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持続可能な開発アジェンダの鍵を握る国連防災会議、仙台で開催へ(2015年3月12日)

2015年03月13日

2015年3月12日 – 世界各国の政府代表と市民社会のリーダーたちは、防災と減災に向けた10年間にわたるグローバルな取り組みを総括するとともに、新たな世界的対応枠組に合意するため、仙台の国連会議に参集しています。第3回防災世界会議は2011年、福島第一原発のメルトダウンを引き起こした東日本大震災の最大の被災地、東北地方の中心都市で開催されます。2005年1月、22万7,000人が犠牲となったインド洋大津波の壊滅的被害を受けてスタートした取り組みを引き続き前進させるという目的に適う開催地といえます。

10年前、同じく日本の兵庫で開催された会議では、各部門や関係者が災害の被害削減に向けて必要とされる作業を詳しく定めた画期的な合意が成立しましたが、今回の会議は、その後継枠組の策定をねらいとしています。前回の「兵庫行動枠組(HFA)」からは、自然災害が最も多いアジア地域の直接的な被災者が10億人近くも減少するなど、大きな成果がいくつか生まれました。

このように心強い成果が達成される一方で、不適切な土地利用、建築基準の未整備やずさんな運用、環境の劣化、貧困、気候変動、そして何よりもガバナンス機構の不備といった災害リスクの元凶が消えていないという懸念が、依然として広く見られています。

さらに、2005年以来、悲劇が続発し、全世界の商業施設や住宅への被害を修復するために、年平均で3,140億ドルという膨大な費用が生じており、しかもその85%は民間セクターが負担しているという現状は、本格的な対策の必要性を物語っています。

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は今週、論説記事を発表し、新たな国連報告書によると、災害リスク削減に毎年60億ドルを投資すれば、3,600億ドルもの資金が節約できるという調査結果が得られていることを明らかにしました。こうした認識から、仙台会議では民間セクターの参加が増大しています。

「10年前の前回の会議に、民間セクターの代表はほとんど参加していませんでした。」潘事務総長はこのように述べています。「今回は、企業や起業家が全面的に参加し、有意義な機会を幅広く探ることになっています。」

国連国際防災戦略事務局(UNISDR)を率いるマルガレータ・ワルストロム事務総長特別代表(防災担当)は会議に先立ち、国連ラジオのインタビューに答え、会議の成果に対する期待と、国連開発システムにとって極めて重要な1年におけるその重要性について語りました。局長によると、災害リスク削減の問題と優先課題については、すでにかなりの合意ができ上がっており、どこに後継枠組の焦点を置く必要があるかという点に関する理解も深まっています。

「加盟国に残された課題は、資金調達に関する国際協力のあり方につき、共通の定式を見出すこと、すなわち、共通のグローバルな約束をいかに定式化するかという点にあります。もちろん、持続可能な開発目標の達成や、気候変動への適応にどのように取り組むかといった問題も重要です。」

ワルストロム氏は、新たな枠組みが、災害リスクの軽減を目的とする制度や政策の機能や統合の改善を目指しつつ、防災対策の充実と、復興の適切な計画と実施の重要性に引き続き焦点を置くよう促すものになると述べています。

「この文書が全面的に合意され、かつ、各国の政府や地方自治体のニーズに近いものであるという強い意識が得られれば、会議は成功したといえるでしょう。」特別代表はこのように述べ、今回の会議が、災害リスク削減に関する新たなパートナーシップの形成に役立つものになるという期待を表明しました。「各機関と地方自治体が密接に協力する環境の中で、このような連携に対するコミットメントがさらに高まれば…それも会議成功の証といえるでしょう。」

ワルストロム氏はさらに、仙台会議で議題に上っている問題が、ポスト2015開発アジェンダ全体に関する話合いで広く取り上げられている問題と一致していると付け加えるとともに、新たな防災行動枠組を新たな開発アジェンダ、さらには2015年末にパリで合意予定の新たな気候変動アジェンダとも整合させることの重要性を強調しました。

今年は、開発と気候変動に関するグローバルな重要問題について合意を目指す国際会議がいくつか予定されていますが、仙台会議はその皮切りとなるものです。仙台に続き、世界の指導者は7月にアジスアベバで、開発資金について話し合う会議に臨んだ後、9月にはニューヨークで、新たな開発アジェンダを採択し、そして最後に12月のパリ会議で、気候変動に関する有意義な拘束力のある合意を作り上げることになっています。ワルストロム氏は事務総長の言葉として、「持続可能性は仙台から始まる」と述べたうえで、2015年が国連によって「極めて重要な年」になるという認識を示しました。

「この認識は、世界のあらゆる国にとって持続と存続が可能な開発に向けた2015年の取り組みをすべて成功させるうえで、今回の会議が不可欠な要素の1つであることをよく示しています。」ワルストロム氏はこのように語っています。「ですから、仙台会議は、リスクと開発、そして持続可能性が相互に密接に関係していることに対する理解を深める絶好の機会といえます。」

「その成果を、今年の一連の取り組みに不可欠な要素としてしっかりと組み込むことができれば、2016年には持続可能性に向け、さらに充実した基盤ができ上がることでしょう。」

この記事の原文を読む
 →http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50311#.VQPqadKsWVP

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福島第一原発のがれき、事故後に撮影(Photo: IAEA/Gill Tudor)
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