• プリント

世界人道サミットにおける 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長による閉会の辞、イスタンブール(トルコ)

2016年05月24日

この初のサミットで、私たちは新たな道を歩むことになりました。

それは終着点ではなく、転換点となるものです。

私は、ビジョンとアイデア、コミットメントとともに、イスタンブールに参集された皆様全員に感謝いたします。

政府、危機による被災者、非政府組織、民間セクター、国連機関、その他のパートナーは一体となって、「人道への課題」とその5つの「核となる責任」に対する支持を表明しました。

人々が尊厳と繁栄の中で暮らせるようにするとともに、昨年の持続可能な開発アジェンダと気候変動に関する画期的な合意に基づく約束を果たすためには、このアジェンダの履行が欠かせません。

人道支援と開発のパートナーは、強靭なコミュニティと安定した社会への投資により、人道的対応の必要性を低下させることをねらいとする、新たな活動方法に合意しました。

援助機関とドナー国政府は、現地と国内のレベルで、より多くの資源を必要とする人々の手によりそれらを届けるという「大取引(Grand Bargain)」に応じました。

そして各国政府は、紛争予防と平和構築への取り組みを強化し、国際人道法を堅持するとともに、国連憲章に謳われた理念を実現することを約束しました。

私は、すべての加盟国が最高レベルで、全世界の人道ニーズ削減に欠かせない政治解決に向けて取り組むことを期待します。

また、この2日間に皆様が立ち上げた多くの革新的なプロジェクトやイニシアティブに対し、お祝いを申し上げます。

私たちはともに、障害者を人道的政策決定の中心に据える画期的な憲章、危機に直面する若者に関するプラットフォーム、そして、緊急事態下で女性と女児の権利を擁護し、ジェンダーに基づく暴力から守るという約束を実現しました。

「後回しにしない教育(Education Cannot Wait)」基金は、教育のための世界経済界連合(Global Business Coalition for Education)から1億ドルの拠出誓約を受けて設立されました。

人道対策のためのイスラム金融手段(ソーシャルボンドと寄付基金)も発足しています。

私はきょう、今回のサミットでの実りある議論を反映する「議長サマリー」を発表します。これに続き、サミットで行われた約束を詳述する文書が出されますが、これもオンライン・プラットフォームに載せられる予定です。

私は9月、今回のサミットの成果について、国連総会に報告を行います。

私は、政府間プロセスや機関合同フォーラムその他のメカニズムを通じ、私たちの約束をさらに一歩進めるための方法も提案する予定です。

しっかりと責任を果たされた皆様に、お祝いを申し上げます。そして私は今回、私たちに加わる機会を逃した世界のリーダーを含め、あらゆる人々に対し今後、私たちが実施を進めてゆく「人道への課題」を尊重し、擁護するよう呼びかけます。

サミット期間中、私は危機の深刻な影響を受けている参加者の何人かとお話しさせていただきました。南スーダン紛争による被災者の方々、昨年のバヌアツのサイクロン被害ですべてを失った方々、そして、爆弾やロケット弾が飛び交う中、困窮した男女と子どものために人道援助物資を届けているシリアのNGO要員の方々です。極めて困難な状況にもかかわらず、こうした人々はそれぞれのコミュニティの支援に全力を尽くしています。

皆さんこそ、本物の人道の英雄です。私は皆さんの勇気とレジリエンスに敬意を表します。

世界人道サミットは皆さん、そして、全世界で危機に見舞われている人々とコミュニティに対する約束を果たさねばなりません。

私たちはともに、人間を第一に考え、その安全を確保し、尊厳を擁護し、よりよい未来の可能性を提供してゆきます。

ありがとうございました。