン会議で各国政府は、京都議定書の将来について残る課題を克服しなければなりません。私たちはこの意味で、京都議定書が効力と拘束力を有する唯一の国際的排出量削減モデルであることに留意する必要があります。各国にとっては、透明性、確実性、各国排出目標の取扱規定遵守、および、共通ではあるが差異のある責任という京都議定書特有の利点をさらに前進させる方法を決定することが急務となっています」

フィゲレス氏によれば、合意済みの気候変動対策資金供与、開発途上国への技術移転、および、そのためにメキシコでのCOP 16合意された新たな管理機構の期限内の実現を確保することも、各国政府にとって今年の重要課題となっています。

国連の気候変動に関する最高責任者であるフィゲレス事務局長は、課題克服を図るべき3つの中心的分野をあげました。まず、ダーバン会議までに「グリーン気候基金」を完全に立ち上げる必要があるとともに、先進工業国は、年間1,000億米ドルという拠出約束額を2020年までに実現する具体的方法に合意する必要があります。第2に、国連気候変動事務局は、2010年から2012年までを対象に先進工業国が約束した立ち上げ資金300億米ドルの詳細を受け取る必要があります。そして第3に「カンクン適応枠組みおよび技術メカニズム」を、その構成と具体的な活動のやり方に関する合意を通じて完全に立ち上げることが必要です。

「世界の貧困層と弱者層はダーバン会議までに、実質的な変化を実感する必要があり、各地で実質的な解決策を導入する実業家や科学者、技師は、国際的気候変動対策の新時代の幕開けを実感する必要があります」フィゲレス氏はこう語り、次のように付け加えました。「そして、各国政府はダーバンでさらに歩を進め、ともにグローバル排出量を削減してゆくという意欲を高めてゆく必要があります」

フィゲレス氏は、2020年までに排出量の25%削減(対1990年比)を表明することで、リーダーシップと意欲、そして先見の明を示した日本を称えました。

フィゲレスUNFCCC事務局長は次のように語っています。「日本はすでに、京都議定書により提供された経済的機会をはじめ、国際気候変動対策のインフラ整備に多額の投資を行ってきました。日本国民の安寧は、気候災害のない、安全で持続可能な世界経済に大きく依存しています。よって私は、日本がその確保のため、ますます強力な国際気候変動合意を強く求めてゆくものと確信しています」

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