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安全保障理事会、国連イラク支援団(UNAMI)を設置
統治評議会の樹立を「重要な一歩」と歓迎

プレスリリース 03/088-J 2003年09月05日

決議1500(2003)を賛成14、反対0、棄権1(シリア)で採択
 
 安全保障理事会(安保理)は8月14日、国連イラク支援団(United Nations Assistance Mission in Iraq = UNAMI)を設置するとともに、7月13日に25人からなるイラク統治評議会が設立されたことを、国際的に承認された代表政府樹立に向けた「重要な一歩」として歓迎しました。
 賛成14票とシリアの棄権で決議1500(2003)を採択した安保理は、イラク支援団に対し1年間、事務総長が決議1483(2003)による任務を果たし、国連の活動の地歩を固める援助を行う権限を与えました。UNAMIは300人を超える文民要員を擁し、事務総長特別代表室などから構成されますが、その全容は7月15日の事務総長報告で明らかにされています。
 安保理は決議1483の採択により、イラク国民が暫定当局と事務総長特別代表からの支援を得て、イラク暫定統治機構を結成することを支持しました。この暫定統治機構は、イラク国民により樹立される国際的に承認された代表政府が暫定当局の責任を引き継ぐまで、イラク人が運営する移行期の行政機構として機能することとされました。
 安保理では先月、統治評議会の代表が演説を行いました。その同じ会合で、事務総長のイラク担当特別代表のセルジオ・ビエイラ・デメロ氏も演説しています。
 票決を受け、米国代表は、8月14日の決議により、イラク国民が完全に政権を担う日が近づいたと述べました。統治評議会は7月22日の安保理での演説により、国際社会を前に、イラク国民に代わってその夢を伝え、これを実現するための計画を明らかにするという、重要な一歩を踏み出しました。安保理はきょう、この統治評議会のメッセージに共感し、幅広い人々を代表するパートナーとして、統治評議会と協力していく姿勢を明らかにしたのです。
 安保理議長のミハイル・ウェーベ氏(シリア)は、シリアとしての立場から、同国の棄権が、統治評議会の樹立はほんの始まりにすぎないとするアラブ諸国の立場を示すものだと述べました。統治評議会は、イラク社会の全体を代表し、イラク国民の期待を実現できる国民政府の樹立に道を開いたという理由で、信頼できる存在といえます。アラブ諸国はすべて、イラクの占領に終止符を打つとともに、明確で具体的な期限に従い、できるだけ早く合法的な政府を樹立することが必要と考えています。
 安保理理事国数カ国が表明した気持ちを代弁し、ウェーベ氏は、協議過程で、選出された評議会メンバーが案文に対する意見を述べられなかったことを遺憾としました。同氏は、案文が「問答無用」の形で押し付けられたものだとした上で、今後は、すべての評議会メンバーが政策決定に参加できるような、より透明性のある協議過程を期待すると述べました。
 票決を受けて、フランス、英国、パキスタン、スペイン、メキシコ、ロシア連邦および中国の代表も発言を行いました。会合は午後1時41分に開会、午後2時22分に閉会しました。
 
背景
 
 安保理が検討した事務総長報告(文書S/2003/715)は、決議1483(2003)の実施に際してどのような課題があるかを予め評価し、提案されている国連イラク支援団(UNAMI)の構成と責任を示すものでした。
 5月22日の決議1483(2003)で、安保理は国連に対し、様々な活動部門において、イラク国民の対話と合意の形成を促進する権限を与えていました。事務総長報告によれば、イラクでの国連の課題は、イラク国民による目標達成を援助する上で、有意義かつ効果的な方法を見出すことです。そのねらいは、イラクの将来を形作ることになる政策と優先課題の決定に、イラク人自身が当事者意識をもって参加するのを助けることにあります。
 報告によれば、提案されているUNAMIは、事務総長特別代表室、事務総長特別副代表・駐イラク人道調整官室、政策・企画室と翻訳班を擁するチーフ・オブ・スタッフ室、政治問題室、人権・法治室、法務室、および、広報・メディア開発室から構成されることになります。
 人道問題室は機能上、特別代表室の下に置かれますが、2003年末までは、人道問題調整事務所の傘下に留まることになります。同様に、世界銀行代表と国際通貨基金(IMF)のメンバー1人も特別代表室に属するものの、それぞれの派遣機関との連携を保つことになります。UNAMIは行政部の支援を受けることになります。行政部は主要な行政・後方支援統括責任と、5ヵ所に置かれる地域事務所の治安と運営の責任を担います。
 事務総長の特別代表に幅広い責任が集中していることから、UNAMIの文民要員は総勢で300人を超えることになります。この数には、バグダッドおよび各地域で実質的活動と支援活動に従事する国際職員および現地職員の両方が含まれています。この職員規模の拡大は、人道調整官事務所の解散により(行政面でも後方支援面でも自立した活動を行うために)、必要となったものです。
 UNAMIは、イラクの熟練労働力を活用し、その多くを国内専門官として採用することから、国際職員の数は総数の半分以下に抑えられる予定です。また、国連本部あるいは外部から、必要に応じ、イラク人と米英暫定当局に助言と経験を提供するため、適切な専門家を緊急に募る必要も出てくるでしょう。このような専門家の手配は、選挙プロセスに関する調査活動で行われる可能性があります。しかし、国連がこの分野でより具体的な役割を担うとしたら、新たに選挙実施班を設ける必要があるでしょう。
 考え方として、人道調整官事務所と人道調整官自身という既存の能力と機構を最大限に活用しようとするものです。事実、事務総長は人道調整官のラミロ・ロペス・ダ・シルバ氏を同時に、国連国別チームの駐在調整官(国連の機関、基金および計画の調整役)とイラク担当特別副代表にも任命しています。同氏と彼のスタッフは、UNAMIの職員に含まれることになっています。しかし、人道調整官事務所のその他の部分については、「石油食糧交換」プログラムの段階的廃止期限である2003年11月21日、および、修正された人道アピール期間が終わる2003年12月31日まで、現行の取り決めによる構成と資金調達を維持することになります。
 開発・再建活動は2004年の開始が期待されていますが、緊急人道援助段階はそれまで継続されない予定です。事務総長特別代表は、開発と再建の分野で調整を図る役割を与えられているため、引き続き適切な支援機構が必要となります。
 安保理はまた、アンゴラ、ブルガリア、カメルーン、チリ、ギニア、スペイン、英国および米国の共同提案による決議案(文書S/2003/812)の審議を行いました。決議案の文面は以下のとおりです。
「安全保障理事会は、
 これまでの関連決議、特に2003年5月22日の決議1483(2003)を想起し、
 イラクの主権と領土不可侵性を再確認し、
 また、決議1483(2003)の関連パラグラフに定められた、イラクにおける国連のきわめて重要な役割も再確認し、
 2003年7月15日の事務総長報告(S/2003/715)を検討した上で、

  1. 2003年7月13日にイラク国民を幅広く代表する統治評議会が設置されたことを、イラク国民による、イラクの主権を行使する国際的に承認された代表政府の樹立に向けた重要な一歩として歓迎する。
  2. 事務総長が、2003年7月15日の同人の報告に定められた機構と責任に従い、初めの12カ月間、決議1483によるその任務を全うすることを支援するため、国連イラク支援団を設置することを決定する。
  3. この問題を引き続き審議することを決定する。」
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