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国連アカデミック・インパクト、第1回会合を開催

プレスリリース 10-052-J 2010年08月04日

世界平和の実現、特に国連の掲げるミレニアム開発目標の達成のためには、平和、開発、人権擁護の各分野における研究・開発の強化が必要であり、そのためには国連と学術研究機関の強い連携が不可欠です。「国連アカデミック・インパクト(United Nations Academic Impact/UNAI)」は、国連と教育機関を結びつけることを目的として潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が提唱し、2009年より本格化しました。
そしてこの度、事務総長の来日に際し、8月4日(水)、UNAIの日本における第1回目の会合が早稲田大学において行われました。日本の参加団体である九州大学、明治大学、早稲田大学、中央大学、大阪商業大学の学長およびその代理が出席し、各大学の地球規模の課題解決に向けた取り組み、日本におけるUNAI拡大の展望と今後の進め方について意見情報交換を行いました。

◆国連アカデミック・インパクト(UNAI)とは
世界の高等教育機関(主に大学)に対し、国連が人権、識字能力、持続可能性および紛争解決の4つの分野における普遍的な10原則のうち、毎年少なくとも1つの原則を積極的に支持する活動を求めるものです。学術機関はUNAIを通して、地球規模の課題解決にコミットします。
10原則
・原則1: 国連憲章の原則を推進し、実現する
・原則2: 探求、意見、演説の自由を認める 
・原則3: 性別、人権、宗教、民族を問わず、全ての人に教育の機会を提供する  
・原則4: 高等教育に必要とされるスキル、知識を習得する機会を全ての人に提供する
・原則5: 世界各国の高等教育制度において、能力を育成する
・原則6: 人々の国際市民としての意識を高める
・原則7: 平和、紛争解決を促す
・原則8: 貧困問題に取り組む
・原則9: 持続可能性を推進する
・原則10:異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛容を取り除く

◆参加大学(2010年8月現在/参加順)
九州大学:  マイクロファイナンスで有名なバングラデッシュのグラミン銀行総裁・創設者のムハマド・ユヌス博士が提唱する「ソーシャル・ビジネス」の教育・研究、普及のため、学内に「グラミン・クリエイティブ・ラボ(GCL)@九州大学」を設置。海外の大学のGCLと連携を行う。また、ユヌス・センターおよび日本企業と共に、「グラミン・テクノロジー・ラボ(GTL)」を設立。開発途上国向けの技術・ノウハウおよび製品の開発を推進する。

明治大学:世界の人権問題を調査報告し、監視および改善活動を行う国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)と協力し、国際人権問題に取り組む。HRW東京オフィスを大学構内に設置し、教員・学生が研究・発表に協力することを通じて、人権問題の解決に積極的なアプローチを行う。またその他、複数のUNAI関連プロジェクトに取り組む。
早稲田大学: 北京、ハーバード、イエール、コロンビア、シンガポール国立などの9大学の教授陣と学生が、「グローバルオナーズカレッジ」構想の下、「持続可能性」の課題に共に取り組む。世界の識者と選抜された学生が、環境、開発等の地球的諸課題について研究・議論を行い、解決策を検討する。
中央大学: 各国の歴史・文化・風土を尊重する国際的な視野を持ち、技術と行政に通じた水環境・水処理技術者を育成するための教育プログラムを開始する。そのために、清華大学、延世大学など、持続可能性に不可欠な水環境・水処理技術の分野で先進的な取り組みを行っている大学や、産業界・行政機関と連携。また、「水」をキーワードに、国際的な有識者が集まる国際シンポジウムを開催する。
大阪商業大学:人身売買や麻薬の密輸など、弱者の人権を侵す国際的な犯罪組織に対処するため国際犯罪学会(ISC)を支援。2011年の世界大会を神戸に誘致したことを始め、大学院に日本で初めて犯罪学研究コースを設置するなど、人権侵害の解決に向けた取り組みを行う。なお、現学長は、UNAIを国連に提案した世界大学学長協会(IAUP)の副会長を務める。

◆パートナー団体
日本においてはUNAIを社会的な影響力を持つような活動にすべく、「日本産学フォーラム」(http://www.buf-jp.org/)がパートナー団体(Partner Organization)となり、フォーラムのメンバー企業と学術機関に参加を呼びかけています。UNAIにおける産学協働の取り組みは、これらパートナー団体の協力によって実現することが期待されます。

◆参加メリット
·国際的ネットワークの一部となり、共通の課題解決に向け、相互に専門知識、設備、研究を補完し合い、より効率的に最善のソリューションを目指すことが可能になる。
·国連と共に世界規模の問題に取り組む学術機関として、参加機関名と最高責任者が公に表されることにより、学術機関がより国際的認知を得る可能性が広がる。
·国連という国際的なフォーラムにおいて国際社会の発展に貢献する研究・開発を発表、遂行することにより、そこに参加する若い学生に効果的なモチベーションを与えることができる。
·研究・開発において、国連機関の幅広い知識と経験へのアクセスが容易になる。

◆UNAIウェブサイト
下記URLをご参照下さい。この度、日本サイトも開設いたしました。
・日本サイトURL:https://www.unic.or.jp/ai 
・グローバルサイトURL:http://academicimpact.org

より詳しい情報に関しては、下記までお問い合わせください。

国連広報センター(UNIC)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-70 UNハウス8F
Tel : 03-5467-4451/FAX : 03-5467-4455
E-mail: unic.tokyo@unic.org