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「ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた500日行動」イベントでの事務総長あいさつ

プレスリリース 14-050-J 2014年08月20日

「ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた500日行動」イベント

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長あいさつ

(ニューヨーク、2014年8月18日)

 

国連へようこそお出でくださいました。皆さんにお会いでき、嬉しく思います。

私は若者の素晴らしいリーダー、マララ・ユサフザイさんと同席できることを大変喜んでいます。マララは国連の娘ともいえる存在だからです。ようこそ国連へ。

きょう、マララと同席できることは喜びです。私たちにはこの日を記念し、祝うべき多くの理由、少なくとも二つの理由があります。

第一に、マララがミレニアム開発目標(MDGs)の達成を推進する指導者たちを鼓舞していること。

第二に、MDGs達成の期限を、今日から500日後に迎えること。

そうした中で、ここに500人の若者が集まっていることを知っています。

未来の若きリーダー500人を前にできるこの日以上に、祝賀と記念にふさわしい機会はありません。

教育とMDGsに対する皆さんの熱意と支援に大いに感謝します。ご存じのとおり、MDGs達成期限を1,000日後に控えた記念日に、私はスペインにいました。当時、私は期限まで1,000日というこの日をどのように祝い、記念し、人々の心に刻み付けたらよいのだろうかと考えていました。

私は、レバンテとレアルマドリードが対戦するサッカー場を訪れ、ファーストキックを行いました。私はこのキックに、“世界から貧困を蹴り出す”という希望を込めました。私はその時、誰に話をするべきかを考えました。

そして私は、マララこそ、教育とMDGsに関するメッセージを発するのにふさわしいと思いました。私はスカイプで電話をかけましたが、マララはまだ、傷の治療中でした。

マララはこう答えました。「事務総長、私は撃たれましたが、歩いたり、話したりすることができます。全世界のため、特に少女や女性のためなら、何でもできます」。マララは、1本のペンが世界を変えられると言いました。事実、マララ自身がそのことを証明しています。彼女の1本のペンが、教育をはじめとするMDGsの実現に向けた私たちの取り組み方を、大きく変えているのです。

私は、マララの強い決意を高く評価しています。また、マララの両親や学校の先生、友人の方々による強力な支援にも深く感謝しています。

タリバンが最も恐れたのは、教科書を持つ少女です。私が直ちに発信したツイートには、百万単位の支持が寄せられました。少女が教育を受け、結束すれば、私たちにできないことなど何もありません。それこそ、テロリストやタリバンが闘いの敵とみなすものです。彼らはそれをとても恐れているからです。

人々が教育を受けていない場所があれば、過激主義やテロリズムの温床となりかねません。だからこそ、私たちは教育を推進しなければならないのです。マララはタリバンの攻撃を受け、瀕死の状態にあった時にも、教育が世界を大きく変えられるという信念を変えませんでした。

ご存じのとおり、私は戦火で荒廃した韓国で育ちました。当時は何もかもが破壊され、荒れ果てて、教室もなく、私たちは木陰で勉強していました。

それでも、教育を受けたい、学びたいという渇望は非常に強かったことを覚えています。私が今ここにいるのも、そのおかげです。私はまだ教育を受けることができない人々に対し、絶望せず、希望を持ち続けるよう訴えています。本当に勉強する気があれば、そして一所懸命に努力すれば、世界は変えられるのです。それこそ、国連が目指していることに他なりません。

私はその意味で、マララと若い人々を全面的に支援します。若者は未来のリーダーだという話はよく聞きますが、皆さんはきょう、すでに多くの重要な決定を下し、多くの行動を起こしています。皆さんはすでに世界に「仲間入り」しているのです。世界を変えようではありませんか。そして、すべての人々にとってよりよい世界をつくろうではありませんか。出身や貧富、性別や年齢に関係なく、私たちは同じ人間です。国連もその前提に立って創設されたのです。

世界には、就学年齢に達していながら、教育を受けられない若者がまだ5,000万人います。私たちはこうした人々を学校へ戻そうとしています。MDGs達成期限を500日後に控えた今、私たちはこのことをビジョンに据えて活動しています。

この期限までに目標を達成するには、いくつかの分野で取り組みを強化する必要がありますが、教育もその一つです。しかし、さらに15年後の2030年を期限とする次の開発アジェンダ、いわゆる「持続可能な開発目標」には、質の高い教育や、初等教育後の中等教育の普及が盛り込まれることになるでしょう。それは国連の、そして私のビジョンでもあります。

皆さんが今後とも、すべての人にとってより良い世界をつくるため、声を上げていくことを期待しています。

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©UN Photo/Mark Garten