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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第73号】12/19付資料

2014年12月19日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第73号/20141219

 

◆事務総長、2015年にシリアの悪夢を終わらせる必要性を強調

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長1217、年末記者会見に臨み、「2015年は、私たちがシリアの悪夢を終わらせ、その他の憂慮すべき情勢の悪化を回避する年にしなければならない」と述べました。事務総長はこれを、2015年の4つの必須課題のひとつに掲げました。事務総長は、シリアで「激しい戦闘を経験してきた人々にとって、化学兵器の全面廃棄の実現は、ほとんど慰めになっていない」と語っています。

-年末記者会見の模様は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3767

 

◆安全保障理事会、シリアへの越境援助配給を1年間更新

国連安全保障理事会1217、20万人近くが犠牲となっている暴力の激化に憤りを表明するとともに、困窮したコミュニティに人道援助を届けられるよう、シリア国内の戦線と国境検問所数カ所を通過する経路の使用許可を12カ月間、更新しました。新たな決議を満場一致で可決した安保理は、シリアにおける人道状況の悪化と、1,220万人以上が救援物資を必要としている現状に「大きく動揺している」と述べました。この決議2165 (2014)により、国連機関とそのパートナーはさらに2016年1月10日まで、戦線と国境検問所4カ所(トルコ2カ所、イラク1カ所、ヨルダン1カ所)を通過するルートを用いて、シリアの民間人に人道援助を届けられるようになります。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49632+

 

◆国連、シリア危機対応のための人道計画立ち上げへ

国連は1218、ドイツ連邦共和国の主宰によりベルリンで開催されるイベントで、シリア危機対応に向けた2件の資金供与アピールを発出します。シリア国内の人道対応を対象とする「2015年シリア戦略的対応計画」は、ヴァレリー・エイモス人道問題調整担当事務次長  国連緊急援助調整官によって立ち上げられる予定です。一方、レバノン、トルコ、ヨルダン、イラク、エジプトのシリア難民と受入れコミュニティに対する支援を対象とする「2015‐2016年地域難民強靭性計画」の立ち上げは、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官(UNHCR)とジナ・カサール国連開発計画(UNDP)副総裁が担当します。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/spokesperson/highlights/index.asp?HighD=12/12/2014&d_month=12&d_year=2014

 

◆「戦争の中にもルールあり」エイモス事務次長、安保理にシリア民間人の保護執行を要求

ヴァレリー・エイモス国連人道問題担当事務次長 国連緊急援助調整官1215、安全保障理事会に対し、シリア紛争が4年目を迎えようとする中で、民間人がさらに残虐な蛮行の標的になっていると警告しました。1カ月足らずのうちに安保理で2度目の報告を行ったエイモス事務次長は、理事国15カ国の代表団に対し、安保理決議2139に謳われているシリア民間人の不可侵性に関する「強い要望」が「聞き入れられていない」として、これを想起するよう求めました。エイモス事務次長は、シリアの各地で「暴力が激化し、民間人が死亡、重傷、心理的トラウマ、継続的かつ反復的な避難、財産やインフラに対する甚大な被害といった形で、大きな代償を払い続けている」と説明しました。

-エイモス事務次長の安保理報告は以下をご覧ください。

https://docs.unocha.org/sites/dms/Documents/15%20December%202014%20USG%20SecCo%20statement%20on%20Syria.pdf

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49614

 

◆エリアソン副事務総長、レバノンで難民の影響への対応に「できる限り助力する」ことを約束

レバノンに逃れる難民が急増する中で、ヤン・エリアソン国連事務総長1215、シリアの悲劇的な紛争をレバノンの社会に飛び火させないよう「できる限り助力する」ことを約束しました。ベイルートで、レバノンのナビハ・ベリ国会議長と会談したエリアソン副事務総長は、今回の中東諸国歴訪が「極めて重大」な時期に行われたと語り、次のような所見を述べました。「私が2年前にこの地を訪れたとき、難民の数は15万人足らずでしたが、今ではその数がほぼ10倍に増えています。私たちは、これがレバノンの社会に加えている重圧を十分に理解しています」

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49610

 

WFP、募金により援助活動を確保、2015年にはさらに資金が必要

1216、10日間にわたる世界的な募金運動で8,800億ドルを集めた国連世界食糧計画(WFP)は、2014年12月分の資金が確保されたため、レバノン、ヨルダン、エジプト、トルコで暮らす難民170万人につき、電子式引換券を通じた食料援助提供の再開が可能になったことを明らかにしました。「WFPは12月、国内の425万人に対する援助を計画しています。11月に提供できた食料は、400万人分強でした」。エリザベス・バースWFP報道官は、ジュネーブでの記者会見でこのように述べています。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49621

 

◆国連特使、アレッポでの戦闘凍結についてEUに報告

ステファン・デ・ミストゥーラ国連シリア担当特使1214、ブリュッセルでの会合に出席し、アレッポでの戦闘凍結を進めるための最近の協議と会談に関する最新情報を提供しました。特使は現在、再び中東地域を訪れ、詰めの話し合いを行っているところです。一方、ラムジー・エゼルディン・ラムジー副特使は週末、ダマスカスに到着し、シリアの担当者と戦闘凍結について話し合いました。反体制派のシリア国民連合とも協議を行ったのかという質問に対し、報道官は次のように答えています。「デ・ミストゥーラ特使と副特使、その協力者は、全当事者に呼びかけを行っています。特使はトルコで、反体制派のメンバーにも呼びかけを行いました」

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/press/en/2014/db141215.doc.htm

 

UNESCO事務局長、シリアのテレビ・ジャーナリスト殺害を非難

イリーナ・ボコバ国連教育科学文化機関(UNESCO)事務局長は1215、シリア南部のダルーア県で先週、戦闘の報道中に死亡したシリア人ジャーナリスト3人の殺害に遺憾の意を表しました。「私は、ユセフ・マハムード・エルドゥス、ラミ・アデル・アルアスミ、サレム・アブドゥルラハマン・ハリールの3氏の殺害を非難します」。事務局長は、このように述べました。「私はシリアの悲劇的紛争の全当事者に対し、ジュネーブ条約に基づき、ジャーナリストの民間人としての地位を尊重するよう呼びかけます」

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49611

 

◆国連、「緊張が高まる前に」残虐犯罪の阻止に役立つツールを立ち上げ

ヤン・エリアソン副事務総長1211、一連のリスク要因と関連の指標を用いて、残虐犯罪の特定と防止を図る分析・リスク評価ツール「残虐犯罪分析枠組み」を発表しました。エリアソン副事務総長はその立ち上げに当たり、危機を予防し、ジェノサイドの危険にさらされた人々を保護する取り組みを強化する必要性が高まる中で、分析枠組みが、この極めて重要な目標達成に向けた一手段になると述べました。この枠組みは、国連ジェノサイド防止・保護の責任担当特別顧問室が開発したものです。「2014年は混乱と激動の年でした。私たちはイラク、シリア、中央アフリカ共和国、南スーダンをはじめとする多くの国々で、大規模な暴力と甚大な被害を目の当たりにしました」副事務総長はこのように語りました。「各国の間では、こうした危機の被災者を援助するため、重要な協力が進められています」

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49584

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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10日間にわたる世界的な募金運動で8,800億ドルを集めた国連世界食糧計画(WFP)は、2014年12月分の資金が確保されたため、レバノン、ヨルダン、エジプト、トルコで暮らす難民170万人につき、電子式引換券を通じた食料援助提供の再開が可能になったことを明らかにした© WFP/SandyMaroun
2014年を締めくくる記者会見にのぞんだ潘事務総長は、「2015年は、私たちがシリアの悪夢を終わらせ、その他の憂慮すべき情勢の悪化を回避する年にしなければならない」と述べた© UN Photo/Mark Garten
シリア南部のダルーア県で、戦闘の報道中に死亡したシリア人ジャーナリスト3人の殺害について、国連教育科学文化機関(UNESCO)のイリーナ・ボコバ事務局長は、「ジュネーブ条約に基づき、ジャーナリストの民間人としての地位を尊重する」よう呼びかけた©UNESCO/Danica Bijeljac
ヤン・エリアソン副事務総長は12月11日、一連のリスク要因と関連の指標を用いて、残虐犯罪の特定と防止を図る分析・リスク評価ツール「残虐犯罪分析枠組み」を発表した©UN Photo/Jean-Marc Ferré