世界報道自由デー(5月3日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 25-026-J 2025年05月02日

紛争と分断に苦しめられている世界で、「世界報道自由デー」は、一つの基本的な真実を浮き彫りにしています。
人々の自由は、報道の自由にかかっています。
自由で独立したジャーナリズムは、欠かすことのできない公共財です。
それは、説明責任、正義、平等、人権を支える屋台骨です。
ジャーナリストはどこにいても、自由に、そして恐れや偏りなく、報道できなければなりません。
ジャーナリストが仕事をできなければ、私たち全員が損害を被るのです。
悲しいことに、その職務の遂行は年々困難になっています。
そして、より危険になっています。
ジャーナリストたちは、ただ自らの仕事をしているだけで、攻撃、拘束、検閲、威嚇、暴力、そして死にさえも直面します。
私たちは紛争地域、とりわけガザで殺害されているジャーナリストの数が急増しているのを目の当たりにしています。
そして今、今年の国際デーのテーマが私たちに思い起こさせるように、報道の自由がかつてない脅威に直面しています。
人工知能(AI)は、表現の自由を支援することもできれば、抑圧することもできます。
バイアスのかかったアルゴリズム、真っ赤な嘘、ヘイトスピーチは、情報スーパーハイウェイの中に埋められた地雷です。
正確で、検証可能で、事実に基づいた情報が、そうした地雷の信管を取り除く最良のツールなのです。
昨年採択された「グローバル・デジタル・コンパクト」には、デジタル空間における情報の誠実性、寛容、敬意を促進するための国際協力を強化させる具体的な措置が盛り込まれています。
AIは人権に合致すると共に、事実を最優先するように形成されなければなりません。
そして、私が昨年発表した「情報の誠実性のための国連グローバル原則」は、国連がより人間的な情報エコシステムを推進する中で、そうした活動を支援し、情報提供を行っています。
今年の「世界報道自由デー」にあたり、これらを実現し、あらゆる場所において報道の自由と報道関係者たちを守ることを決意しようではありませんか。
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