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札幌(日本)で22件の二国間投資協定署名される

プレスリリース 00/61 2000年06月29日

 札幌発、6月29日 ―― 国連貿易開発会議(UNCTAD)が主催した二国間投資協定(BIT)の集中的な交渉ラウンドにおいて、12カ国はきょう、22件のBITに署名し、特に開発途上国間の海外直接投資(FDI)増大への道を開いた。

 BITに署名したのは以下の国であり、これら協定に関する正式調印は追って取り行なわれる予定である。

  • カンボジアとクロアチア、エジプト、ラオス、ミャンマー、フィリピンの各二国間
  • コロンビアとエジプトの二国間
  • クロアチアとインド、ラオス、ペルーの各二国間
  • エジプトとラオス、ペルー、フィリピンの各二国間
  • ガーナとインド、インドネシア、フィリピンの各二国間
  • インドとラオス、ペルーの各二国間
  • インドネシアとペルー、フィリピンの各二国間
  • ラオスとミャンマー、フィリピンの二国間
  • ペルーとフィリピンの二国間

 

 また、コロンビアとクロアチア、インド、インドネシア、フィリピンとの各二国間、クロアチアとフィリピンインドネシアの各二国間、インドとミャンマーとの二国間、インドネシアとイランとの二国間の協定に関しても交渉が行われ、参加担当者間で合意議事録が署名され、当事国において法案として国民投票にかけられることになる。

 海外投資を促進・保護し、他国との経済協力を醸成するため、二国間投資協定(BIT)を締結する国が増えている。BITの署名により、特に開発途上国は自国の投資家だけでなく、全世界の財界に対し、投資家にとって予測可能で安定的な法的枠組みを提供し、内と外との双方に対するFDIの流れを奨励することを公約するという、強力な意思表示を行っているのである。

 1999年末には、174カ国が合計で1,855件のBITを締結しており、前年比で130件の増加となっている(図I参照)。これらBITのうち、498件は開発途上国間で締結された(図・参照)。実際、開発途上国のこれら協定への参加増大は、先進国を相手とするものに限られていない。1980年代以降、開発途上国が他の途上国とBITを締結するケースが増えている。UNCTADが主催した最近の交渉ラウンドでは、すでに10件以上のBITが誕生している。

 BIT交渉支援は、南南投資協力の拡大に関するUNCTADの重要な活動部門となっている。今回の札幌交渉におけるUNCTADの役割は、専門家による助言、会議施設、事務的な支援および出張旅費の提供を通じ、交渉を促進することにあった。同機関は実際の交渉自体には参加していない。

 札幌での交渉はUNCTADの国際投資協定に関する活動プログラムの一環として企画されてきており、これまでのBITおよび二重課税協定の交渉ラウンドに続くものである。その活動には、能力構築のためのセミナー、地域シンポジウム、研修コース、交渉当事者と市民団体の対話、および、問題点を整理した文書の作成が含まれている。札幌交渉は、投資を誘致し、そこから利益を得ようとするための開発途上国の努力に積極的な支援を行うという、古くからのUNCTADの伝統に基づいた活動といえる。

 交渉当事者によれば、一堂に会してBITの策定を行うことの利点は、はずみを維持するとともに、お互いの経験を交換できることにある。交渉成立のためには通常、度重なる接触や、場合によっては3~4年あるいはそれ以上の時間が必要となるが、札幌のような交渉においては、わずか2週間で達成することもできるのである。「この2週間で、私たちは5件もの協定の最終案を策定できたが、その成果は2年かけても得られなかったものである」とフィリピンの代表アントニオ・C.レビステ総裁は述べた。「交渉の雰囲気は非常に建設的で、友好的な話し合いができた。そのおかげで、このような交渉の機会が無ければ出会うことがなかった国との合意が達成できた。」とクロアチアからの代表ミキッツァ・ムンジン=ベルターク氏が付け加えている。

 札幌ラウンドは日本政府の支援を受け、国連開発計画(UNDP)の資金協力で行われたものである。交渉は当地で明日、6月30日、UNCTAD投資・技術・企業開発部のカール・P.ソーボン部長代行主催の署名式をもって正式に閉幕する。閉幕式には日本の外務省経済局開発途上地域課の田中和夫企画官が出席する予定である。

図I. BITの累積件数、1960~1999年
出所:UNCTAD、BITデータベース

 

図II. 1999年末までに締結されたBIT、当事国グループ別構成
出所:UNCTAD、BITデータベース

 

詳しくは以下にお問い合わせください。

 

札幌:
Ms. Anna Joubin-Bret, UNCTAD Project Officer
あるいは、藤田正孝、UNCTAD
札幌プリンスホテル (6月30日まで)
Tel:(011) 218-2731
Fax:(011) 218-2732
E-mail:anna.joubin-bret@unctad.org
ジュネーブ:
UNCTAD Press Unit
Tel:41 22 907 58 16/28
Fax:41 22 907 00 43
E-mail:press@unctad.org
あるいは
Mr. Jorg Weber
UNCTAD
Tel:41 22 907 11 24
Fax:41 22 907 01 94
E-mail:joerg.weber@unctad.org