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協同組合の国際デー(7月5日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 03/060-J 2003年07月05日

協同組合運動は、市民社会の中でも最大級の組織を擁する部門であり、人間の幅広い希望と必要性に応える上で、大変大きな役割を演じています。協同組合はきわめて重要な健康、住宅および金融サービスを提供し、教育と男女平等を促進し、環境と労働者の権利を保護します。これら、および、その他幅広い活動を通じ、協同組合は100カ国以上の人々が自らとそのコミュニティの生活を改善する手助けを提供します。また、技能を備えた数億人の献身的組合員を擁し、国連システムとあらゆるレベルの政府の重要なパートナーとして、バランスの取れた基盤の広い経済・社会開発を達成する取組みも行っています。
 
 今年の協同組合の国際デーは、「開発を可能にする協同組合」をテーマとし、ミレニアム開発目標達成のためのグローバルな取組みに対する協同組合の貢献にスポットを当てています。これら目標の採択は、極端な貧困と飢餓という悲惨で非人間的な状況からすべての人々を解放するという国際社会の決意を示すものでした。このようなハイレベルの政治的支援は喜ばしく、かつ、必要なものであっても、進歩はひとりでに実現するものではなく、個人的・集団的活動の持続を通じてのみ達成できるものです。そのことを最もよく知っている存在のひとつが、協同組合です。
 
 国連システムは古くから協同組合運動を支持していますが、今後もこの支持は変わりません。総会は2001年、政府が協同組合設立に向けた法律面と政策面の環境整備を行うのを助け、協同組合自体がこうした変革を提唱および交渉するのを助けるための指針を採択しました。国連は協同組合運動の中央調整組織「協同組合推進・向上委員会」のメンバーとなっています。また、国連システムのプロジェクト活動には、村落の穀物銀行、灌漑整備および天然資源管理に関与するアフリカ・サヘル地域の協同組合に対する国際労働機関(ILO)の支援が含まれています。
 
 ミレニアム開発目標は希望的観測ではありません。目標の達成は確かに多難ですが、比較的短い期限を考えても、技術的に実現可能なものです。協同組合の国際デーにあたり、独自の貴重な貢献を行うための協同組合の取組みに対する私達の支援を再確認しようではありませんか。