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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第78号】1/21付資料

2015年01月26日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第78号/2015121

 

◆国連と赤新月社の人道援助物資がホムスに到着

国連報道官は121、記者団に対し、国連とシリア・アラブ赤新月社のトラック10台が1月20日、ホムスのワエル地区に到着し、残る7万5,000人分の救援物資を届けたことを明らかにしました。この援助車両はこれまで、1月15日、18日の2回にわたり、同地区に物資を提供しています。1月15日に判明したニーズに直接対応するため、今回は当初から予定されていた物資に加え、ベビーミルク743箱も供給されています。国連は2014年11月から、ワエル地区に援助を提供できない状態が続いていました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp

 

◆国連、中東で寒波に襲われた避難民への援助資金増額を要求

特に弱い立場にある避難民とって、中東の寒波が厳しさを増す中で、ヤクブ・エル・ヒロ国連シリア常駐人道調整官は国際社会に対し、援助努力への寛大な支援を訴えました。「4年に及ぶ危機を受け、人々の対処能力は限界に達しており、ニーズは増大の一途をたどっています。国際社会はこれまで、寛大な支援を行ってきましたが、ニーズの増大には対応できていません」。調整官は1月16日、このように語りました。エル・ヒロ調整官によると、冬季の人道対応資金の不足に対処するためには、さらに7,000万米ドルが必要です。国連とパートナーは2014年10月、シリア国内の330万人を対象に総額2億600万米ドルの越冬支援計画を立ち上げました。国連とシリア・アラブ赤新月社、NGOは、この計画の一環として、毛布、冬着、燃料、現金を含む越冬用物資をシリア全土の数十万人に配給しています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.unocha.org/top-stories/all-stories/syria-millions-risk-winter-tightens-its-grip

 

◆シリアでの最近のポリオ症例報告から121日で1

国連世界保健機関(WHO)は121の声明で、過去12カ月間、シリアで新たなポリオの症例は報告されていないことを明らかにしました。「この大きな成果は、2013年10月に初の症例が報告され、同月から一連の集中的予防接種活動がスタートして以来、ポリオ発生への対応に懸命に取り組んできた人々による努力の賜物です」。WHOはこのように指摘しました。

今回のポリオ発生まで、シリアでは1999年以来、野生株ポリオウィルスへの感染の症例は認められていませんでした。内戦はシリアの公衆衛生に壊滅的な影響を及ぼし、予防接種率も99%から52%へと落ち込みました。紛争とともにイラクへと飛び火したポリオウィルスによって、2014年4月末までに麻痺に陥った子どもは、シリアで36人、イラクで2人に上っています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.polioeradication.org/mediaroom/newsstories/One-Year-Since-the-Last-Case-of-Polio-In-Syria/tabid/526/news/1192/Default.aspx#

 

◆国連特使、シリアを40年逆戻りさせた紛争の解決に向け、さらなる取り組みを要求

シリアに「壊滅的被害を及ぼしている紛争」が4年目に入る中で、国連事務総長シリア担当特使115、この戦闘の継続が、同国を40年前に逆戻りさせる「恥辱」にあたると述べました。「シリア全土の人々が常に、樽爆弾や迫撃砲、ロケット弾による攻撃、空爆、自動車爆弾、拉致、さらには法的に認められない殺害の恐怖におびえながら暮らしていることは、まさに悲劇というほかありません」。ステファン・デ・ミストゥーラ特使はこのように語っています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49806

 

◆エイモス調整官、人道援助要員が「困難極まる」状況に直面していると警告

国連緊急援助調整官は先週、外交問題協議会で行った講演で、劣悪なガバナンス、政治停滞、低開発、そして貧困と不平等の拡大に根差す危機による影響の増大にさらされながら、人道援助要員が困難極まる環境で活動せざるを得ない事態に追い込まれていることを明らかにしました。「人道分野で活動する組織が直面する課題は、国連全体が直面するさらに広範な課題を反映しています。」国連人道問題調整事務所(OCHA)の所長も兼ねるヴァレリー・エイモス調整官は、このように述べました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49800

-エイモス緊急援助調整官の声明は以下をご覧ください。

https://docs.unocha.org/sites/dms/Documents/USG%20Amos%20Sorensen%20lecture%20CFR%20NY%2013Jan2015%20as%20delivered.pdf

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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国連世界保健機関(WHO)は1月21日、過去12カ月間、シリアで新たなポリオの症例は報告されていないことを明らかにした。写真はザータリ難民キャンプで生活するシリア難民の女の子。小指の爪には、ポリオ・ワクチン接種済みを示す印がつけられている©UNICEF Jordan/Sharpe McConnell
中東の寒波が厳しさを増す中、特に弱い立場にある避難民にとって、越冬用物資は不可欠だ。ヤクブ・エル・ヒロ国連シリア常駐人道調整官は国際社会に対し、援助努力への寛大な支援を訴えた©UNHCR/A.McConnell