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北朝鮮:今こそ北朝鮮指導者たちの刑事的責任を追求しなければならない

プレスリリース 16-011-J 2016年01月22日

東京(2016年1月22日)朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の人権状況に関する国連特別報告者であるマルズキ・ダルスマン氏は本日、DPRKの人権状況改善のためのさらなる努力を続けるよう国際社会に対して呼びかけました。

国連人権理事会の独立専門家として最後の訪問を終えるマルズキ氏は、「DPRKに人権改善をうながす政治的圧力をかけ続けることに加え、今こそDPRK指導部の刑事的責任も追求されなければなりません。国連調査委員会の報告書が発行されておよそ2年になりますが、北朝鮮国内の実況はほとんど変わっていません」と述べました。

2016年7月に任期を終える特別報告者は、2014年に報告書を発行したDPRKにおける人権に関する国連の特別調査委員会委員でもありました。2010年に指名されてから、ダルスマン氏はDPRKに何度も訪問の要請を行いましたが、DPRK訪問は実現していません。日本、タイ、韓国を含む、アジア地域の他の国々へは積極的に訪問しました。

今回の訪問がDPRK政府による核実験直後になったことを受けて、特別報告者は「誠に遺憾ながら、国際社会に対する暴力とみなされる行為は、必然的にDPRKの人権状況に負の影響を及ぼします」と述べました。

「DPRKの人権状況を改善しようと国際社会が続けている努力が、そのような行為の陰に隠れてしまうからです」とも述べ、執行責任を追求する一方で、DPRKを人権に関する対話の場につかせるべく国際社会が一層努力することがこれまで以上に重要になったことを強調しました。

5日間の訪問期間中、ダルスマン氏は拉致被害者ご家族及び市民団体の代表者とも面会しました。また、外務大臣、拉致問題担当大臣を表敬したほか、外務省、内閣情報局、内閣拉致対策本部の高官及び国会議員とも面会し、法務省、最高裁、警察庁も訪問しました。 

「この問題の解決に向け取り組むことを二国間で合意してから2年近く経とうとしているのに、何らの進展もないことがとても残念です」と、特別報告者は強調しました。「DPRK政府には合意に対する公約を果たし、日本とDPRKの間に信頼を取り戻す努力を再開するよう強く求めます」

拉致被害者ご家族との面会及び拉致問題担当大臣表敬において特別報告者は、 当時のDPRK最高指導者であった金正日氏が、日本人の拉致にDPRKが関わっていたことを認めた事実について取り上げました。

「一度認めているからには、具体的かつ総括的にこの問題が解決されない限り、DPRK国家が依然として拉致に関与し、加担しているのではないかという疑念が湧くのも当然です」と述べました。「それゆえに私たちがとるべき道は明確です。私たちは、日本人だけでなく他国からの拉致被害者に関しても、最終的な解決を求めるという大義のために取り組んでいます」 

 特別報告者はまた、「強制失踪の一形態である拉致は継続して成立する犯罪であり、被害者の家族が最愛の人の所在を知らされるか、可能な場合は生存者が家族のもとへ戻されるまで、犯罪は終結しません」と言及しました。「拉致問題の解決は緊急を要します。被害者のご家族はすでにご高齢です」

さらに、 特別報告者は拉致問題は国際社会全体に影響があると強調し、「拉致問題の解決は信頼構築及び国際親善に向けた一歩となるでしょう。ここで行動を起こせずにいると、今後の取組にしかるべき信頼感を持って臨もうとする善意が削がれることになってしまいます」と述べました。

ダルスマン氏は、「信頼の問題は、国連憲章を遵守するという全ての国連加盟国に課された義務の核心に関わるものです。DPRKも他の加盟国と同じように、国連憲章及び国際人権法を守り、尊重する義務があります」と締めくくりました。

特別報告者は訪問の結果及び勧告を2016年の国連人権理事会総会で報告します。

終わり

 

マルズキ・ダルスマン氏(インドネシア)は2010年8月、国連人権理事会により朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の人権状況に関する特別報告者に任命されました。ダルスマン氏は特別報告者として、いかなる政府または組織からも独立し、個人としてその任務にあたっています。ダルスマン氏は、ベナジール・ブット元パキスタン首相暗殺に関する3名から成る国連調査委員会に加わったほか、スリランカに関する国連事務総長専門家パネルでは、議長を務めています。人権委員会は2013年3月、DPRKでの組織的、広範かつ深刻な人権侵害に関し調査、報告する3名から成る委員会のメンバーにもダルスマン氏を任命し、特別報告者と兼任させることにしました。詳しくは下記をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/SP/CountriesMandates/KP/Pages/SRDPRKorea.aspx

特別調査委員会の報告書: http://www.ohchr.org/en/hrbodies/hrc/coidprk/pages/commissioninquiryonhrindprk.aspx

国連人権高等弁務官事務所国別ウェブページ – DPRK: http://www.ohchr.org/EN/countries/AsiaRegion/Pages/KPIndex.aspx

国連人権高等弁務官ソウル事務所: http://seoul.ohchr.org/EN/Pages/HOME.aspx

さらに詳しい情報と取材に関する質問は、下記にお問い合わせください。

彼末由羽(かのすえ・ゆう)(+82 10 5134 7888/ ykanosue@ohchr.org)

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Xabier Celaya – Media Unit (+ 41 22 917 9383 / xcelaya@ohchr.org)  

 

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