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ミニ模擬国連、実施報告

2011年07月19日

国連広報センターは7月8日(午後5時~8時)、「ミニ模擬国連会議」を開催いたしました。

夕方とはいえ、夏のきつい日差しがまだ残るなか、この日集まったのは、前月8日の特別講座に参加し、模擬国連や国連文書/リサーチの仕方、国連と持続可能な開発の問題などについて、ともに集中講義を受けた学生の皆さん42人。ポリシー・ペーパーや決議案を作成するなど、一か月前に与えられた課題の提出を済ませ、国連大学本部ビルに再び集まった皆さんは、あらかじめ設定された「持続可能な開発:自然と調和した人間の進歩」という議題の下、国連総会を模擬して、それぞれ担当国を代表する外交官を見事に演じました。会議の終わりには、持続可能な開発の重要性をあらためて認識する決議の採択に成功し、前月の特別講座とあわせて、合計2日間(全体で6時間)に及ぶプログラムは無事、完了しました。

ここに、この日の熱気あふれる会議の様子を簡単にご報告します。

当日午後5時、模擬国連に初めて参加する学生の皆さんの緊張感が会場に漂う中、まずは国連広報センターの山下所長がご挨拶し、学生の皆さんを迎えます。山下所長は、先月の「特別講座」からこの日まで、準備期間が限られていたにもかかわらず、個人で、また、チームで集まって、入念に準備を進めてきた皆さんの努力を称賛するとともに、仁川(韓国)で来月開催されるグローバルMUNへの参加に意欲を燃やす皆さんに対し、あたたかい激励の言葉を送りました。

そのあと、いよいよ、この日、模擬国連総会で議長を務める、日本模擬国連の長川さんが高らかに開幕を宣言。会議が始まると、長川議長の呼びかけに応じ、まずは参加15か国のなかから、キューバとソロモンの大使が登壇して、自国の政策やその立場を強く訴えます。総会に出席する全メンバー国もこの2国に続いて演説し、持続可能な開発に関する各国の主張を行いました。

この段階で、各国の手元に配布された決議案には、互いの責任を問い正す先進国、途上国双方の強い非難調子の言葉が並んでいます。また、意味あいも表現もほとんど変わらない複数のパラグラフが、各国から提案されたままの状態で重複して盛り込まれています。

ここで、長川議長からの合図で、学生の皆さんがロール・プレーする各国の外交官たちは会場を所狭しと動き回りはじめます。他国の外交たちと活発に交渉を展開し、ほとんど立場の同じくする国と連合を組もうとしたり、まったく政策の異なる国と交渉を通じて、対立点を狭めようとしたりしながら、決議案に関する合意形成を図っています。この公式の演説と多国間の外交交渉は会議の間、何度も繰り返され、決議案の文言は、全会一致で採択できる内容へと徐々にまとめられていきました。

しかしながら、各国間で、グリーンエコノミーなどに関する文言に対立点が残り、一つの決議案にまとめるための調整はそれほど簡単ではなさそうです。そのなかで、日本の大使は頻繁に動議をだし、全会一致の決議採択をめざして、各国間の調整を引っ張っていこうと頑張っています。

ふと気づくと、環境保護と経済成長の観点から、自国の国益を考えると同時に、国際社会の利益にも思いを馳せながら、いろいろな立場の国との外交交渉に臨む学生の皆さんの姿にはもうすでに、模擬国連に今回初参加という雰囲気はありません。それどころか、他国の意見に耳を傾けて、着地点を見つけようと奮闘する姿には頼もしささえ感じられます。
  
さて、会議終了時刻が迫るなか、会場全体がにわかに忙しい雰囲気となります。総会議長の周りには、まとまりかけている決議案に依然、不満をもつ国々が集まっています。日本模擬国連から応援にかけつけ、事務局を運営するスタッフは、調整された決議案をコピーし、各国に配布しています。また、別のスタッフは、コンピューターを前にして、さらに提出される修正案の挿入に追われています。

最終の決議案が用意され、総会議長および各国代表団に配布されました。投票に移る前に、最後のスピーチの機会が与えられると、この決議案の全会一致での採択を呼びかけようと、ボリビア、ハンガリーの大使が登壇しています、それに呼応し、総会議長からも全会一致での決議採択の意義を訴えています。決議採択の行方はどうなるのか。会場場に不安と緊張が走ります。

いよいよ、議長から決議案の採択の手順が説明され、総会に出席する国々に対して、反対の有無を問いかけます。反対の声はあがりません。

緊張の糸が張りつめた会場に、「ここに総会決議MA/RES/65/2011を全会一致で採択します」と長川議長の声が響き渡りました。一瞬の静寂のあと、会場の皆さんから、大きな拍手が沸き起こりました。代表団のなかには、手を取り合って喜んでいる国もみえます。

そのあと出席国のなかから、会議終了の動議がだされ、総会閉幕を告げる総会議長の木槌が力強くたたかれると、3時間に及んだミニ模擬国連はようやく終了しました。木槌の音は代表団の拍手とともに、しばらくの間、会場場全体に反響していました。

会議の終了後、国連広報センターの山下所長は皆さんに対して、このミニ模擬国連会議の成功に心から祝福する言葉を送りました。そして、国連広報センターのスタッフからプログラム参加を証明する修了証が皆さんに手渡され、7月8日の特別講座とあわせて、合計2日間のミニ模擬国連プログラムは幕を閉じました。すべてが終わって、会場場を後にする皆さんには、ミニ模擬国連を見事にやり遂げた自信と、仁川への期待がみなぎっているようでした。

7月15日現在、ミニ模擬国連に参加した皆さんのほとんどがグローバルMUN(仁川)への参加を許可する通知を国連本部から受領し、航空チケットや宿泊予約、そしてリサーチなどの準備を進めています。

グローバルMUNは来月10日、開幕します。

修了証のコピー
採択された決議案