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海洋の3分の2以上における生物多様性の保全と持続可能な利用を目指す、歴史的な協定採択(2023年6月19日付プレスリリース・日本語訳)

プレスリリース 23-038-J  2023年07月19日

ニューヨーク、2023年6月19日 — 国連は本日、海洋の3分の2以上を占める、国家管轄権を超えた海域における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用の確保を目指す歴史的な協定をニューヨークにて採択しました。

「皆様は、新たな命と希望を注ぎ込むことで、海洋に可能性を与えたのです」アントニオ・グテーレス国連事務総長はこのように指摘し、協定の採択はマルチラテラリズム(多国間主義)の強さを示すものだとして称えました。「私たちの地球に対する国境を越える脅威に対抗すべく行動することで、グローバルな脅威にはグローバルな行動を取ること、そして各国が公共の利益のために一致団結できることを、明確に示すことになります」

海洋法に関する国際連合条約のレガシーを礎として打ち立てたこの画期的な協定は、海洋の3分の2以上における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用のための法的枠組みを大幅に強化するものです。同協定は、海洋とその資源の持続可能な開発を促進し、海洋が直面している多種多様な圧力に対処するために、と他のステークホルダーの部門横断的な協力に不可欠な枠組みを提供します。この協定を効果的かつ適時に実施することは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の海洋関連の目標とターゲットの達成に、決定的に寄与するでしょう。

今回の協定は、4つの重要課題に取り組んでいます。

この協定は、国家管轄権を超えた海域における海洋遺伝資源とそのデジタル配列情報に関する活動から生じる利益の公正・公平な分配の枠組みを構築し、こうした活動が人類全体に恩恵をもたらすようにします。

公海と国際海底区域における極めて重要な生息地と種を保全し、持続可能な形態で管理することを目的とした、海洋保護区を含めた海域ベースの管理ツールの整備が可能となります。こうした措置は、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で合意されている、2030年までに世界の陸域、内陸水域、海洋・沿岸域の少なくとも30%「30by30」の達成において非常に重要です。

国家管轄権を超えた区域における活動によって生じる環境負荷が、意思決定時に評価され、考慮されるようにします。また、国家管轄権を超えた区域における、活動の累積的な影響や、気候変動、海洋酸性化、その他の関連する事象の影響を評価する国際的な法的枠組みも初めて提供します。

すべての国が国家管轄権を超えた区域の海洋生物多様性を、責任を持って利用し、そこから恩恵を受ける機会が均等になるように、締約国、その中でも特に開発途上国による協定の目標達成を支援するため、(人材の)能力開発や海洋技術の技術移転での協力を促進します。

さらにこの協定は、国連海洋法条約および関連する法的文書・枠組み、世界的・地域的・準地域的な機関や団体との関係や、資金調達、紛争解決といった分野横断的な問題のいくつかにも対処します。また、締約国会議、科学・技術機関、締約国会議の他の補助機関、、事務局などの制度面の取り決めも定めています。

本協定は2023年9月20日(SDGサミット2023の翌日)から2年間にわたり、ニューヨークの国連本部。協定は、60カ国による批准を得て発効します。国連事務総長は、条約締約国会議の第1回会合を、発効から1年以内に発効から1年以内に招集するよう求められます。

グテーレス事務総長は、すべての国に対して、条約発効のためにいかなる努力も惜しまないよう要請し、可能な限り速やかに署名・批准すべく遅滞なく行動するよう求めました。「これは、海洋が直面している脅威に対処し、2030アジェンダ、昆明・モントリオール生物多様性枠組を含めた海洋関連の目標とターゲットを達成する上で極めて重要です」事務総長はこのように述べるとともに、その実現に向けて国々を支援する用意があることを表明しました。

批准と早期実施へ向かう道を開くには、国家、ステークホルダー、国連システムによる協調努力が必要です。こうした努力の調整と協力が、何よりも重要なのです。

会議ウェブサイト: www.un.org/bbnj

報道関係者のお問い合わせ先(ご要望に応じて取材可能):

国連グローバル・コミュニケーション局(UN DGC)
Francyne Harrigan
harriganf@un.org

国連グローバル・コミュニケーション局(UN DGC)
Sharon Birch
birchs@un.org

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原文(English)はこちらをご覧ください。

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