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6月5日は、世界環境デー

1999年06月05日

*アナン事務総長メッセージ(ここをクリック)
*テプファーUNEP事務局長メッセージ(ここをクリック)

「私たちの地球、私たちの未来、救うのは今!」

 国連環境計画(UNEP)は世界中の人々とコミュニティーに対して、地域的にも世界的にも将来に違いをもたらすような方法で、6月5日の「世界環境デー」(WED: World Environment Day)を祝うよう促している。

 その他の記念日と違い、この特別な国連デーは、地球上のあらゆる生物に関わりの深い日である。

 コフィー・アナン国連事務総長も世界環境デーのメッセージで述べているとおり、「『私たちの地球,私たちの未来,救うのは今!』という今年の世界環境デーのテーマは、私達一人ひとりにとって、自分達の生命を維持しているこの惑星を大切に守る決意を新たにしようという緊急のアピール」である。

 クラウス・テプファーUNEP事務局長は、「一度絶滅した生物種は、どんな願いをもってしても呼び戻すことはできません。もっとも優れた造園技術でも、その森林と植生を奪われた山の荘厳な美を再生することはできないのです」と語っている。

 テプファー氏はさらに、次のように述べる。「飢餓、疾病、貧困、大気・水質汚染、土壌劣化、オゾン層破壊、そして、私達が日々直面するすべての環境問題の解決は可能です。しかし、そのためには適切な措置を講ずる必要があります」。

 今年の世界環境デーの国際的メイン・イベント主催国となる日本は、「グローバル・コモンズ世界環境会議 ’99(World Conference on Global Commons)」を開催することにより、環境問題の対処において重要な一歩を踏み出した。この会議の目的は日本国民と国際社会に対し、責任を共有しなければならないという政治的なメッセージを送ることにある。会議では、金融メカニズムと国際機関のエンパワーメント、科学、技術、情報およびコミュニケーション、資源管理とエネルギー関連の技術開発、ならびに、都市環境問題と地域協力などの問題が議論される。

 UNEPはまた、日本での記念行事の一環として6月4日に予定されている、「身近な地球環境へのフォーカス」と題する第3回世界環境フォトコンテストの開催をお知らせできることを喜ばしく思う。今回もキャノンの後援で行われるこのコンテストは、写真を通じて環境への関心を高めることをねらいとする。年齢、プロ・アマを問わず、世界中から募られた出展作品は、地球に対する人々の見方を示すことになる。入選者の授賞式は、2000年9月、ニューヨークで開催される「国連千年紀総会」で行われる。

 さらに特記すべきこととして、「こども環境活動支援協会(LEAF: Learning and Ecological Activities Foundation)」が6月5-6日、「ユ99こどもエコクラブアジア太平洋会議(The Junior Eco-Club Asia-Pacific Childrenユs Conference, Japan)」を開催する。この会議では、環境を保全する上で若者が果たしうる役割が中心に話し合われる。

 6月5日に予定されているメイン・イベントは、UNEPのグローバル500賞の授賞式でクライマックスを迎える。この賞は、環境保護に顕著な貢献を行った12カ国の17の個人および団体に授与されるものである。

 「これら『静かなる英雄』たちはもっとも具体的な方法で、環境問題の多くを解決する知識、力そして技術が私達にあることを立証したのです」とテプファー事務局長は述べる。「より重要なのは、これらの人々が私達の多くがみならうべき模範例を示してくれたということです。」

 国連総会が1972年に制定した世界環境デーは、環境改善への無数の活動を組織する政府、個人およびコミュニティー団体とともに人々が行う行事である。年1回のこの行事を、政治的関心と行動の強化のために活用する国も多くなっている。国家元首、首相および環境担当大臣は声明を発し、地球を大切にすることを公約する。環境管理と経済計画を担当する恒久的な政府機構の設置につながるより重大な公約も行われている。

 世界環境デーはまた、数千人のジャーナリストや放送関係者に対し、環境問題を熱意と批判をもって報道するきっかけを与えるマルチメディア・イベントでもある。TVドキュメンタリー、写真・美術展、ポスターの展示など、視覚的な側面もある。さらに、セミナー、円卓会議およびシンポジウムの主催者や参加者にとっては、知的な行事としての側面も備えている。

 「この特別な国連記念日に、私達自身の生活、私達自身の態度、そして私達自身の行動に必要な変革をもたらすことにより、環境への思慮に欠ける搾取と破壊を止めさせるために適切な措置を講じようではありませんか。私達にはさらにもう千年の歳月は残されていないのです」とテプファー事務局長は語る。

 アナン事務総長も、「あらゆる人間の活動が地球に影響する一方で、地球の状態も私達すべてに影響することを考えれば、毎日を世界環境デーとすべきです。その時まで、国連は地球と将来の住人たちに対するその責任を厳粛に全うしていく所存です」と述べている。

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 報道関係者各位:国連事務総長とUNEP事務局長のメッセージの全文は、UNEPの本部と地域事務所から入手できます。

 詳しくは以下にお問い合わせ下さい。

Tore J. Brevik
Spokesman/Director,
Communications and Public Information
UNEP, P.O. Box 30552, Nairobi, Kenya
Tel: (254-2) 623292; Fax: 623927
E-mail: Tore.Brevik@unep.org

Elisabeth Guilbaud-Cox
Coordinator, Special Events
UNEP Headquarters
P.O. Box 30552, Nairobi, Kenya
Tel: (254-2) 623401/623128, Fax: 623692
E-mail: Elisabeth.Guilbaud-Cox@unep.org

UNEPウェブサイト:http://www.unep.org

 

世界環境デー(6月5日)に寄せて コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

 今年の世界環境デーのテーマは、「私たちの地球,私たちの未来,救うのは今!」(Our Earth-Our Future-Just Save it!)です。これは、私達一人ひとりにとって、自分達の生命を維持しているこの惑星を大切に守る決意を新たにしようという緊急のアピールです。

 地球を救おうという主張は広く浸透するようにはなりましたが、私達が環境に対して未だに過大な要求を続けているという明らかな徴候が見られます。今日は、環境がそれ自体尊重されるべきで、単に私達の必要性を充足する手段として捉えられるべきではないことを想起する日です。それはまた、私達が環境を当然のものとして見なすべきでないことを認識する日でもあります。私達が環境を保護する強い決意を持たなければ、それは明日にも消え去ってしまうものなのです。

 私達は大体において、どの選択が正しいかを知っています。私達はまた、自分たちの利益のためにも、物事のやり方を変え、万人にとって持続可能な未来への道を歩む意志を持たねばなりません。これを達成するために、私達は、人間の富と経済発展が究極的に、地球の資源から派生するものであること、しかも、その地球は一つしかないことを理解しなければならないのです。

 私達はまた、自分たちが相互依存関係にあることを認め、水資源の枯渇、生物多様性の減少、生態系の混乱および気候変動が長期的には、どこに住んでいるかに関係なく、私達すべてに破滅的な結末をもたらす可能性があることを認識しなければなりません。すなわち、社会・経済問題の場合と同じく、責任と衡平性と連帯は、環境問題の解決にも不可欠な要素なのです。

 あらゆる人間の活動が地球に影響を及ぼす一方で、地球の状態も私達すべてに影響することを考えれば、毎日が世界環境デーとなるべきです。その時まで、国連は地球と将来の住人たちに対するその責任を厳粛に全うしていく所存です。

 

1999年6月5日、世界環境デー
クラウス・テプファーUNEP事務局長メッセージ

 ナイロビ発(1999年6月5日)- 毎年6月5日、私達は「世界環境デー」を祝します。この日は、世界中の人々が一致団結して、地球という惑星の責任ある管理者となることを心から誓う機会です。それはまた、この地球上のすばらしい生命体系を称え、地球という私達の惑星の管理とその未来について考える日でもあります。

 「私達の地球、私達の未来、救うのは今!」というテーマの下に祝われる1999年の世界環境デーは、特別な意義を持っています。なぜなら、私達が共通の未来に向けた新しい希望を持って21世紀を迎えようとする中で、この千年紀最後の世界環境デーとなるからです。

 今世紀には、経済成長の環境と社会に対する悪影響に対処しようとする地球規模の協力の試みが結実し始めました。私達は地球全体に法的拘束力を持つ条約を作り上げ、環境にやさしい技術を推進してきたのです。

 私達は、息をのむような変革と無限に思われる可能性の時代に生きるという恩恵に浴しています。技術革命、商業上の結びつき、そして相互作用の増幅により、ますます連帯を強めた地球規模のコミュニティーが生まれつつあります。しかし、それ以前の文明と同様に、私達の近代文明もまた、その生態学的基盤に依存していることを忘れてはなりません。この基盤は、経済成長を最優先させようとする私達の欲望によってむしばまれつつあります。あらゆる主要部門で、私達の生活の質を決定付ける傾向が加速しています。

 今後10年間に、およそ8億人の人々が地球の総人口に加わるものと見られます。この人口増加に対応するためには、現在の食糧生産をほぼ倍増させる必要があります。今世紀初頭、都市に住む人々は10人に1人に過ぎませんでした。私達が新しい千年紀を迎えようとする今、その数は約32億人と、総人口の50%近くに達するものと見られています。今世紀の初めには、おそらく10余の都市が100万人以上の人口を抱えていたとされています。2010年までには、世界最大の20都市の人口は、それぞれ1,000万人を越えることになります。これらの人々の衣食住を確保することは、未曾有の挑戦となるでしょう。

 水利用は10年間ごとに10~20%ずつ増加していくものと予測されます。開発途上国では、安全な飲み水を手にすることのできる人々は全体の半数に過ぎません。先進国でも途上国でも同様に地上、地下水の源が都市、産業廃棄物および有害物質によって汚染されています。毎年、水を媒介とする疫病で死亡する人々の数は、全世界で1,000万人を越えています。

 全世界のエネルギー消費量の急増も予測されています。エネルギー関連の二酸化炭素排出量は2010年までに、30~40%の増大を遂げるものと見られます。デング熱、マラリア、黄熱病、脳炎、コレラなど、熱帯地域の風土病は、媒体となる有機体の生息範囲の拡大により、蔓延する可能性が高くなっています。 2100年までに、マラリア患者が1年あたり5,000万~8,000万人増加する可能性もあります。

 地球規模の気候変動の結果、「ハリケーン・ミッチ」などの災害をもたらしたエル・ニーニョをはじめとする現象は、再三にわたって発生すると見られます。こうした現象は、私達が備えを行わなければ、甚大な破壊と惨禍をもたらすことになるでしょう。

 植物および動物種全体の少なくとも3分の2が住処とする熱帯林のほとんどが、1年に1,100万ヘクタールの割合で破壊されています。生物種の絶滅は、自然状態の5,000倍近くの速さで進んでいます。このままでは、来る30年間に、生物種全体の25%が絶滅してしまうことになります。

 大気、水および土壌を介して運ばれる有害・有毒化学物質は、世界中でますます多くの人々に影響を与えています。長期間にわたって殺虫剤その他の有害化学物質にさらされれば、がん、出生障害、さらには死にもつながりかねません。今日、合成化学物質は、野生生物および人間の生殖、免疫および運動機能障害をひきおこす疑いが持たれています。

 毎年、全世界で発生する有害廃棄物は3億5,000万トンを越えています。大量の廃棄物は、地球の顔さえも変えています。ごみ捨て場として使われている土地、大気および水は、その許容量の限界に達しています。

 新たな世紀を迎えようとする中で、私達は、再生可能なエネルギーを基盤とし、物質を継続的に再利用、リサイクルするような、新しい工業化システムへの転換を図らなければなりません。地球上のすべての生命を脅かす残留性有機汚染物質の拡散を防ぐため、私達は強固な防御壁を築かなければならないのです。国際社会は程なく、これら残留性有機汚染物質を統制する地球規模の条約を作り上げる、と私は確信しています。私達はまた、地球的なバイオセーフティーに関する議定書についても、緊急に合意を達成しなければなりません。

 持続可能な開発の達成にとっての根本的な制約は、社会的な不平等、および、これによってもたらされる貧困と無知という害悪です。

 この意味において、国際開発援助協力は、すべての人々の相互連帯を象徴するものです。それはまた、国境を越えた数限りない地球規模の問題への対処に必要な利益と価値観の共同体を拡大するものでもあります。残念ながら、海外開発援助のレベルは低下傾向にあります。1998年の政府開発援助(ODA)の総額は330億ドルとなっていますが、これは90年代初頭に比べて40%も低い数字です。先進国国内総生産(GDP)の0.7%という目標値からすれば、現在のODAの金額は1,000億ドル近く不足しています。

 先進諸国はODAおよび債務軽減イニシアチブの規模と、持続可能な都市開発、貧困緩和および良き統治という目標との関連を認識しなければなりません。

 今年の世界環境デーに際し、技術がいかに進歩しようとも、また、科学的な対応がどれほど革新的なものであろうとも、地球上の一人ひとりが、自らの環境の保全に努めることが将来の世代に対する責務を果たすことにもなるのだということを深く確信しない限り、長期的に完全で決定的な成果は得られないことを、私達は深く心に留めなければならないのです。

詳しくは以下にお問い合わせください。
Mr. Tore J. Brevik, UNEP Spokesman
Tel: (254-2) 623292, Fax: 623692, E-mail: tore.brevik@unep.org
6月1日以降
東京プリンスホテル
Mr. Tore J. Brevik Tel: (03) 3432-1111, Fax: (03) 3434-5551
テプファー氏は6月4日(金)午前10時、日本外国特派員協会(有楽町)で記者発表会を開催予定。

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