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国連社会開発特別総会(ジュネーブ)
グローバル経済における貧困撲滅と雇用創出のための大胆な解決策を提案

プレスリリース 00/73 2000年07月24日

 7月1日、ジュネーブで国連社会開発特別総会が閉会し、グローバル経済における貧困撲滅と雇用創出のための広範囲にわたる数多くのイニシアチブについて合意がなされた。

 貿易・経済問題に対する利害が開発途上国と先進国の間で大きく異なっている現状を踏まえ、加盟各国は、グローバル化のひずみを緩和しながら社会開発を推し進めていくための一連の対策に合意すべく努力を行った。

 合意に至った協定は、各国政府および国際機関による社会開発上の目標設定と達成に大きな波及効果を有する具体的な目標や戦略を示すものである。

 グローバル化と急な技術革新が予想もしなかったほどの機会と利益をもたらしていることを踏まえ、今回の特別総会では、すべての国と地域で、グローバル経済から取り残されている人々の数が増加しつつあることが明らかにされた。

 貧困の撲滅、雇用の創出、すべての人々の意思決定プロセスへの参加の保証が、今回の合意の最大の目的であった。これらの目標達成のために、各国は、経済危機の時期を含め教育と健康の向上を確保するための行動に対し支援を表明した。

 今次特別総会は、1995年にデンマークのコペンハーゲンで開かれた世界社会開発サミットから5周年を記念するものである。このサミットでは、国際的および国内政策の優先課題として社会開発アジェンダを推進することが決定された。しかし、コペンハーゲン以降の進展を検討すると、貧困と失業の軽減については大きな進歩は見られず、健康と教育に関しては設定された国際的目標を達成していないことを各国は認めた。

 社会サミットの成果を再協議することなく、今回の特別総会では、コペンハーゲンの合意を越えてなんとか合意に達した。各国の税制、新しく革新的な金融源などのこれまでになく繊細な問題、また各国政府や世界銀行、国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)などの国際機関における情報開示、透明性および説明責任を充実する必要性がその合意内容である。

 今回初めて、2015年までに極貧生活をしている人々の数を減らすために国際的な目標が設定された。各国政府は、同時に、グローバルな雇用戦略およびグローバルな貧困撲滅キャンペーンの採択に向けて取り組むことに合意した。

 特別総会の成果は、全会一致による合意としてまとめられ、社会開発アジェンダを実行するために国際的に認知される基準を提供する強力な政治声明であった。特別総会は、より徹底的でより意義深い債務の免除、開発途上国のための技術的および経済的支援の拡大、国内および国際レベルでの開放的で透明性に富む効果的な政府を求めた。

 特別総会における成果は以下のとおりである。

  • 極貧生活をしている人々の割合を減らすための2015年目標に関する合意。
  • グローバルな貧困撲滅キャンペーンを開始するため、世界社会開発サミットおよび特別総会の成果を整理統合していくという合意。
  • アフリカおよび後開発途上国に対する債権国の債務免除の実施を促し、同時に、この債務免除が必ず貧困撲滅を含む国内の開発目標のために役立てられることを徹底するという合意。
  • 生産性および効率性を測定するために新基準が必要であるという合意。その基準は、失業と貧困の真のコストを明らかにし、各国による雇用創出と貧困撲滅のための戦略の策定に役立つものでなければならない。
  • 貧困生活を送る人々を救済する一連の対策に関する合意。これは、雇用創出目標と貧困撲滅目標を統合したマクロ経済政策、技能研修および小口融資策、中小企業の成長促進、金融危機の最中にも基本的な社会サービスへのアクセスの確保を通して行われる。
  • 模範的実践を共有することにより、社会保護体制を改善するという合意。
  • 開発途上国と移行期にある国が、国際経済および貿易論議の解決メカニズムである世界貿易機関(WTO)をはじめとする貿易交渉において、より効果的にその利益を守り、促進することができるよう技術支援を提供するという合意。
  • HIV/エイズの撲滅および2005年までにアフリカにおける青少年の感染率を25%引き下げるという目標設定に関する合意。
  • 開発途上国の人々に対し、医薬品を低価格で提供する必要性に関する合意。
  • 国際的な金融危機を取り扱う場合に、特に健康と教育に関する基本的な社会サービスを保護するというコミットメント。
  • 全世界で初等教育を普及させるには年間80億ドルが必要になるという認識。
  • 加盟各国は、市民社会の貢献を認める経済政策を策定する場合に、開放的で透明性のある協議機構を確立すべきであるという合意。
  • 開発途上国は、国際金融機関をはじめとする国際的な経済討議により効果的に参加すべきであるという合意。国際金融機関が、良い統治、透明性、説明責任の原則を採用することにより、新しい投票形式が最終的に導入される可能性があるという合意。
  • 社会開発と経済成長との関係についての認識を高めることにより企業の社会的責任を促進し、さらには、企業の社会的責任を促すための法的、経済的および社会的な政策の枠組みを示すべきであるという合意。
  • 雇用創出のための政策は、低インフレを維持する政策とバランスのとれたものであるべきだという点についての合意。
  • 広範な社会発展を達成するには、政府、労働団体および雇用者団体間の対話を促進すべきであるという点についての合意。
  • 雇用へのアクセスを拡大するために国際戦略を促進するという合意。
  • 精神的衝撃からの回復、和解および復興に取り組むため、紛争後の運営戦略を促すという合意。
  • 各国政府は、ジェンダーの観点のメインストリーミング(中心的要素として取り組むこと)を保証するために積極的優遇措置およびエンパワーメント・プログラムを活用すべきであるという点についての合意。
  • 開発支援のための新しく、かつ革新的な財源の利点と欠点を研究することに関する合意。
  • 国家の税制を脅かす「税金逃れの隠れみの」の乱用防止にむけての合意。
  • 汚職、贈収賄、資金洗浄(マネー・ローンダリング)、非合法の資金移動を防止するための取組みに関する合意。

 

 総会議長のテオ=ベン・グリラブ(ナミビア)氏は、今回の特別総会の成功を表明し、「発想や再度の公約のためのこの神聖な場を飛び出して、今こそ行動しようではないか」と語った。

 今回の特別総会の総括的な効果を評するに際し、ニティン・デサイ国連経済社会問題担当事務次長は、貧困撲滅のための国際協力の枠組みが大いに強化されたこと、グローバル化とそれが社会に及ぼす影響との関係がより明確になったこと、HIV/エイズが重点的に討議されたことを力説した。

 国連社会政策・開発部長のジョン・ラングモア氏は、今回の成果を「世界経済から不穏な要因や悲惨な要因を取り除き、公平性を高めることのできる国際的な政策協定」であると評価した。同氏は、「各国政府の意見が異なる問題も多いが、社会の弱者に目を向けるべきであり、強い国は弱い国のニーズにより一層配慮する責任がある、という点では、各国政府の間で幅広く深みのある政治的合意が存在する」と付け加えた。

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