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第53回国連総会議長 ディディエル・オペルティ・バダン博士略歴

1998年09月09日

 第53回総会が1998年9月9日(水)、開幕した。議長は、ウルグアイのディディエル・オペルティ・バダン氏。以下は、同氏の略歴である。

 ディディエル・オペルティ・バダン博士(Dr. Didier Opertti Badan)は、1995年から1998年までウルグアイの内相を務めた後、1998年2月に同国外相に就任した。オペルティ博士(61歳)は、自国はもとより、国連システム内外の国際機関でも経験を有する法律家である。内相時代、博士は、1995年に中国の北京、1997年にインドのニューデリーでそれぞれ開かれた、国際刑事警察機構総会に、ウルグアイ代表団長として出席した。博士は1996年、ウルグアイ代表団の一員として、ベネズエラのカラカスで開催された「腐敗に関する米州機構専門家会議」に参加した。また、博士は1996年、国連国際法委員会のメンバーに選出されたほか、1995年以来、常設仲裁裁判所ウルグアイ国内グループのメンバーも務めている。
 1993年から1994年にかけて、オペルティ博士は、南米南部共同市場(MERCOSUR)サミット関連の問題について、米州開発銀行およびラテンアメリカ・カリブ統合研究所(INTAL)の特別顧問を務めた。博士は1994年、新大統領に選出されたフリオ・マリア・サンギネッティ氏の個人代表として、ブラジルで開催された同議定書(オウロプレット議定書)の調印式に出席した。博士はまた、マイアミで開催された全米大統領サミットにおいても、サンギネッティ大統領の個人代表を務めている。
 1988年から1993年にかけ、博士は米州機構(OAS)のウルグアイ代表部大使を務めたが、この期間中の1990年にはOASの常設理事会議長を、1989年には同常設理事会の司法・政治問題委員会の議長を歴任している。
 1979年から1981年にかけ、博士は、OAS事務局の国際法法典化・発展室長を務めた。博士は1984年、OASの要請により、ボリビアのラパスで開催された米州国際私法会議(CIDIPⅢ)において、国際陸上輸送作業部会の技術秘書官を務めた。博士はまた、1975年、1979年および1994年にそれぞれ開催されたCIDIPⅠ、ⅡおよびⅤに代表団の一員として参加したほか、1989年のCIDIPⅣでは議長を務めている。これら会議で討議されたすべての議題について、博士は研究を行い、数多くの調査書およびプロジェクトを作成している。
 1985年から1988年まで、博士はウルグアイ外務省の外交法律顧問団の所長を務めた。
 1985年から1987年まで、博士は、ブエノスアイレス・コロニア橋に関するウルグアイ・アルゼンチン二国間委員会の事務局長として、両国を結び付ける同プロジェクトに関する事前調査の調整を担当した。この時期、博士は、ウルグアイ・アルゼンチン二国間司法協力委員会のウルグアイ代表団長を務めた。博士はまた、1985年から1987年にかけ、ラプラタ川管理委員会のウルグアイ代表団のメンバーおよび代表団長も務めている。
 1982年から1987年まで、オペルティ博士は、米州子ども研究所(IIN)の特別司法顧問を務め、未成年者と家族に関連する国際私法問題に取り組んだ。博士はさらに1994年まで、国際的な養子縁組、食糧補助金、国際的な子どもの返還、および、国際的な子どもの誘拐に関するプロジェクト作成について、刑事・民事双方の側面から、IINに助言を提供し続けた。
 1988年から1992年にかけ、オペルティ博士は、米州薬物乱用統制会議(CICAD)のウルグアイ代表を務めた。
 ウルグアイ国際法学会の創設者および理事であるオペルティ博士は、ポルトガル・スペイン語圏米州国際法研究所(IHLADI)、アルゼンチン国際法学会およびブラジル国際・比較法アカデミーのメンバーでもある。博士はまた、ウルグアイ比較法研究所のメンバーおよび所長、ならびに、ウルグアイ法曹協会のメンバーであるほか、米州法曹連盟の現役会員でもある。
 オペルティ博士は1961年から、国際私法の分野で教鞭を執っており、1971年にウルグアイ大学の助教授、1974年には同大学の臨時教授に任命されている。1975年から1982年まで、および、1991年、博士はブラジルのリオデジャネイロにあるOAS司法委員会で国際私法を教えたほか、1983年には、オランダのハーグにある国際法アカデミーで国際私法の教鞭を執っている。博士は1986年、ウルグアイ大学法学・社会科学部の国際私法学教授、および、同大学の国際関係論学士課程の教授に任命された。1994年に功労者試験に合格したオペルティ博士は、ウルグアイのダマソ A.ララニャーガ・カトリック大学の国際私法教授に任命された。
 オペルティ博士は、来賓として、ウルグアイ手続法研究所の会合にも多く参加しているほか、ラテンアメリカおよびヨーロッパで開催される数多くの学識者会合、セミナーおよび円卓会議にも、講演者、話者および来賓として出席している。博士は、アルゼンチンの大学のほか、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、パナマ、スペインおよびベネズエラ、さらには米国およびヨーロッパの大学でも、講義を行っている。
 博士の数多い著書および論文は、ウルグアイをはじめ、アルゼンチン、ドイツおよびスペインでも刊行されている。
 オペルティ氏は、1937年ウルグアイ生まれ。1960年にウルグアイ大学法学・社会学部を卒業し、法学・社会学博士号を取得している。
 既婚。子ども4人。