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太平洋地域のリーダーたち、国連事務総長と会談(共同プレスリリース、2022年9月23日)

プレスリリース 22-060-J 2022年10月11日

太平洋地域の首脳らは2022年9月23日、第77回国連総会ハイレベル・ウィークに合わせてアントニオ・グテーレス国連事務総長と会談し、ブルーパシフィック地域(太平洋島嶼国・地域)と国際社会にとって喫緊の問題について意見を交わしました。

会談の冒頭、太平洋諸島フォーラム(PIF)の議長を務めるフィジー共和国のジョサイア・V・バイニマラマ首相は、2022年7月に「振り返り、再出発、祝賀」をテーマとして開催された第51回PIFの会合を振り返りました。議長はこの中で、太平洋諸国の首脳らがPIFの新たな「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」のもと、ジェンダー平等、気候変動、海洋保護、核問題、テクノロジー、デジタル接続性をはじめ、同地域が直面している重要問題に対する行動を強化する約束をしたことを強調しました。

PIFのヘンリー・プナ事務局長は、2050年戦略は同地域の政治、開発、安全保障の未来を推進する長期的な青写真だと力説しました。また、国際的なパートナーに対し、ブルーパシフィック地域の団結した強さを認め、これを支援し、域内および国際協力を2050年戦略に沿ったものとするよう呼びかけました。

太平洋が気候緊急事態に直面する中、PIF首脳は、気候変動に関してエジプトのシャルム・エル・シェイクで開かれる国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で緊急行動を発表する必要性を議論しました。首脳らは、世界各国、とりわけ温室効果ガスを大量に排出する国の指導者に、2050年までの排出量正味ゼロ達成を早急に約束すること、強化した「自国が決定する貢献(NDC)」を提出すること、COP27までに気候変動対策資金の目標である1,000億ドルを拠出することを求めたほか、先進国に対しては、2025年までに適応資金を2019年の水準から倍増させ、それ以降は新たな気候変動対策資金全額の50%を適応に割り当てる約束を確実に果たすよう求めました。また、損失や損害に対する具体的な対策を講じる必要性も主張しました。PIF首脳はまた、バヌアツがPIFの承認を得て国連総会に提出した決議案についても概説しました。これは、気候変動の悪影響から現在と将来の世代の権利を保護する、国際法の下での国家の義務について、国際司法裁判所(ICJ)に勧告的意見を出することを求めるものです。

PIF首脳らは「海洋の年」としての2022年とその進展を振り返り、パラオでの「私たちの海洋」会議とリスボンでの国連海洋会議を中心に話し合いました。首脳らは、国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ文書)を保護し、持続可能なかたちで利用するための法的拘束力のある文書を採択するための政府間交渉をまとめ、生物多様性に関するCOP15を成功させるための決定を下すよう国際社会に要請しました。また、気候変動に関連した海面上昇に直面する海域の保全に関する画期的なPIF宣言についても議論し、同宣言を支持するよう他の国や地域に呼びかけました。首脳らは、ブルーパシフィック地域における核の遺産問題や、日本が100万トンを超えるALPS処理水を太平洋に放出する計画について懸念を表明しました。

世界経済の課題に関してPIF首脳らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済への前例のない規模の爪痕、気候変動による被害の頻発、そして食料・エネルギー価格の高騰と開発途上国の財政制約の増大に起因する世界的な生活費の危機にスポットを当てました。首脳らは、再生可能エネルギーに対する普遍的アクセスへの移行を加速させることを含め、復興に向けた革新的かつ団結した取り組みを模索することが緊急に必要であると強調しました。これには、債務への対処、柔軟な開発資金調達モデル、公共財政管理システムの強化、中小企業の輸送費支援、太平洋強靱性ファシリティへの出資が含まれます。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、気候危機と生物多様性の危機に対処し、海洋を保護するための緊急かつ強化されたグローバルな行動を提唱する太平洋地域のリーダーシップに賛辞を贈りました。また、COP27とCOP15を気候危機と生物多様性の危機に対する決定的な行動の時にする、という首脳らの呼びかけを支持し、世界的な経済ショックで困難に直面している太平洋の小島嶼開発途上国のような、脆弱な立場に置かれた国々との国際的な連帯を要請しました。事務総長は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施を含む、PIFと国連の協力を評価するとともに、「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」の実現に向けた、同地域に対する国連の全面的な連携と支援を約束しました。さらに事務総長は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを加速させ実現を目指す同地域に対し、包摂的な政策の強化、ジェンダー平等の推進、そして普遍的な人権の実現を呼びかけました。

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