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国際薬物乱用・不正取引防止デー(6月26日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 01/51-J 2001年06月26日

 貧富を問わず、薬物乱用の惨禍を逃れている国はありません。世界人口の3-4%にあたる人々は、日常的に不正毒物を消費し、破壊的な影響を受けているものと見られます。

 不正な薬物の需要削減をさらに重視する必要があります。私たちの戦略は、特に薬物の密売者や仲間からの圧力に弱い若者に、より焦点を絞ったものとすべきです。薬物を摂取するライフスタイルに替わる選択肢を推進するためには、市民団体、企業、教員、医師および親を含め、コミュニティ全体が、若者の生活に興味を示し、若者の関心事を把握しなければなりません。このことはその他の必要性とともに、1998年に開催された薬物に関する国連特別総会が採択した「薬物需要削減の指導原則」にはっきりと示されています。

 今年の国際薬物乱用防止デーのテーマは、プラスの変革をもたらす上でのスポーツの偉大な力を認識し、「薬物に対抗するスポーツ」となっています。薬物乱用が心身を破壊するのに対し、スポーツはこれをより強靭かつ健康にします。薬物乱用がやる気をなくさせるのに対し、スポーツには卓越性を求めた努力が必要です。薬物乱用が人間関係を脅かすのに対し、スポーツは参加を可能にします。また、薬物乱用が漫然とした生活に付け込むのに対し、スポーツは若者に焦点と構造性を与えます。

 その名前、地位および時間によって予防キャンペーンを支援するプロスポーツ選手が世界中で増えていますが、中には国連親善大使を務めている方々もいます。私はこれらスポーツ選手に敬意を表します。私たちに共通の目標は、自らの身体を大切にし、その感性を磨き、薬物乱用とは無縁の実りある生活を築き上げるよう若者たちに促すことです。この目標達成に向け、私はこれらスポーツ界の方々およびすべての薬物乱用防止キャンペーン関係者と一丸となって努力してゆきたいと考えています。