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アフリカ工業化の日(11月20日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 03/117-J 2003年11月20日

今年の「アフリカ工業化の日」のテーマ「実効的な工業化と市場アクセスを通じたアフリカのグローバル経済への統合の加速」は、ミレニアム開発目標(MDGs)と「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)の目標達成に向けたアフリカの取り組みにおいて、工業化が果たす重要な役割を強調するものです。
 
 アフリカの産業にとっての「グローバル化」は、実効性と競争力の強化という問題に帰着します。これに取り組むためには、活発で安定的な経済、しっかりとした輸出基盤、着実な投資の流れ、そして何よりも政治の安定が必要です。実効性と競争力はそもそも企業レベルで高められるものですが、経済政策と産業政策の役割は死活的に重要です。政府には、インフラの整備、技術の向上、取引コストの削減、ガバナンス(統治)の強化、教育を受けた熟練労働力の育成など、企業と産業にとって好ましい環境を整備することにより、比較優位を育ててゆく能力と義務があります。技能、人材、技術および知識の活用は自然にできることではありません。国内的にも国際的にも、綿密に策定された政策と組織的な支援が必要となります。
 
 工業化は生産性を高め、雇用を創出し、リスクを軽減し、貧困層の所得を作り出す資産を拡充し、輸出の多様化を促進するなど、貧困の軽減に多くの貴重な貢献ができます。国際貿易は工業化に伴うべき重要な要素です。貿易は産業の成長の源である一方で、産業の成長は一国の貿易能力の向上を促すからです。アフリカ諸国は、原材料と半加工品の輸出、および、従来からの原材料と単純労働力における比較優位に過度に依存するという、古くからの貿易パターンからの脱却を図る必要があります。製品の高付加価値化と特化をさらに重視すれば、成果が現れるでしょう。しかし、このようなアプローチを成功させるためには、市場アクセスが欠かせません。私は今一度、貧困国が国際貿易システムで公正な競争を行い、貿易によって貧困を脱出する能力を損なっている補助金や関税の撤廃を呼びかけたいと思います。
 
 アフリカ工業化の日にあたり、私は、実効的な工業化と市場アクセスを通じ、アフリカのグローバル経済への統合を力強く推進するという、国連工業開発機関をはじめとした国連ファミリーの決意を改めて確認いたします。