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「国連水の日」(3月22日)に寄せて

1999年03月22日

コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

 確実、安全かつ十分な水へのアクセスは、全人類の生存、福祉、社会経済開発にとって根本的な要件の一つです。私達は、水があたかも無尽蔵の資源であるかのように振る舞い続けていますが、これは間違いです。水は、実に貴重な資源です。私達は、水なしでは生きていくことができません。それに代わる資源はないのです。また、水は、量的にも質的にも人間の活動に大きく影響される、繊細なものです。それぞれの地域で使用する量、そして、その用途は、すべて私達にかかっています。

 人間の陸上活動は、水不足と水質汚染の大きな原因となっています。農業開発、都市化および工業化の弊害は最も大きく、水管理における重点も当然、そこに置かなければなりません。文字どおり、あるいは比喩的な意味においても、水は流動的な資源です。ある流域内のひとつの場所での行為が、別の場所における人間の水利用に大きく影響する可能性があるのです。私達は、「他の人々が、下流に住んでいる」ことを認識しなければなりません。

 さらに複数の国が水資源を共有する場合、効果的な水管理は一層困難になります。各国にとって、それぞれの水の取り分について合意をはかることは、必ずしも容易ではないのです。しかし、いずれの国も、紛争を回避し、すべての人々が依存する死活的な資源を保全することに、共通の利益を有しています。衡平性と持続可能性を合言葉にしなくてはなりません。

 世界において、水不足は今後、さらに深刻化していくでしょう。特に開発途上国では、深刻な問題となるでしょうが、これらの国々において、水不足は通常、錯綜する社会経済問題の一要素に過ぎません。

 私達は今日、水をあまりにも当然のこととして考え過ぎています。あたかも無尽蔵であるかのように、蛇口や井戸から自由に水を取り出せる幸運な立場にいる人々は、この貴重な資源の真価を認識する必要があります。さもなければ他の多くの天然資源と同様、水は価格のついた商品となり、私達はそのとき、はじめて水の希少価値を思い知らされるということになりかねません。