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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第71号】12/5付資料

2014年12月06日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第71号/2014125

 

WFP、シリア難民向けの資金を募る72時間のメディア・キャンペーンを開始

国連食糧計画(WFP)は123、シリア難民向けの資金6,400万米ドルを募るため、72時間にわたるソーシャルメディア・キャンペーンをスタートさせました。このキャンペーンでは、一般の人々に対し、WFPの食料援助引換券の購入資金として1米ドルを寄付するとともに、ツイッターやフェイスブックのプロフィール写真を、キャンペーンに対する1ドルの寄付を示すバッジと取り換えるようお願いしています。「わずか1ドルでも、世界を変えることはできます。私たちは人々に対し、『あなたにとってはたった1ドルでも、それが生命線となる人がいる』ということを伝えています。必要なのは、6,400万人から1ドルずつ集めることなのですから」。アーサリン・カズンWFP事務局長は、記者声明でこのように述べています。

WFPは2日前、資金不足により、170万人を超えるシリア難民にとって不可欠な食料引換券プログラムの中断を余儀なくされたことを発表していますが、今回のキャンペーンは、これを受けて実施されたものです。カズン事務局長は寄付の呼びかけにあたり、WFPの食料援助が中断すれば、シリア難民の健康と安全が危険にさらされるだけでなく、近隣の受入国でも緊張や情勢不安、治安の悪化が進むことになると警告しました。この食料援助プログラムでは、ヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、エジプトのシリア難民が電子引換券を利用し、現地の店舗で食料を購入しています。WFPは、12月中に新たな資金が集まれば、直ちに食料援助プログラムを再開するとしています。

-詳しくはWFPのプレスリリースをご覧ください。

http://www.wfp.org/news/news-release/64-million-people-its-dollar-17-million-syrian-refugees-its-lifeline

-WFPのソーシャルメディア・キャンペーンはこちらから。

http://www.wfp.org/forsyrianrefugees

-食料引換券プログラムの中断に関するWFPのプレスリリースはこちらから。

http://www.wfp.org/news/news-release/wfp-forced-suspend-syrian-refugee-food-assistance-warns-terrible-impact-winter-nea

 

アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官も、WFPの資金不足に対する懸念を表明し、同機関に対する緊急支援を国際社会に呼びかけました。グテーレス高等弁務官は121日、「今回の事態は最悪の時期に生じた」と述べ、次のように強調しました。「冬はシリア難民にとって、ただでさえ極めて困難な季節であるうえに、この大事な時期に食料援助が中断してしまえば、壊滅的な影響が及ぶことになります。最も弱い立場に置かれ、ほぼ国際援助のみを頼りに暮らす難民数万世帯が苦しむことは必至です」

-詳しくはUNHCRのプレスリリースをご覧ください。

http://www.unhcr.org/547c7e039.html

 

UNESCO事務局長、「文化保護区」の創設を要求

123、パリの国連教育科学文化機関(UNESCO)本部で開かれたイラクとシリアの文化遺産と文化的多様性に対する脅威に関する会議で、イリーナ・ボコバUNESCO事務局長は、両国の世界遺産周辺に「文化保護区」を設けるよう求めました。脅威にさらされた世界遺産のうち、手始めに保護を検討しうるものとして、ボコバ事務局長はシリアのアレッポ市にあるウマイヤド・モスクを挙げました。「狂信と闘うためには、憎悪に対する防御としての教育を補強し、集団的アイデンティティの形成を助ける遺産を保護する必要もあります」。ボコバ事務局長はこのように述べ、危機を軍事力だけで解決することはできないことを改めて確認しました。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も会議にメッセージを送り、シリアとイラクにおける人道援助と平和構築に向けた取り組みの中心に文化的多様性を据えるよう求めるUNESCOの呼びかけを支持するとともに、「文化遺産の保護は安全保障上の義務でもある」ことを強調しました。

-詳しくはUNESCOのプレスリリースをご覧ください。

http://www.unesco.org/new/en/media-services/single-view/news/unesco_conference_calls_for_protected_cultural_zones_to_be_established_syria_and_iraq/

 

UNRWA、シリアを逃れたパレスチナ難民の子どもに学校用品を支給

新学年(2014‐2015年度)を迎えたレバノンでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が、チレの女子小学校で、シリアを逃れたパレスチナ難民の生徒たちに「新学年用品」のキットを配給しました。UNRWAはプレスリリースを発表し、欧州連合と国連児童基金(UNICEF)からの資金提供により、今年はレバノンのパレスチナ難民の子ども3万8,000人以上がキットを受け取ったことを明らかにしました。

-詳しくはUNRWAのプレスリリースをご覧ください。

http://www.unrwa.org/newsroom/press-releases/eu-unicef-and-unrwa-back-school-kits-palestine-refugee-students-syria-and

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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パリの国連教育科学文化機関(UNESCO)本部で開かれたイラクとシリアの文化遺産と文化的多様性に対する脅威に関する会議で、イリーナ・ボコバUNESCO事務局長は、両国の世界遺産周辺に「文化保護区」を設けるよう求めた© UNESCO
国連食糧計画(WFP)は12月3日、シリア難民向けの資金6,400万米ドルを募るため、72時間にわたるソーシャルメディア・キャンペーンをスタートさせた©WFP/Dina El Kassaby