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エネルギー移行に不可欠な重要鉱物のバリュー・チェーン全体にわたる公平性、持続可能性、人権に取り組むパネルを国連が招集(2024年4月26日付プレスリリース・日本語訳)

プレスリリース 24-024-J 2024年05月08日

Graphic: UNEP / UNDGC

事務総長による主導のもと、グローバルな指導原則を通じて信頼の構築を目指す

ニューヨーク、2024年4月26日 — 再生可能エネルギー技術に不可欠な鉱物の需要は、かつてないほどに高まっています。そうした中、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、国連が持つ結集力を生かし、鉱物バリュー・チェーン全体にわたり政府やその他のステークホルダーを幅広く招集して、エネルギー移行における環境・社会基準の遵守と正義の定着に向けた、一連の世界共通の自主的な原則の策定を目指します。

新たに設立された「エネルギー移行のための重要鉱物に関するパネル(Panel on Critical Energy Transition Minerals)」は、南アフリカのノジフォ・ジョイス・ムチャカト=ディセコ大使とディッテ・ユール・ヨルゲンセン欧州委員会エネルギー総局長が共同議長を務め、公平性、透明性、投資、持続可能性、そして人権に関する問題を取り上げる予定です。

アントニオ・グテーレス事務総長は、パネルの立ち上げにあたり、次のように述べています。「再生可能エネルギーの電力が供給される世界は、重要鉱物を渇望する世界でもあります。重要鉱物は、開発途上国にとって、雇用を創出し、経済を多様化し、飛躍的に歳入を増やす重要な機会です。しかしそれは、鉱物が適切に管理される場合に限られます。排出量正味ゼロへの競争において、貧しい人々を虐げるようなことがあってはなりません。再生可能エネルギー革命が起こりつつありますが、私たちはそれを正義へと導かなければならないのです」

ムチャカト=ディセコ大使は、次のように語っています。「国連事務総長が本パネルを設立し、持続可能な開発と公正な移行に必要な重要鉱物やレアアースに関して多くの国々、特に開発途上国が指摘する『規範のギャップ』に対応しようとしていることは称賛に値します。持続可能な開発のための2030アジェンダ、国連気候変動枠組条約、そしてパリ協定に沿った本パネルの目的は、誰一人、そしていかなる場所も取り残さないようにしながら、重要鉱物の潜在力を活用して共通の繁栄を実現するための、信頼と確実性を構築することにあるのです」

ディッテ・ユール・ヨルゲンセン エネルギー総局長は、次のように述べています。「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で私たち全員が合意した世界のエネルギー目標を達成するには、再生可能エネルギーの世界的な生産・展開の迅速な拡大と、エネルギー移行のための重要鉱物が不可欠です。国連事務総長の要請によって本パネルの共同議長を務め、最高水準の持続可能性と人間開発基準の堅持しながら、世界全体にも地域のコミュニティーにとっても、バリュー・チェーン全体で公平かつ透明性のあるアプローチを確保するための原則の策定に貢献できることを光栄に思います」

地球温暖化を1.5℃に抑え、気候変動による最悪の影響を回避できるか否かは、銅、リチウム、ニッケル、コバルト、レアアース元素など、エネルギー移行に必要な重要鉱物を、十分に、信頼性をもって、手頃な価格で供給できるかどうかにかかっています。これらの鉱物は、風力タービンや太陽光パネル、電気自動車や蓄電池に至るまで、クリーンエネルギー技術に不可欠な要素なのです。

COP28において各国政府は、2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍にすることに合意しました。エネルギー移行に必要な重要鉱物の供給を大幅に拡大させる以外に、この目標を達成する道筋はありません。国際エネルギー機関(IEA)によると、2050年までに世界全体で二酸化炭素(CO2)排出量正味ゼロを実現する場合、クリーンエネルギー用途の鉱物の需要は、2030年までに3.5倍に増加する見通しです。

エネルギー移行に必要な重要鉱物の埋蔵量が多い開発途上国においては、経済を改革・多様化し、グリーン・ジョブを創出し、地域の持続可能な開発を促進する機会となります。しかし、これまでの鉱物資源の開発は、必ずしもこうした約束に応えられていません。適切な管理を欠くと、鉱物資源の資源需要の拡大は、鉱物依存の固定化や地政学的緊張の高まりをもたらす危険性があり、生計、環境、医療、人の安全保障や人権などの持続可能な開発に悪影響を及ぼすなど、環境・社会上の課題をもたらします。

責任ある公平で公正なバリュー・チェーンを確保するために、世界的に合意された指針の策定を求める開発途上国からの声に応じて国連が招集した本パネルには、各国政府、政府間機関・国際機関、産業界、市民社会が一堂に会し、信頼を構築し、公正な移行を導き、再生可能エネルギーへの迅速な移行を加速化させることを目指します。

本パネルは、国連の従来のイニシアチブ、特に「持続可能な開発のための採取産業の変革に関するワーキンググループ」とその主要イニシアチブである「持続可能な開発に向けたエネルギー移行に不可欠な重要鉱物の活用」に基づき、既存の基準やイニシアチブを活用して、これまでの取り組みを強化・統合していく予定です。

パネル委員の一覧:

政府・政府間機関

  1. アフリカ連合(AU)
  2. オーストラリア
  3. ボツワナ
  4. ブラジル
  5. チリ
  6. 中国
  7. コロンビア
  8. コンゴ民主共和国
  9. エジプト
  10. 欧州連合(EU)
  11. インド
  12. インドネシア
  13. 日本
  14. カザフスタン
  15. ナミビア
  16. 南アフリカ
  17. アラブ首長国連邦
  18. 英国
  19. 米国
  20. ベトナム
  21. ザンビア
  22. ジンバブエ

非国家主体

  1. 気候行動ネットワーク・インターナショナル
  2. 採取産業透明性イニシアティブ
  3. 責任ある鉱業保証のためのイニシアチブ
  4. 国際金属・鉱業評議会(ICMM)
  5. 国際エネルギー機関(IEA)
  6. 採掘・鉱物・金属鉱業及び持続可能な開発に関する政府間フォーラム
  7. インダストリオール・グローバルユニオン
  8. 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)
  9. 天然資源ガバナンス研究所
  10. 経済協力開発機構(OECD)
  11. 責任投資原則
  12. 国連先住民問題に関する常設フォーラム
  13. 気候変動に関する国連事務総長ユース諮問グループ
  14. 世界銀行

詳細については、以下のウェブページをご覧ください。
https://www.un.org/en/climatechange/critical-minerals

報道関係者のお問い合わせ先:

Tyrone Hall
Secretary-General’s Climate Action Team
tyrone.hall@un.org

Martina Donlon
Department of Global Communications
donlon@un.org

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原文(English)はこちらをご覧ください。