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COVID-19のパンデミックが続く中、持続可能な復興に向けた道筋を描く国連ハイレベル・フォーラムが開催

プレスリリース 20-046-J 2020年07月07日

ニューヨーク、7 3 — 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の壊滅的影響が、数十年にわたる人々の生活の改善の前進を脅かすなか、各国は7月7日から16日にかけて、「持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」に集い、より健康で公平な世界に向けた最善の道筋を描きます。

国連経済社会理事会(ECOSOC)が招集する10日間にわたってバーチャルに実施される本フォーラムは、COVID-19による死者が全世界で50万人を超え、1,000万人以上の感染者が確認される中で開催されます。ウイルスによる重圧が増す中、各国の経済は崩壊し、失業率は急上昇し、医療システムは崩れ落ちつつあります。

約100人の政府代表のほか、ビジネスや金融界、市民社会の代表を含め総勢1,000人以上が参加し、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた進捗状況をレビューするために開催される最大の年次国連会合として、HLPFでは国内、多国間を問わず、コロナウイルス感染症の危機に対応し、持続可能な復興に向けたしっかりとした基盤を構築するための解決策を探ります。

「より良い復興」の必要性

「行動の加速と変革のための道:持続可能な開発に向けた行動と遂行の10年を実現するために(Accelerated action and transformative pathways: realizing the decade of action and delivery for sustainable development)」というテーマで開催される今回のフォーラムは、世界がいかにしてこのパンデミック(世界的大流行)に効果的に対応できるか、そして、より公平で持続可能な世界を築くために世界のリーダーが2015年に採択した青写真であるSDGsの達成に向けた取り組みを拡大することにより、いかにして「より良い復興」を実現できるかについて検討することになっています。

フォーラムの前日にあたる7月6日に、ECOSOCはその傘下にある専門的な諸組織および国連システムの参加を得て、SDGsに対するCOVID-19の影響と、より公正でより良く復興することを目指して前進するための道筋について分析します。また、フォーラム閉幕後の7月17日には、危機下でのグローバルな連帯と一新されたマルチラテラリズムに関するハイレベルな議論も予定されています。これは国連創設75周年に対するECOSOCの実質的な貢献となるイベントです。

「私たちが持続可能な開発目標と気候変動に関するパリ協定の実現に向け、もっと前進できていれば、医療システムはより強く、極度の貧困の中で暮らす人々はより少なく、ジェンダーの不平等はより小さく、自然環境はより健全に、そして社会はより強靭になっていたはずであり、それによって現在の課題へも、よりよく対応できていたはずです」アントニオ・グテーレス国連事務総長は、このように述べています。

「COVID-19のパンデミックは、私たちに国際協力の強化を求める警告だと言えます」モナ・ユールECOSOC議長はこう語ります。「協調的な多国間の対応、強い政治的リーダーシップ、そして最も脆弱な立場に置かれている人々とのグローバルな連帯がない限り、私たちの成功は望めません」

47カ国のレビュー

フォーラムでは、現状をレビューするとともに、何がうまく行っているのか、そしてSDGs達成に向けた前進を阻む障害がどこにあるのかを検討します。最初の1週間は、各国のコロナウイルス感染症の危機対策とより良い復興を支援できるテーマ別の行動と政策の議論に充てられます。フォーラムの最後には、閣僚宣言が採択される予定です。

今年は47カ国(うち26カ国は初めて)が「自発的国別レビュー(VNR)」を提出します。これは各国の「持続可能な開発目標」の達成に向けた活動の内容を取りまとめたもので、国際社会と経験を共有し、実施の取り組みを加速することを目的としています。47カ国が提出したレビューは、下記のウェブサイトで閲覧できます。

https://sustainabledevelopment.un.org/hlpf/2020#vnrs .

例えばモロッコは、再生可能エネルギーへの投資により、発電量全体の34%を再生可能エネルギーで賄うようになっています。フィンランドは、女性と女児の権利強化と、障害者の権利の推進で成果を上げています。リベリアでは2018年以来、教育部門のインターネット・アクセスが改善したほか、大学を含むあらゆる公立校で無償教育を実現しています。ネパールは、地方政府の女性議員の割合を約41%にまで引き上げたのに対し、パナマは、社会的正義と公平性、機会を促進することを目指す「ハチの巣戦略:貧困と不平等のないパナマ第6次フロンティア計画」を通じ、貧困根絶への取り組みをさらに進めています。

「持続可能な開発目標」の達成に向けた行動

各国は景気刺激策や減税、社会的保護措置の拡大を通じ、COVID-19の影響を軽減するための一時的な措置を講じていますが、長期的にはこれだけでは不十分です。「より良い復興」のためには、人間と地球の利益となるような、さらに持続可能な経済に向けたシステミックな移行が必要だからです。

今回の危機で、従来の政策や社会規範が揺さぶられている中、大胆なステップを踏めば、世界を「持続可能な開発目標」の実現へとつながる軌道に戻すことができます。

「持続可能な開発目標」を支援するSDGs加速化のアクションを最近になって立ち上げた国もあります。例えば、メキシコの社会的保護プログラムでは、女性の対象者を250万人増やすことを目指しています。英国は、アフリカで社会から隔絶された女児を対象に、5億1,500万ポンドの教育支援策を導入しました。アフガニスタンは、法律扶助プログラムを強化し、貧困層への質の高い刑事弁護サービスの提供を図っています。そしてインドは、2022年までに再生可能エネルギーを利用した175ギガワットの発電施設を整備する計画を建てています。

市民社会や民間セクターも行動を起こしています。例えば、ハイチ大学は、学生主導のイニシアチブにより、ポルトープランスに地域薬局の設置を目指しています。コンゴ民主共和国のカディワク家族財団は、障害者向けの包摂的起業を促進しており、これまでに障害を持つ若者650人に訓練を提供しています。そして「Business Ambition for 1.5 °C:私たちのたった一つの未来」イニシアチブには、全世界から250社近くの企業が加わっています。これまでに登録された150件を超えるSDGs加速化のアクションの一覧は、下記ウェブサイトでご覧になれます。

https://sustainabledevelopment.un.org/sdgactions

変革をもたらす解決策に関する特別イベント

フォーラムで発表される予定の新たなアクションは、COVID-19からの「より良い復興」と、SDGsの遂行に役立ちます。「より良い復興のためのSDGs加速化のアクション」イベント(7月14日)は、より良い社会の再建に向けて変革をもたらす解決策を披露することを目的とした、フォーラムで開かれるバーチャルなイベントの一つです。その他のイベントとしては、「SDGsのための最高サステナビリティ責任者」(7月14日)、「SDGs学習・訓練・実践能力構築ワークショップ」(7月7日~13日)、「持続可能な開発目標(SDGs)報告発表」(7月7日)、「目標6のグローバル加速枠組み発足」(7月9 日)、「2030アジェンダに関する地方・地域政府フォーラム」(7月13日)、「2020年世界食料・栄養白書発表」(7月13日)が挙げられます。

また、HLPF会期中には加盟国や国連システム、市民社会が204件のサイドイベントや展示会をバーチャルに開催する予定です。これと並行して、17のVNRラボも設けられ、自発的国別レビュー(VNR)プロセスに関する経験共有と熟考のための非公式プラットフォームの役割を果たします。さらに、バーチャルSDGメディア・ゾーンには、インフルエンサーやSDGs専門家その他の著名人が集まり、フォーラムで議論される重要なトピックについて、さらに掘り下げることになっています。

ハイレベル政治フォーラムについて

「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム」は、2015年9月に世界のリーダーが全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と17のSDGsについて政治的なリーダーシップや指針、提言を提供するための中心的なグローバル・フォーラムです。HLPFは、各国や市民社会、企業がSDGs達成に向けて行っている取り組みを明らかにし、アイデアとベストプラクティスを交換する機会となります。

フォーラムについてさらに詳しくは、https://sustainabledevelopment.un.org/hlpf/2020 をご覧ください。

*原文(English)はこちらをご覧ください。

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