国連平和維持要員の国際デー(5月29日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
プレスリリース 25-032-J 2025年05月28日
国連平和維持要員たちは、揺るぎない勇気を持って危険な場所に足を踏み入れます。保護を必要とする人々を守り、平和を維持し、世界で最も困難な状況において希望を取り戻すために。
今日、私たちは彼らの奉仕に敬意を表します。
要員たちのレジリエンス(強靱性)、献身、勇気は、私たちに感銘を与えています。
そして私たちは、平和のために命という究極の犠牲を払ったすべての勇敢な女性たち、男性たちに哀悼の意を表します。
これまでに4,400人を超える平和維持要員たちが殉職しました。昨年だけでも57人に上ります。
私たちは決して、彼らを忘れません。そして彼らの活動を引継ぎ、前進させます。
今年の「国連平和維持要員の国際デー」は、「平和維持活動の未来」に焦点を当てます。
現在、平和維持要員たちは、複雑化する世界で、かつてないほど困難な状況に直面しています。
世界中で進む、分極化と分断。
テロリズムなど、多様な脅威により、一層危険さを増す活動。
致命的な誤情報を用いた平和維持要員の標的化。
気候危機から国際犯罪に至るまでの、国境を越える課題。
今後を見据える中で、要員たちが職務を遂行するために必要なものを確保することが不可欠です。
これは国連と加盟国の共有の責任です。
昨年国連で採択された「未来のための協定」には、変化する世界に平和維持活動を適応させるというコミットメントが盛り込まれています。
この課題は、機会でもあります。
平和維持活動を成功に導く要因を分析する機会。
平和維持活動を妨げるものをより理解する機会。
政治的解決に根差し、十分なリソースが充てられ、明確な出口戦略とともに実行可能なマンデートを持つ新たな未来志向モデルを設計する機会。
その第一歩として、平和活動の見直しが進められています。
そして私たちは共に、この重要な取り組みを前進させ続けます。
世界は今、これまで以上に国連を必要としています。そして国連には、今日の現実と明日の課題に十分に対応できる平和維持活動が必要なのです。