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国連事務総長、災害に対するレジリエンスを高め、 開発を推進するためのグローバルな連帯を働きかけ(2015年3月14日、仙台)

2015年03月14日

2015年3月14日 – 死亡率を低下させ経済的損失を抑えようと災害リスクを管理する新たな枠組みに合意するため、世界の指導者が仙台に参集する中、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長はきょう、世界的なニーズの高まりに応えるためには、個人のエンパワーメントを図り、コミュニティを支援するとともに、約束に見合う資金を確保することが必要であることを力説しました。

潘事務総長は、第3回国連防災世界会議開会の辞で、「真のレジリエンスは、国々とコミュニティーの間の強い絆から生まれます。国連は統一的な行動計画により、こうした絆を強化する決意を固めています」と述べました。

事務総長は、各国政府と市民社会から数千人の参加が見込まれている今回の会議が、東北地方に壊滅的な被害を及ぼした震災の4周年が厳かに迎えられた数日後に、しかも猛烈なサイクロンが太平洋の小島嶼国バヌアツと周辺諸国を直撃する中で開会することに触れました。

3月18日(水曜日)まで開催される仙台会議のねらいは、10年前、兵庫で災害による損失を削減するために各部門と主体に要求される業務を詳細に定めた画期的な合意を、更新することにあります。

兵庫行動枠組(HFA)は、2005年1月、22万7,000人が犠牲になったインド洋津波による壊滅的な被害を受けて策定されましたが、それ以来、自然災害が最も多発するアジアで、直接的な被災者の数をほぼ10億人減少させるなど、いくつか重要な成果を生んできました。

事務総長は、「ここで私たちが話し合う内容は、全世界の数百万の人々にとって差し迫った現実です。私たちは合意に関する交渉で常に、こうした人々のニーズを注視しなければなりません」と述べ、昨夜、サイクロン・パムの目がバヌアツの首都ポートビラの付近を通過したことを指摘しました。

「この災害で、どれだけの被害が出たのかはまだ明らかになっていませんが、破壊や損害が広い範囲に及んでいることが危惧されます。私は、人的被害が最低限に止まることを望みます。また、バヌアツの人々と代表の方々に対し、心からのお見舞いを申し上げるとともに、深い哀悼の意を捧げます」と述べた事務総長は、さらに次のように付け加えました。「私たちはすべての被災者と思いを共にしています。私たちが用意できる最高の贈り物は、この会議を成功させることに他なりません」。

事実、潘事務総長は会議に参集した代表団に対し、その参加によって、仙台会議が史上最高レベルの防災会議となったことを伝えました。「今回の会議は、全世界の人々を持続可能な道へと導く新しい未来に向けた私たちの行程の出発点にあたります。防災は、持続可能な開発と気候変動に関する前進を促します。」

事務総長は、仙台で野心的な成果が得られれば、国際社会は新たなグローバル目標を中心に据えながら、普遍的な気候協定と、計画を実現するための資金調達を伴う、新たな持続可能な開発アジェンダに至る道を歩むことになるという点を強調しつつ、仙台会議が国連にとって特に重要な1年の幕開けを告げるものであることを指摘しました。なぜなら世界の指導者たちは7月にアジスアベバで開発資金について話し合い、さらに9月にはニューヨークで新たな開発アジェンダを採択するとともに、締めくくりとして12月にはパリで有意義な拘束力のある気候変動協定を採択することになるからです。

事務総長は、兵庫枠組の成果を土台にしながら「私たちは個人のエンパワーメント、コミュニティーへの支援、そして約束に見合う資金の確保により、増大の一途をたどる世界のニーズに応えなければなりません。特に、最も貧しく、社会的に最も弱い立場にある人々を援助しなければなりません」と強調し、「持続可能性は仙台から始まるのです」と宣言しました。

事務総長はさらに、気候変動が、特に小島嶼開発途上国や沿岸部に住む数億人にとってのリスクを増大させていることを指摘しました。災害が起きれば、障害者や高齢者は大きな危険に晒されます。しかも、災害による犠牲者の10人に9人は、低所得国と中所得国の人々です。

「私たちは特に、これらの国々に注意を向ける必要があります。しかし、防災はすべての人の利益であり、すべての人の課題です。経済がグローバル化する中で、私たちの世界はこれまでになく小さくなっています。ある国で地震が起これば、別の国の金融市場に影響が及びます。ある地域が暴風雨に見舞われれば、別の地域で経済の混乱が生じます。」

事務総長は、「防災は、気候変動の影響に対する第一防衛線です。それは企業にとってスマートな投資であると同時に、人命を救うための賢明な投資でもあります」と述べ、全世界の損害額が現在、年間3,000億ドルを超えていることを指摘しました。

さらに、「より多くの人々が被災すれば、この数字はさらに跳ね上がるおそれがあります。その一方で、この数字を劇的に低下させ、浮いた資金を開発に投資することもできます。毎年60万ドルを防災に割り当てれば、2030年までに最大で3,600億ドルの節約も可能です」と説明しました。

その一方で、事務総長は、真のレジリエンスが単に、地震に耐えられるように建物を強くすればよいという話ではないことを強調しました。真のレジリエンスは、国々とコミュニティーの間の強い絆から生まれます。国連は統一的な行動計画により、こうした絆を強化する決意を固めています。グローバルな連帯の精神に則り、私たちの世界をすべての人にとって、より安全で豊かなものにしてゆこうではありませんか」と訴えました。

開催国である日本の安倍晋三総理大臣は、仙台を含む東北地方で2万人の命と、多くの人々の生活を奪った大規模な東日本大震災に触れ、災害に見舞われやすい日本が、災害リスクの削減に懸命に取り組んできたと述べました。

安倍総理は、日本が災害前よりも強い社会を目指すという「Build Back Better(より良い復興)」という考え方を重視し、洪水管理計画の随時見直し、堤の補強、避難路の整備、防災教育の徹底に取り組んでいることを指摘しました。この取り組みは効果を上げています。60年前、大規模な洪水はしばしば数千人の命を奪っていましたが、現在では洪水で100人以上が死亡することは稀になっています。東日本大震災の際も、生徒は昔からの言い伝えに従い、高台に避難しなければならないことを知っていました。今では最近の事例から学ぶことも極めて重要となっています。

この第3回国連防災世界会議では、世界各地の現在と過去の経験を共有します。参加者は、兵庫枠組に基づく活動を検証し、最新技術の利用について議論し、多様なステークホルダーとの効果的な連携を模索するとともに、兵庫の時代から仙台の時代への橋渡しとなる新たな枠組みを確立することになります。安倍総理はこのように述べ、この作業に参加する人々全員による積極的な取り組みを歓迎しました。

事務総長は防災会議とは別に安倍首相と会談しましたが、この会談ではとりわけ、暴力的な過激派組織やダーイシュの脅威に対する取り組みが議題となりましたを用いています)。

事務総長はこの関連で、ダーイシュによる後藤健二、湯川遥菜両氏の惨殺につき、日本の政府と国民に哀悼の意を表しました。事務総長と安倍総理は、クウェートで予定されている支援国会議を含むシリア情勢のほか、中東和平、国連改革についても話し合いました。

潘事務総長はバヌアツのボールドウィン・ロンズデール大統領とも会談しました。事務総長は、サイクロン・パムの被害を受けたバヌアツ国民と思いを共にすることを伝えました。そして、バヌアツはすでに、気候変動による悪影響を受けており、パムのようなサイクロンに襲われれば、同国が直面する課題はさらに厳しくなりかねないと付け加えました。

事務総長は、バヌアツの状況が、仙台会議の重要性だけでなく、防災と気候変動の双方に関する野心的対策が喫緊の課題であることを如実に示していると指摘しました。

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演説する潘基文事務総長     UN Photo/Eskinder Debebe