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コフィー・アナン事務総長メッセージ
「世界の子どもの日」(11月20日)に寄せて

プレスリリース 99/201 1999年11月22日

世界的な児童の権利の実現を要請

 10年前に採択されて以来、「児童の権利に関する条約」は、20世紀で最も広く、かつ迅速に批准された人権条約となりました。そのほぼ普遍的な批准は、世界の子どもたちだけでなく、人類全体にとっても大きな勝利です。児童の権利は平和および開発の問題と分けて考えられないほど密接に結びついているため、その実現は、年齢に関係なく、すべての人間の生活条件を改善することができるのです。
 そうは言いながらも、児童の権利の普遍的実現を妨げる大きな障害がまだ残っています。言うは易く行うは難いのが現状です。その第一の障害である貧困は、もっとも致命的な障害でもあり、児童のもっとも基本的な権利を危険にさらしています。栄養不良の子どもたち、安全でない工場で働かされたり、路上に置き去りにされたりして学校に通えない子どもたち、性的搾取に遭っている子どもたち。これらいずれかの問題がそれぞれ混乱をもたらすよりも先に、まずそこにあるのが貧困なのです。児童の諸権利に上下関係を付けることはできませんが、開発に対する権利の重要性は、いくら強調しても足りないでしょう。
 その他の障害、つまり闘わなければならないものとしては、武力紛争、エイズ蔓延、性的搾取および薬物密売があげられます。私たちすべてに担うべき役割があります。国連としては、これまで半世紀以上にわたり、世界でもっとも社会的に弱かったり、恵まれなかったり、疎外されていたりする人々の生活水準の向上を助けるため、重点的な努力を行ってきました。今年の「世界の子どもの日」に当たり、差別なしにすべての人々の尊厳と価値を謳った国連憲章の精神に基づいて行動し、条約がどこにいようと誰であろうと、すべての児童に認めている基本的権利を促進、保護しようという私たちの公約を再確認しようではありませんか。