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世界人口が80億人に達する中、すべての人のための持続可能な開発を進めるため国連が連帯を呼びかけ(2022年11月15日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)

プレスリリース 22-070-J 2022年11月22日

~持続可能な開発目標(SDGs)を達成し、人権を実現し、「誰一人取り残さない」ことで、
私たちは80億人すべてが繁栄する世界を迎えることができる~

©UN DESA

 

ニューヨーク、11月15日 - 世界人口は2022年11月15日に80億人に達すると見込まれますが、これは公衆衛生が大きく改善されたことで死亡リスクが低下し、平均余命が延びたことを示しています。一方でこの節目は、人類が人口の「数」にだけ目を向けるのではなく、その先を見据え、最も脆弱な立場に置かれた人々をはじめ、人々と地球を守る共同責任を果たすことへの明快な呼びかけでもあります。

「世界中の持てる国と持たざる国の間に存在する大きな溝を埋めない限り、緊張や不信、危機、衝突に満ちた80億人が争う世界を迎えることになる」アントニオ・グテーレス国連事務総長は、このように述べました。

これまでになく人口統計学的に多様化した世界

世界人口は2080年代に104億人程度になるまで増え続けますが、全体的な増加率は低下しつつあります。世界はこれまでになく人口統計学的に多様化しており、各国は増加から減少まで、まったく異なる人口趨勢に直面しています。今日、世界人口の3分の2は、女性一人当たりの生涯出生率が2.1人を下回る低出生率の状況にあります。同時に人口増加は、世界の最貧国にますます集中しており、そのほとんどがサハラ以南アフリカの国々です。

こうした背景のもと、世界中のコミュニティーは、人口の増減に関わらず、すべての国がその国民に良好な生活の質(QOL)を提供できるように整え、最も置き去りにされている人々の境遇を引き上げ、エンパワーメントを実現できるようにしなければなりません。

国連人口基金(UNFPA)事務局長のナタリア・カネム博士は、次のように述べています。「人口80億人を抱える世界は、人類の一つの到達点であり、これは長寿化、貧困の減少、妊産婦と幼児死亡率の低下の成果だ。しかし、数字だけに目を奪われれば、私たちが直面している真の課題、すなわち進歩を平等かつ持続的に享受できる世界の確保から目を逸らすことになる。私たちは、サハラ以南アフリカの年齢中央値が17歳であるのに対し、欧州では41歳であるような世界において、一律の解決策に頼ることはできない。成功のためには、生殖に関する権利をあらゆる人口政策の中核に置き、人と地球に投資し、確かなデータに基づかなければならない」

人口、持続可能な開発、気候変動の間の複雑なつながり

80億人到達の日は、人類にとってのサクセス・ストーリーと言えますが、人口増加、貧困、気候変動、持続可能な開発目標(SDGs)の達成の、それぞれの間にあるつながりに懸念も生じています。人口増加と持続可能な開発の関係は複雑です。

急激な人口増加は、貧困の根絶、飢餓や栄養不良との闘い、保健・教育制度の普及をさらに困難にします。逆に、SDGs、とりわけ保健、教育、ジェンダー平等に関連する目標を達成することは、世界の人口増加の抑制に寄与します。

関連して、人口増加の鈍化が今後数十年にわたって維持されれば、環境悪化の緩和に役立つかもしれませんが、人口増加と温室効果ガス排出量の増加を同一視することは、消費量と排出量の割合が最も高い国々が、人口増加率がすでに低い、もしくはマイナスである国々であることを見逃すことになります。一方、世界の人口増加は、排出率が極めて低いながらも不相応な気候変動の影響を受ける可能性が高い、最貧国に集中しています。

国連の李軍華経済社会問題担当事務次長は、次のように述べています。「私たちは、SDGsを達成するだけでなく、パリ協定の目標を実現する取り組みも加速しなければならない。私たちは、化石燃料エネルギーへの過度な依存から経済活動を早急に切り離し、天然資源の利用効率を改善し、これを、最も取り残された人々を支援する公正で包摂的な移行にする必要がある」

権利と選択に基づいて構築される持続可能な未来の必要性

80億の人々すべてが繁栄できる世界を迎えるために、私たちは、人権を優先させつつ、世界の課題を緩和し、SDGsを達成する、実績ある効果的な解決策に目を向けなければなりません。これらの解決策を追求するためには、世界をより安全に、より持続可能に、より包摂的にする上で機能する政策やプログラムへの、加盟国とドナー国政府からの投資を増やす必要があります。

一目でわかる、重要な事実と数字

  • 世界人口が70億人から80億人に増加するまでにかかった年数は約12年だが、今後さらに10億人増えるには、世界的な成長鈍化を反映して約14.5年かかる(2037年)と見込まれている。世界人口は2080年代に約104億人でピークに達し、2100年までその水準を維持すると予測されている。
  • 70億人から80億人への人口増加の約70%が低所得国と低中所得国で起きた。今後新たに世界人口に加わる10億人(80億人から90億人)のうち、これら2グループの国々が90%以上を占めると予測される。
  • 今後2050年までの間に、世界で65歳未満の人口が増加するのはすべて低所得国と低中所得国となり、高所得国と高中所得国での人口増加は65歳以上人口でのみ起こる。

さらに詳しい情報については、https://www.un.org/en/dayof8billion をご覧ください。

報道関係者のお問い合わせ先:

Sharon Birch
United Nations
Department of Global Communications
birchs@un.org

Bela Hovy
United Nations
Department of Economic and Social Affairs
hovy@un.org

Zina Alam
UNFPA
zialam@unfpa.org

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