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ミレニアム開発目標報告2014、発表:2015年末までに、さらに多くのミレニアム開発目標達成の見通しも

プレスリリース 14-040-J 2014年07月07日

多くのMDG目標が達成され、資金援助が記録的水準に達する中、
残る目標の達成には成果を活用し、利用可能な解決策を駆使したラストスパートが必要

参考資料:MDGs報告2014(PPT)

 ニューヨーク、2014年7月7日 – ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた世界的、地域的、国内的、局地的な取り組みにより、数百万人の生活が改善した。MDGsは次期グローバル開発アジェンダの基礎となるものである―潘基文(パン・ギムン)国連事務総長がきょう発表した新たな報告書は、このように指摘しています。

貧困の削減、改良飲料水源へのアクセス拡大、スラム住民の生活改善、小学校でのジェンダー平等の達成に関する具体的目標が多く達成される中で、『ミレニアム開発目標報告2014』は、2015年の期限までにさらに多くの目標が達成可能だとしています。現状のトレンドが続けば、世界はマラリア、結核、HIV治療へのアクセスに関する具体的目標を達成するだけでなく、飢餓の目標達成も射程内に入る見込みです。その他、技術へのアクセス、平均関税率の引き下げ、債務救済、女性の政治参加拡大などの目標についても、大きな前進が見られています。

包括的な公式統計に基づき作成されたMDG報告書は、全世界と地域のレベルですべての目標とターゲット(具体的目標)に関する最新動向を取りまとめたもので、追加的な国別統計もオンラインで提供しています。その結果を見ると、各国政府と国際社会、市民社会、民間セクターによるMDGsのターゲットの達成に向けた協調的な取り組みにより、人々が極度の貧困を脱出し、将来の見通しを改善させていることがわかります。

「ミレニアム開発目標(MDGs)は、人間の尊厳、平等、公平の原則を堅持し、世界を極度の貧困から解放するという約束でした」と潘事務総長は述べています。「8つの目標と一連の測定可能かつ期限付きのターゲットを掲げたMDGsは、現代の喫緊の開発課題に取り組むための青写真を作り上げたのです」

 

多様な形で救われる人の命

報告書によると、MDGs達成に向けた大きな前進は続いています。過去20年間で、子どもが5歳の誕生日を前に命を失う確率はほぼ半減しました。これによって毎日、1万7,000人の子どもの命が救われています。全世界の妊産婦死亡率は1990年から2013年にかけ、45%低下しました。HIV感染者を対象とする抗レトロウイルス療法により1995年以来、660万人の命が救われていますが、その対象を広げれば、さらに多くの人命を救える可能性があります。2000年から2012年にかけ、マラリア対策の急激な拡大により、330万人がこの病気による死亡を免れたと見られています。また、推計によれば1995年以来、結核対策によって2,200万人の命が救われています。

 

次期開発アジェンダの基盤としてのMDGs

MDGsの具体的目標が2015年末で期限を迎えることから、国連加盟国はこれに続くさらに幅広い一連の目標を検討しているところです。世界の指導者は2015年9月、この目標に合意するものと見られています。報告書は、次にどのような目標が設定されるにせよ、残りの1年間にMDGs達成に向けた前進を続けることが不可欠だとしています。

「加盟国は現在、普遍的なポスト2015年開発アジェンダの核心をなす持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)を定めるための議論に注力しているところです」と潘事務総長は述べています。「MDGs達成に向けた私たちの取り組みは、2015年以降の私たちの開発努力に向けた安定的な基盤を確立するうえで欠かせない礎石となります」

しかし、母子死亡率の引き下げや衛生施設へのアクセス改善など、すでに解決策があり、予防できる可能性が高い問題に関するターゲットの中には、大きな前進にもかかわらず、2015年までに達成できる目途が立っていないものもあります。報告書はすべてのステークホルダーに対し、前進が遅すぎるかまったく見られない分野を中心に、取り組みを強化するよう呼びかけています。

 

MDGsの達成度を高めるカギは、屋外排せつを終わらせること

1990年以来、23億人が改良飲料水源を利用できるようになりました。1990年以来、世界人口の4分の1が改良衛生施設を利用できるようになりましたが、それでも10億人が依然として屋外排せつを強いられています。屋外排せつを行っている人々の大多数にあたる82%は現在、人口の多い中所得国に暮らしています。衛生施設の不備を改善するためには、はるかに大がかりな取り組みと多額の投資が必要です。

 

女性と子どもの支援には、既知の解決策を用いた対応の加速が必要

2013年には全世界で、30万人近い女性が妊娠、出産に関連する原因によって命を落としています。しかし、妊産婦の死亡のほとんどは予防可能です。開発途上地域の妊婦の大半は少なくとも1回、熟練医療従事者の診察を受けていますが、出産前に推奨される4回の検診を受けている妊婦はその半数にすぎません。下痢や肺炎など、予防可能な病気が5歳未満の子どもの主な死因となっています。2012年の時点で、年齢に比して身長が低すぎる発育不良児は、5歳未満の子どもの25%を占めるものと見られます。1990年の40%に比べると大幅に低下しているとはいえ、幼児1億6,200万人が依然として、予防可能な慢性的な低栄養に苦しんでいることになります。

開発途上地域の子どもの90%は小学校に通っています。小学校就学年齢でありながら学校に通っていない5,800万人の子どものうち半分は、紛争地域に暮らしています。紛争地域の子ども、農村部貧困世帯の女児、障害を持つ子どもは就学できない可能性がより高くなります。高い中退率は依然として、普遍的初等教育を妨げる要因となっています。

 

援助額は記録を更新するも、最貧国に対する援助は減少

2年間にわたり減少を続けていた政府開発援助(ODA)は2013年、1,348億ドルと過去最高の水準に達しました。しかし、MDGsの達成が最も危ぶまれている最貧国からは、援助が遠のく傾向にあります。先進国による開発途上国からの輸入品の80%は、関税を免除されており、関税率も過去最低の水準にとどまっています。開発途上国の債務負担は輸出所得の約3%に留まっており、2000年の水準と比べると75%近く減少しています。

 

データを改善すれば成果も改善

報告書によると、近年の大幅な前進にもかかわらず、開発状況に関する信頼できる統計は多くの国で不十分な状態が続いていますが、MDGsに関する統計報告の改善は実質的な成果につながっています。例えば、HIV/エイズに関する進捗状況報告書を提出する加盟国の数は、2004年の102カ国から2012年には186カ国に増えています。これは世界的な取り組み強化の一因となりました。HIV対策プログラムへの資金供与は2004年から3倍以上に増え、2012年にはHIV感染者950万人が抗レトロウイルス治療を受けています。

『ミレニアム開発目標報告』は毎年、MDGsの達成に向けた世界と各地域の進捗状況を検証するもので、28を超える国連・国際機関が集計した最も包括的な最新データに基づき、国連経済社会局が作成しています。報告書作成に用いたデータはすべて、mdgs.un.org で閲覧できます。

 

さらに詳しい情報については、www.un.org/millenniumgoalsをご覧ください。

 

報道関係者お問い合わせ先

ニューヨーク:UN Department of Public Information

Wynne Boelt, boelt@un.org, +1 212 963 8264

 

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