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第68回国連総会議長ジョン・W・アッシュの来日について

プレスリリース 14-019-J 2014年03月26日

このたび、ジョン・W・アッシュ第68回国連総会議長が日本政府外務省の招聘により4月1日から4日まで来日し、岸田文雄外務大臣を含む政府要人らと意見交換を行う予定です。

アッシュ議長は、自らの議長という立場および第68回総会を通じ、国連加盟国や関連ステークホルダーに対して働きかけを行い、ポスト2015年開発アジェンダのための「土台作り」に尽力しています。国際社会のコンセンサスの形成を促進し、ポスト2015年の最終的な目標を確立するため、アッシュ議長とそのチームは、2014年上半期に一連のハイレベル会議とテーマ別討論の開催を予定しています。来日中の4月2日には、このポスト2015年開発アジェンダの土台作りをテーマに、東京・渋谷の国連大学にて講演を行います。

以下はアッシュ総会議長の略歴です。

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ジョン・W・アッシュ第68回国連総会議長

略 歴

2004年から、カリブの島国アンティグア・バーブーダの国連常駐代表と世界貿易機関(WTO)常駐代表を兼任していたジョン・W・アッシュは2013年6月14日、第68回国連総会議長に選出されました。

持続可能な開発を熱心に追求するアッシュは、気候変動の悪影響への対処と貧困の根絶を目指す国際的な取り組みを先頭に立って進めてきました。主要な国連の環境に関する諸協定の管理機関でもリーダーシップを発揮し、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)京都議定書のクリーン開発メカニズム理事会では、初代の議長を務めました。また、同条約の実施に関する補助機関(SBI)のほか、最近では、京都議定書の下での附属書I国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP)でも議長を務めました。「私たちが住むことのできる惑星は、この地球以外にありません。きちんとした状態で次の世代へと地球を引き継ぐためには、私たち全員がより安全、クリーンかつ公平な世界の追求に全力を尽くさねばならないのです」と述べ、自らの理念をまとめています。

アッシュ議長は、調停者としての手腕も高く評価されています。2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議(リオ+10)では、ヨハネスブルク実施計画第10章の採択に至る交渉の先頭に立ち、成功を収めたほか、2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)では共同議長として活躍しました。2004年には、国連持続可能な開発委員会第13会期の議長を務めました。この委員会は、経済成長を再考し、社会的公正を前進させ、環境保護を確保するための青写真として採択された「アジェンダ21」の実施に関するプログラムの審査を担当する機関です。

多国間プロセスで経験豊富なアッシュは2008年、国連システム内で最大の開発途上国連合である77カ国・中国グループのニューヨーク支部議長に選出されました。また、グローバル・サウスを構成する諸国間の開発協力強化を主眼とする国連の主要政策立案機関、総会南南協力ハイレベル委員会でも議長を務めました。

国連の運営・予算プロセスにも精通するアッシュは2004年、国連総会第5委員会の議長を務め、2006‐2007年度国連予算を成立させました。加えて、2010年には国連開発計画(UNDP)・国連人口基金(UNFPA)・国連プロジェクトサービス(UNOPS)機関執行理事会議長、2012年には国連児童基金(UNICEF)執行理事会議長など、国連の主要な基金や計画の執行機関でも活躍しています。

1989年にアンティグア・バーブーダの外務省に入省したアッシュは2007年、そのグローバルな外交的功績を認められ、英国女王エリザベス2世から聖マイケル・聖ジョージ勲章(CMG)を授与されました。

アッシュ議長は1954年8月20日、アンティグア・バーブーダのセントジョンズ生まれ。米国ペンシルベニア大学で生物工学博士号を取得。既婚で子ども2人。

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アッシュ第68回国連総会議長©UN Photo/Rick Bajornas