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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第62号】10/3付資料

2014年10月03日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第62号/2014103

◆人道問題担当事務次長:国連がシリアで援助提供を続けるためには、緊急に資金が必要

ヴァレリー・エイモス国連人道問題担当事務次長930、安全保障理事会に対し、シリアの人々が日常的に避難や窮乏を余儀なくされる状況が続いていることを明らかにしました。「この2週間、『イスラム国』の部隊がアレッポ北部に侵攻したため、数日間で16万人以上がトルコに逃れています」。エイモス事務総長は、安保理に対するブリーフィングでこのように述べるとともに、国連は危険に直面しながらも、数百万人に必要な援助を提供し続けていることを指摘しました。「世界食糧計画(WFP)とそのパートナーは先月、410万人に援助物資を届けました」。事務次長はこう述べる一方で、一層の資金援助が不可欠となっている現状も強調しました。「追加的資金がない場合、WFPは2カ月以内に活動の全面停止を強いられることになるでしょう。できる限り多くの人々を引き続き援助するため、すでに配給割当量の削減が始まっています。近隣諸国も、数百万人の難民受け入れを続けるための支援を緊急に必要としています」。事務次長はこのように語っています。

-エイモス事務次長による安保理報告の全文は以下をご覧ください。

https://docs.unocha.org/sites/dms/Documents/30%20Sept%2014%20USG%20Syria%20Sec%20Council.pdf

 

◆事務総長、強制避難を防止するための取り組み強化を呼びかけ

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長101、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)年次執行委員会で次のように発言しました。「国連史上、これほど多くの難民や国内避難民、亡命者が生じた時期はありません。国連がこれほど多くの人々に、緊急食料援助その他の救命物資の支給を要請されたことも、今までありませんでした」。そして、事務総長はこう付け加えました。「イラクとシリアでは、日ごとに蛮行が激化し、中東地域全体に破壊的な波及効果が広がっています」。事務総長は国際社会に対し、強制避難を防ぎ、その根本的原因に取り組み、その被害者の救済策を支援するよう強く促すとともに、そのためにはさらに多くの資源と政治的リーダーシップが必要となることを指摘しました。

-事務総長による発言の全文は以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/infocus/sgspeeches/statments_full.asp?statID=2382#.VC49jfl_uVN

 

UNHCR:グローバルな人道援助資金の確保には、根本的な思考変革が必要

同じくUNHCR執行理事会で発言したアントニオ・グテーレス難民高等弁務官は、中東やアフリカで新たな危機が生じる一方、他地域でも紛争が続く中で、グローバルな人道援助システムの能力が危険な限界に達していると警告しました。そして、ニーズの増大に見合う人道援助資金が確保できていない現状を考えれば、人道援助と開発援助の資金に対する考え方を根本的に変える必要があると述べました。グテーレス高等弁務官はシリアについても触れ、次のように述べました。「同国の情勢は、人道援助主体の資源、専門知識、能力を越える膨大なニーズが生じる中で、私たちの活動のやり方を緊急に適応させる必要性をはっきりと示しています」

-グテーレス難民高等弁務官による発言の全文は以下をご覧ください。

http://www.unhcr.org/542a6e6e9.html

 

OPCW国連合同査察団が作業を完了

シリアの化学兵器廃棄に関する化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団930、その任務を全うし、活動を終了しました。アフメット・ウズムジュOPCW事務局長は記者声明の中で、合同査察団が演じた役割を称賛するとともに、並々ならぬ手腕とリーダーシップを発揮したシグリッド・カーグ特別調整官に感謝の意を示しました。「合同査察団の作業は、シリアの化学兵器全廃に向けた国際的な取り組みの成功に欠かせない要素となりました。国際機関間の実務的協力が軍縮面で具体的な成果を達成できることを実証する優れた例といえます」。事務局長はこのように述べました。

OPCWは今後も引き続き、化学兵器生産施設の破壊や、シリアによる当初の申告における不明点の解明に取り組んでいきますが、OPCWのシリアでの活動に対する後方支援は、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)が提供することになります。

事務総長は、合同査察団の活動に関する最新報告書を安全保障理事会に提出する書簡で、決議2118(2013)の実施に向けた斡旋活動を継続することを明らかにしました。この関連で、事務総長はカーグ特別調整官に対し、シリア政府や関連主体との全般的な調整、連絡面での補佐役を務めるよう要請しました。

-詳しくは OPCWのプレスリリースをご覧ください。

http://www.opcw.org/news/article/opcw-un-joint-mission-draws-to-a-close/

-事務総長が安全保障理事会に提出した書簡は以下をご覧ください。

http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2014/706

 

WHO、イドリブ県での子どもの死亡に関する調査の中間結果を発表

世界保健機関(WHO)は927、シリア北部のイドリブ県で15人の子どもが死亡した事故を調査した結果、はしか/風疹ワクチンの希釈剤として筋弛緩剤のアトラクリウムを誤って用いたことが死因となった公算が高いとの結論を明らかにしました。はしか/風疹ワクチン自体または希釈剤の誤用がこの悲劇の原因だったことを示す証拠は得られていません。WHOによると、イドリブ県のワクチン配給拠点のうちの1カ所で準備され、はしか対策キャンペーン2日目に4つの予防接種チームに配給されたワクチン・パックに、アトラクリウムのアンプルが誤って封入されていました。WHOは、シリアではしかとポリオの感染リスクが極めて高い状態が続いていることを強調しつつ、保健活動のパートナーに対し、予防接種に対する信頼を回復するとともに、すべての子どもに対する予防接種を確保するよう強く促しました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/statement-regarding-interim-findings-who-assessment-deaths-children

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

化学兵器禁止機関・国連合同査察団(OPCW-UN):

http://opcw.unmissions.org

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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シリアの化学兵器廃棄に関する化学兵器禁止機関(OPCW)・国連合同査察団は9月30日、その任務を全うし、活動を終了した。ウズムジュOPCW事務局長は、合同査察団を率いたシグリッド・カーグ特別調整官【写真】に感謝の意を示した©UN Photo/Loey Felipe
エイモス人道問題担当事務次長は9月30日、安全保障理事会で報告を行い、国連がシリアで援助提供を続けるためには緊急に資金が必要であると述べた©UN Photo/Kim Haughton
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