本文へスキップします。

  • プリント

ここから本文です。

コフィー・アナン国連事務総長、
水と衛生に関する諮問委員会を設置

プレスリリース 04/025-J 2004年03月25日

~橋本龍太郎元総理を委員長に任命~

コフィー・アナン国連事務総長は今年の「世界水の日(3月22日)」にあたり、「水と衛生に関する諮問委員会(Advisory Board on Water and Sanitation)」の設置を発表しました。世界中の人々は貧困を根絶し、持続可能な開発を達成しようと望んでいますが、諮問委員会は、その上で中心的な存在となる水の問題について、グローバルな対応を強化することを目的としています。

日本の橋本龍太郎元総理は、諮問委員会の委員長を務めることに同意しました。諮問委員会にはその他、幅広い有識者や技術専門家をはじめ、人々の意識を高め、政府を動かし、メディア、民間企業および市民社会との協力を図る上で経験豊富な方々が委員として参加しています(下記参照)。

アナン事務総長は諮問委員会に対し、委員の独特の専門知識を活かして、水と衛生の問題に対する意識の向上、水・衛生設備プロジェクトの資金調達支援、および、新たなパートナーシップの促進を図るよう求めました。

◇諮問委員会メンバー
諮問委員会は次のメンバーからなっています。近日、他のメンバーも発表される予定です。

マハムード・アブ・ゼイド氏 : エジプト・アラブ共和国灌漑・水資源大臣
ミシェル・カムデシュ氏 : フランス共和国アフリカ担当大統領特別代表
フアニータ・カスターニョ氏 : 元コロンビア外務次官
ウッシ・アイド氏 : ドイツ連邦経済協力・開発省政務次官
アンヘル・グリア氏 : 元メキシコ財務大臣
橋本龍太郎氏 : 元総理大臣
ロニー・カスリルス氏 : 南アフリカ水問題・森林大臣
オリビア・ラ=オカスティーヨ氏 : フィリピン汚染防止円卓会議議長
エリック・オダダ氏 : ナイロビ大学地質学部長
ジェラール・ペイヤン氏 : スエズ副社長
ジュディス・リース氏 : ロンドン大学経済・政治学部副部長
クリスティー・トッド・ウイットマン氏 :元米国環境保護庁長官
ピーター・ウォイク氏 : 国際金融公社(ワシントンDC)副総裁

 

◇背景
各国首脳は2000年のミレニアム・サミットで、物理的あるいは金銭的理由により安全な飲み水を利用できない人々の割合を2015年までに半減させることを約束しました。また、公平なアクセスと十分な供給を促進する水管理戦略の策定により、水資源の持続不可能な利用に歯止めをかけることも約束されました。

2002年にはヨハネスブルクの「持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)」で、基本的衛生設備を利用できない人々の割合を2015年までに半減する、という同様の目標が採択されました。この目標により、衛生設備へのアクセスは、貧困根絶への取り組みにおいて中心的な位置を占めることになりました。

世界の指導者たちはまた、2005年までに総合的な水資源管理計画と水効率計画を策定することでも合意しています。

安全な飲み水を利用できない人々は11億人に、また、基礎的な衛生設備のない人々は24億人に上ると見られます。つまり、水に関する「ミレニアム開発目標(MDGs)」を達成するには、毎日27万ヵ所に水道をつながなければなりません。衛生設備については、その倍以上のペースでの設置が必要です。「世界水の日」に寄せるメッセージで、アナン事務総長は、世界の深刻な水問題への国際社会の対応は称賛すべきものの、そのほとんどは不十分だとした上で、「これまでのやり方から大きく飛躍することが急務だ」と語っています。