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世界薬物報告 要旨

2006年02月08日

第一章:世界薬物市場の動向

1.1 ダイナミックな世界の薬物市場
1.1.1 いかに薬物問題は発達しているのか?
世界における薬物乱用の度合いはいかほどか、またそれはどのように変化しているのか?

 およそ2億人の人々、世界の人口のうち15歳から64歳の年齢層の人々5%が過去12ヶ月に1回は薬物を使用したことがある。これは、昨年の見積もりより1500万人増えてはいるものの、依然として合法精神活性物質の使用に比べると著しく少ない(また一般の成人人口のうち30%は喫煙し、約半数が飲酒している)世界中の大麻使用者の数は、1億6000万人に近く、これは15歳から64歳までの年齢層の人口の4%に相当する。ATS(アンフェタミン系覚醒剤)の使用者のうち2600万人がアンフェタミンを、800万がエクスタシーを使用していると見積もられており、昨年の世界薬物報告書(WDR)によるものより低いも若干低い数字を示している。これは東南アジア(特にタイ)におけるメタンフェタミンの乱用率の減少、そして北米(特にアメリカ合衆国)におけるエクスタシーの使用率の減少を反映している。アヘンの乱用者数は1600万人に僅かに増大したと見積もられており、(うち1100万人がヘロインを乱用)主にアジアでのアヘンの乱用の増加を受けている。世界のその他ほとんどの地域においては、大幅な変化は見られていない。コカインの乱用者数は1400万人にも昇り、若干の増加が見られる。

 予想された通り、世界的規模で依然問題となっている薬物は、アヘン(特にヘロイン)、次いでコカインである。ヨーロッパやアジアの多くの国々で、アヘンは依然大きな問題となっている薬物であり、2003年における全ての治療需要の62%を占める。南米では、薬物関連の治療の需要は引き続き大部分が、コカインの乱用(全ての治療需要の59%を占める)と関わっている。アフリカでは過去にも見られたように、全ての薬物治療需要の大半を大麻が占めており、64%にも上っている。

 また、近年に確立された傾向からも、いくつかの重要な変化が窺える。

  • 大麻中毒の治療への需要は、北米、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、そして南米で1990年代以降増加している。
  • コカイン中毒の治療への需要は、北米で減少傾向にあり、ヨーロッパでは増加している。
  • オセアニアでのアヘン中毒全体の治療への需要は、2001年のオーストラリアでのヘロイン不足の結果が遅れて出てきたということもあり、減少傾向にある。
  • ATS(アンフェタミン系覚醒剤)中毒の治療への需要はアジア、ヨーロッパ、北米とアフリカで増加している。

 国連加盟国はそれぞれの薬物状況の進展に対する見解を5段階評価(大幅増加、いくらかの増加、大きな変化なし、いくらかの減少、大幅減少)で表し、UNODC(国連薬物犯罪オフィス)に提出している。これらの回答の分析は、地球規模での薬物消費量が依然として拡大していることを示している。薬物消費量が上昇傾向にあると指摘される国々が、薬物の使用量が下降傾向にある国々の薬物消費量を上回り続けているものの、近年ではその割合が若干希望の持てる方向へと移動してきている。2000年には、報告した国々のうち53%の国々で薬物使用が増加したが、2003年には使用が増加した国々は44%へと減少した。同時に、薬物使用が減少している国々の割合は、2000年の21%から2003年には25%へと増加している。

 主な薬物の種類においては、具体的に薬物使用の傾向の指標が確立されている。指標群は監督官庁によって報告された傾向に基づいており、ある程度各国の薬物使用人口の大きさに影響されている。この手段はより大きな薬物乱用者人口を抱える国々に対して重要性を与えることになり、よって世界規模における全体的な傾向をより正確に反映する。手順の詳細は、方法論の項で説明される。2003年には、これらの指標群が(1)進行中である大麻使用率の増加、(2)アヘンやコカイン乱用の固定化を示すいくつかの徴候、そして(3)ATS(アンフェタミン系覚醒剤)使用の安定化、および減少を表している。過去10年間において、ATSの使用は最も増加し、大麻がそれに続いている。

 計95ヶ国が、2003年にUNODC(国連薬物犯罪オフィス)に薬物押収の件数を報告した。1985年から2003年の間に、押収件数は4倍にも増加した。2002年の一時的下落という例外を除き、ここ数年では薬物の押収件数は約130万件で横ばい状態になっている。このうち半数以上が大麻の押収であり、約4分の1がアヘンと関連しており、アンフェタミンは10%、コカインは7%程を占めている。

 過去10年間で最も著しい傾向として見られるのは、アンフェタミン系覚醒剤(ATS)の押収件数の増加である。しかし、2002年にタイでの覚醒剤の大掛かりな取締りの結果、ATS の押収件数が減ったため、この傾向は2003年に完全に覆されることになった。また、昨年のATS消費量は世界規模で減少したと見積もられており、押収件数の減少というのは、取締り執行状況の変化によるものだけではないであろう。

 対照的に、アヘンの押収件数は2003年に大幅に増加した。この傾向は、アフガニスタンのアヘン生産の再開を反映しており、それを受けてアフガニスタンを囲む国々での更なるアヘンの押収は増加している。1990年代前半以来、大麻押収件数は増加しており、押収件数の増加は、世界の消費増加に沿う形で、2002年と2003年におけるその他薬物の押収件数の増加を上回った。コカインにおいては、比較的安定した状態のままである。

 世界的な薬物生産の傾向としては、アヘンはやや安定しており、コカ(コカインの原材料)は減少、大麻は上昇傾向にある。また、ATSの生産量においては比較的減少の傾向が見られる。現在のところ、世界中で約196,000ヘクタールがアヘン栽培に、約158,000ヘクタールがコカ栽培に使用されている。

 1980年代の大きな生産増加のあと、1990年代前半からはアヘン生産量はおよそ4,000~5,000メートルトンで安定している。2003年の生産量は4,765メートルトン、2004年は、4,850メートルトンであった。違法薬物市場向けのアヘンの87%は、現在アフガニスタンで生産が行われ、この長期の傾向は、アフガニスタンにおいてアヘン生産が増加し続けているためだとされてきた。これにより、近年ミャンマーやラオス人民民主主義共和国より報告されたアヘン生産の大幅な減少が相殺されてしまっており、2004年度の世界の潜在的ヘロイン生産量は565メートルトンと見込まれている。

 潜在的コカイン生産は1990年代後半に頂点に達した(1996年に950メートルトン、1999年に925メートルトンであった)が、以来2003年には674メートルトンへと大幅に減少した。2004年にはコカイン生産は687メートルトンへとわずかに増加した。こうした生産量の増加傾向にも関わらず、全体の生産量は1999年に比べ26%低くなっている。近年におけるコカイン生産の潜在的な減少傾向は、主にコロンビアでの進展の結果であった。2004年のコカイン生産量の増加は、ペルー、ボリビア両国における強力なコカの葉の生産の為であったが、両国とも2004年の数年前にはすでに大規模なコカの葉の生産量削減に飛躍的な進展を見せており、1998年やその前年度に比べるとその生産量は低下している。

 2003年は大麻樹脂が7,000メートルトン以上、また、大麻草が40,000メートルトンより若干多く生産されたが、これは昨年刊行された大麻草の年間生産量の見積もりである約32,000メートルトンを上回った。2003年度の世界における合計では、アンフェタミンが計332メートルトン(メタンフェタミン覚醒剤、アンフェタミン覚醒剤)、そしてエクスタシーは90メートルトン生産されていた。

1.1.2 世界薬物市場の見通し

 アフガニスタンは、世界における主要なアヘン市場の規模や発展を決定づける存在であり、昨年と比較すると同国にとって状況はわずかながら良い方向に向かっている。2004年には大統領選挙が行われ、政府は次第に国やアヘンの取引に関わる者達の管理を徐々に強化してきている。2005年前半にUNODC(国連薬物犯罪オフィス)の指揮で行われた迅速評価では、2004年の記録と比較して2005年におけるアヘン耕作中の土地は減少したと示した。しかし、このアヘン栽培に利用される耕作地の縮小により、2004年度に観測された生産量が相殺されるかどうかかは定かではない。

 その間にも、この国での最近のアヘン収穫は今も尚、ヨーロッパやその他の地域における消費者の市場での需要を見出している。ヨーロッパの数カ国ではすでにヘロインの純度が上昇し始めており、これは供給が十分あり且つ増加していることを明確に示している。従って、中間地点での見通しは予想以上に前向きなものであるものの、本年度の幾つかの主な消費市場に問題が浮上することも推定される。

 現在、東南アジアでのアヘン生産は1996年に比べ78%低下しており、この小地域での生産高は2005年には更に低落するであろうと予測される。もし、この数年で見守られてきた生産の低下が継続されるならば、事実上東南アジアでの違法薬物栽培がこれから数年のうちに無くなるという可能性からも決して遠くないと考えられる。

 ボリビア、ペルー両地域でのコカ栽培に使われる土地の増加により、コカイン生産の低下という動向は2004年においては継続しなかった。これは、コカの生産を抑制するために著しく進展を遂げた両国にとっても厄介な、契機の喪失である。2%増加したという最終結果は、2004年においてはそれほど大きな問題ではなかった。しかし、これら2カ国で進行中の生産増加が、最終的にコカの葉供給を統制するに向け前進していた動きを弱めてしまうことも考えられる。これは重大事であり、国際社会にとっては違法薬物生産の代わりになる生計手段の政策を支援し、継続することが重要である。

 同時に、更なるコカイン市場の分散に伴う危険は継続している。過去10年間の間に、コカイン市場の恒常的な成長をすでに見てきたヨーロッパは特に脆弱である。いくつかの国々では安定化の兆候も見られるものの、その他の国々で消費量は増加し続けている。2003年には、ヨーロッパの14カ国が違法薬物の消費量の増加を、また10カ国が安定化を報告し、コカイン使用の減少を経験した国は一つもなかった。特に難関であるのは、クラック・コカイン(重曹を溶かした水溶液に粉末コカインを入れて沸騰させて作る純粋な固形コカインで、フリーベースの一種)の拡大を抑制することである:ヨーロッパの7カ国がクラック・コカイン消費の増加を、9カ国が安定段階にあることを報告し、2003年の時点で減少を確認した国はヨーロッパではやはり1つもなかった。

 大麻は、最も広範囲で生産されており、世界規模で不正取引・消費されている薬物である。全ての指標 – 生産量、摘発件数、消費量 – が、世界規模での市場は一層広がっていることを示している。当分の間この拡大が止まることを予測できる見込みはない。

 ATS市場の動向から読み取られる意図は複雑である。たとえ1990年代に見られたATS使用の大幅な増加傾向が新世紀に継続されることがなかったにせよ、今後、増加の可能性があることを無視してはならない。

1.2 アヘン、ヘロイン市場
1.2.1 生産

 世界におけるアヘンの生産に関して、留意すべき要因が二点挙げられる:アヘン栽培に使われている土地面積と、その作物が薬物に加工される割合である。アヘン栽培に使われた耕地面積が2003年に増加したが、悪天候により収穫量は少なく、それゆえに生産量は1990年代前半からほぼ横ばいである:2004年のアヘン生産量は約4850メートルトンで、これは565メートルトンのヘロインを生産できる量である。

 アヘン栽培のための耕地面積の増加は、アフガニスタン全域に渡っており、前例の無い131,000ヘクタールの土地がアヘン栽培に使われ、国の34の地域で栽培されている。幸運にも、世界のその他の主なヘロイン生産地域-東南アジア-における栽培は1998年以降減少している。2004年には、ミャンマーでのアヘン栽培に使われる土地が23%減少し、ラオス人民民主主義共和国でもアヘンの栽培は43%低下した。しかしこういった劇的な減少傾向はアフガニスタンでの栽培増加を相殺するには程遠く、結果として世界規模での栽培地域は前年比16%増加した。しかし、アフガニスタン、東南アジア両地域での収穫率は悪天候の影響を受けたため、全体のアヘン生産高は前年比で約2%の増加に留まった。

 当然のことながら価格は供給に反比例し、アフガニスタンのアヘン栽培従事者達は、彼らの生産物が前年比で生アヘン1キロあたり92米ドルと69%の減少を経験した。しかし、これでも1990年代後半の2~3倍高い時価である。これとは対照的に、東南アジアでのアヘン栽培者達は、これより高値を経験した:2003年以降、ミャンマーでは1キロあたり234米ドルで80%の増加、ラオスでは1キロあたり218米ドルで27%の増加が見られた。

1.2.2 不正取引

 2003年にはアヘンの押収量は3分の1増加し、最高記録である110メートルトンに達した。この結果を生産見積りと比較すると、法的処置はアヘン生産の4分の1に近くを阻止しているようである。最も著しい増加は、アフガニスタンと隣接する国々、特にパキスタン(34.7メートルトン)とイラン(26.1メートルトン)で見られた。これは、半分加工された生産物(ヘロインよりはむしろモルヒネやアヘン)が押収量の大部分を占めた点に反映されている。2003年のヨーロッパでは、13%減少した19.4メートルトンが押収された。

1.2.3 乱用

 世界中で、1060万人のヘロイン乱用者を含む1600万人がアヘンを使用しており、その他の薬物よりもアヘン乱用により多く(130万人)の人々が治療を受けている。ヨーロッパ、アジアでの薬物治療の60%を超える需要はアヘン乱用に関連している。2003年には、地球規模で使用の水準は安定していたものの、一部の増加はアフガニスタンにおける生産の増加と結びついていると考えられる。

1.3 コカ、コカイン市場
1.3.1 生産

 世界のコカインのほとんどは、わずか3カ国で生産されている:コロンビア(50%)、ペルー(32%)、そしてボリビア(15%)。2004年には、コロンビアにおけるコカの栽培が6,000ヘクタール減少し、これは、ペルー(14%増)とボリビア(17%増)の増加分よりも多い減少量であった。これは、世界的に見ると前年比で約3%の増加という結果に結びついたが、2000年の生産ピーク時よりは29%低くなっている。コカの葉の価格安定はペルーとボリビアのコカ栽培従事者達にとって、2004年におけるコカ栽培の増加を促す意欲となっていた。ペルーでのコカの葉の価格は1990年代半ばよりも倍の値となる1キロあたり2米ドルとなり、ボリビアでは更に高値の1キロあたり5米ドルとなった。

1.3.2 不法取引

 世界のコカイン押収量は、2003年には3分の1増加し495メートルトンという記録的なものとなった。この押収したコカインの半分以上が南米で生産されていた。生産量の見積もりに基づいて、また、純度を考慮するとこの数字は押収量が44%を示している。これは記録的な数字である。コロンビアのみでも146メートルトン、世界の29%にあたるコカインが押収された。奇妙なことに、ほとんどの主な薬物市場で価格は上昇するというよりむしろわずかに下落した傾向があった。北米のコカイン市場は減少しヨーロッパの市場は増加していると推測される。北米に密輸入されたほとんどのコカインは、メキシコやカリブ地域を通過しており、ヨーロッパの供給はスペインやオランダを通過する従来の経路に加え、アフリカを通過する経路も増えてきている。

1.3.3 乱用

 世界中には、1400万人のコカイン使用者がいると見積もられており、そのうち3分の2が南北アメリカに居住している。学校調査においては西ヨーロッパでの増加傾向を指摘しているが、数年に渡る大幅な増加ののち、地球規模のコカイン使用は安定したと見られている。

1.4 大麻市場
1.4.1 生産

 大麻の生産は増加し続け、2003年に40,000メートルトンを上回ったとも考えられている。大麻草の生産は非常に分散しており、ほとんどの国連加盟国が自国でもいくらかの大麻栽培が行われていると報告した。一方で大麻樹脂(ハシシ)の生産は、ヨーロッパで消費される大麻の80%を供給し、世界最大の大麻樹脂市場といえるモロッコに集中しているようである。2003年から2004年の間にモロッコで大麻栽培に使用された耕地は10%減少した。パキスタンとアフガニスタンもまた、国際市場に大麻樹脂を提供しており、地球規模の生産高は約7,000メートルトンに上る。

1.4.2 不正取引

 大麻は最も広く不正に取引されている薬物であり、押収量は2003年に5,845メートルトンと再び増加し、そのうち北米が58%、またアフリカが26%占めている。大麻樹脂の押収量も2003年には1,361メートルトンと過去最高押収量に達し、うち70%は西ヨーロッパで押収されたものであった。

1.4.3 乱用

 大麻は、他と比較にならないほど世界中で最も常用されている、街角で簡単に手に入る薬物である。2003年には、約1億6100万人の人々が大麻を使用していると見積もられ、これは15歳から64歳までの世界人口の4%に相当する。国連加盟国の専門家によると、回答した101カ国のうち、2003年度に大麻乱用は減少していると考える16%の国々よりも遥かに多い46%の国々が増加していると感じていた。学生の間の大麻使用については、アメリカやオーストラリアでは増加傾向は見られなかったが、ヨーロッパでは増加しているようであった。

1.5 ATS(アンフェタミン系覚醒剤)市場
1.5.1 生産

 世界のATS生産は、現在400メートルトンを越えており、そのうち4分の3はメタンフェタミンもしくはアンフェタミンであり、残り4分の1はエクスタシーが占めている。アンフェタミンの生産はヨーロッパに、メタンフェタミンは中国、ミャンマー、フィリピン、北米に、そしてエクスタシーの生産はオランダとベルギーに集中している。

1.5.2 不正取引

 数年の減少を経てATSの押収量は2003年に増加し、そのうちの最大量がタイ(計20%)、続いて中国(18%)、アメリカ(14%)、フィリピン(10%)、そしてイギリス、オランダ、オーストラリア(それぞれ6%)が名を連ねている。メタンフェタミンの押収量は、2003年に40%増加したが、これは2000年のピーク時に比べるとまだ40%少ない。タイ(6.5メートルトン)、中国(5.8メートルトン)、アメリカ(3.9メートルトン)、そしてフィリピン(3.1メートルトン)では2003年にメタンフェタミンの押収量が最も多く報告された。世界のアンフェタミンの押収量5.4(メートルトン)は1997/98年に報告された水準に戻り、2003年には22%増加した。アンフェタミンの押収量は引き続きヨーロッパに(90%以上)集中しており、特に西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ(79%)での押収量が特筆される。エクスタシーの押収量は、4.3メートルトンと、ピークの年である2002年よりも37%少ない。そのうち西ヨーロッパと中央ヨーロッパからは54%、オセアニアからは26%押収された。

1.5.3 乱用

 2003年には、2600万人の人々がメタンフェタミン、アンフェタミン、また関連する薬物を使用していたと推定され、エクスタシーを使用していた人々は790万人と推定される。アヘンの次にATSはアジアにおいて問題視されている薬物であり、国によっては治療の需要への貢献の面でヘロインを上回った。世界のほぼ3分の2がアンフェタミン、メタンフェタミン使用者は、アジアに居住しており、その多くは東アジアと東南アジアに居住しているメタンフェタミン使用者である。エクスタシー使用の広まりはオセアニア地域で最も高く(3.1%)、次いで西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ(0.9%)、そして北アメリカ(0.8%)の順となっている。

出典:(2005World Drug Report,Executive Summary)